レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/08/22
- 登録日時
- 2018/03/24 00:30
- 更新日時
- 2018/03/25 09:33
- 管理番号
- 千県東-2017-0010
- 質問
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解決
西暦535年に起きたインドネシアのクラカタウ火山の噴火が、広い範囲に気象異変をもたらしたが、特に朝鮮半島における気象異変について書かれている資料はあるか。
- 回答
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お問い合わせいただいた件につきまして、以下の資料に記述がありました。
【資料1】『西暦535年の大噴火 人類滅亡の危機をどう切り抜けたか』(デイヴィッド・キーズ著 文芸春秋 2000)
p.232-238 朝鮮の夜明け
「当時の朝鮮史のことを記した記録(十二世紀に書かれた『三国史記』)によると、朝鮮半島で気象異変が始まったのは五三五年だったようだ。五三五-五三六年の天候は、五一〇-六〇〇年の九十年間で最悪の期間の一つだったと記録されているのである。」とあり、洪水、雷、伝染病、干ばつなどの気象異変があったと記述されています。
この資料では朝鮮半島以外にも、日本、中国、ヨーロッパやアメリカなどの状況について書かれています。
【資料2】『歴史を変えた火山噴火 自然災害の環境史』(石弘之著 刀水書房 2012)
「第七章 西暦五三五年に何が起きたのか」
p.90「このころ朝鮮半島の食糧不足は日本以上に深刻で、(中略)三国時代(新羅・高句麗・百済)の歴史書『三国史記』によると、五三五年には洪水が起き、加えて五三五年末に地震が朝鮮を襲った。五三六年には「雷が鳴り疫病が大流行し」、それに引き続いて「広範囲の干ばつ」が発生した。」とあります。
【資料3】『クラカトアの大噴火 世界の歴史を動かした火山』(サイモン・ウィンチェスター著 早川書房 2004)
1883年の大噴火について書かれた資料ですが、「第4章 過去の火山活動」の中で535年の噴火についても触れています。
p.150-153「四一六年と五三五年の混同」
p.153-156「五三五年に起きた可能性のある噴火」
【資料4】『三国史記 完訳』(金富軾著 明石書店 1997)
p.381
535~537年の項目には「洪水が出て民家が漂没し、死者が二百余人も出た」「地震があった」「雷が鳴り、疫病が大流行した」「旱災がひどかった」「蝗災があった」「民が飢えた」などの記述があります。
- 回答プロセス
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千葉県立図書館の蔵書検索システムで全項目「クラカタウ」で検索し、【資料3】を確認、巻末にある推薦図書リストから【資料1】を見つけた。また、自館の書架NDC453.8(火山学)および221.03(朝鮮古代史)を確認し、【資料2】を見つけた。さらに【資料1】および【資料2】の記述から【資料4】を提供した。
(参考)
以下の資料を確認しましたが、直接回答につながる記述はありませんでした。
『火山の事典』(下鶴大輔ほか編 朝倉書店 1995)(資料番号:2100551658)
『火山の事典 第2版』(下鶴 大輔/編集 朝倉書店 2008)(資料番号:2102155206)
『図説火山と人間の歴史』(ジェイムズ・ハミルトン著 原書房 2013 シリーズ人と自然と地球)(資料番号:2102610945)
『朝鮮の歴史 先史から現代』(田中俊明編 昭和堂 2008)(資料番号:2102137431)
『年表で見る韓国の歴史』(金徳珍著 明石書店 2005)(資料番号:2101852979)
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会福祉 (369 9版)
- 気象学 (451 9版)
- 地震学 (453 9版)
- 参考資料
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- 西暦535年の大噴火 デイヴィッド・キーズ/著 文芸春秋
- 歴史を変えた火山噴火 石 弘之/著 刀水書房
- クラカトアの大噴火 サイモン・ウィンチェスター/著 早川書房
- 三国史記 金 富軾/著 明石書店
- キーワード
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- クラカタウ(クラカタウ)
- Krakatau(クラカタウ)
- クラカトア(クラカトア)
- Krakatoa(クラカトア)
- 噴火災害-歴史(フンカサイガイ-レキシ)
- 気候-朝鮮(キコウ-チョウセン)
- 異常気象(イジョウキショウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000233050