レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年07月24日
- 登録日時
- 2017/03/16 10:22
- 更新日時
- 2017/03/16 10:23
- 管理番号
- 福井県図20160724
- 質問
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解決
継体天皇の時代に坂井平野の辺りにあったとされる「旧坂井湖」が描かれた推定地図を見たい。
- 回答
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郷土資料の古代史、地質史関係の資料を調べたが、質問内容に合致する推定地図が描かれた資料は確認できず、「古坂井湖」の名称も確認できなかった。類似する地図として、『激動の大地丸岡』『自然はともだち ふくいの地質・地形』に縄文期の推定地図があり、後者では「古九頭竜湾」の名称を用いている。また、三浦静ほかによる論文にある「福井平野における沖積層基底深度分布図」等は、福井平野の形成(海~湖沼・低湿地の減退)の形成過程の推定に役立つ資料といえる。
- 回答プロセス
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福井県立図書館郷土資料、越前古代の分類(H213)、福井県古代の分類(H203)の継体天皇関係、福井の古代史関係の資料をあたるが、特に該当するような地図は見当たらなかった。
*古代史関係では、北陸~日本海岸における古代~中世の潟湖を利用した津湊について、次のような資料があるが、三国~坂井平野の潟湖についての言及はない。
・『福井県史 通史編1原始・古代』福井県、1993:p278~279「潟湖と地域勢力の成長」に敦賀津のみ記載がある。
・『日本海域歴史大系 第1巻』清文堂、2005:「北陸の津湊と交通」の章(出越茂和・著)があるが、越前国についての記載はない。
・『港湾をともなう守護所・戦国期城下町の総合的研究 北陸を中心に』仁木宏、2008:福井県については「中世港湾都市小浜の成立過程」(下仲隆浩・著)のみ。
次に郷土資料の地質史関係(H455)の資料をあたる。
三浦静の論文ほか以下の資料に、坂井平野に存在した湾~湖を推定するのに役立つ地図がある。
・『激動の大地丸岡』伊藤政昭・著、丸岡中学校地質部、197-:p10に縄文時代頃の「海進時の海水の侵入による海岸線の推定分布図」、p14に
「坂井平野の縄文海進と遺跡(三浦図に加筆)」の地図がある。
・『自然はともだち ふくいの地質・地形』福井県自然保護センター、1991:p11に縄文期の「古九頭竜湾」の地図がある。
・「福井県三里浜砂丘地域の水理地質について」塚野善蔵、三浦静ほか著(『福井大学学芸学部紀要』第2部第16号第4集、1966所収):p47に「福井平野における沖積層基底深度分布図」がある。-10m~-50mまでの等高線が引かれており、福井平野の形成過程の推定に役立つ。
*『福井県水理(地下水)地質図説明書』福井県、1965: p50にも同図がある。
質問内容に類する地図として確認できたのは、以上の縄文期の推定地図および福井平野の形成(海~湖沼・低湿地の減退)過程の推定に役立つ地図のみ。
なお、上記「福井平野における沖積層基底深度分布図」に類する地図として、以下のような地図もある。
・『福井県地質図』福井県建設技術公社、2010:p50に「福井平野に分布する微地形」の図。扇状地、氾濫原、三角州等の区分けがある(白黒)。
・『土地保全図18福井県』 国土交通省土地・水資源局、2006:「自然環境条件図」に扇状地、氾濫原、三角州等の区分けがある(カラー)。
※『福井県地質文献・地質調査箇所資料集』福井県測量設計業協会、1995 には、他にも三浦静の著作論文が多数出てくるが、今回はそこまでは調べなかった。
- 事前調査事項
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継体天皇が治水したとの伝説がある。「旧坂井湖」の名称は三浦静氏が使ったと聞いている。
- NDC
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- 地質学 (455)
- 参考資料
- キーワード
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- 旧坂井湖
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000212016