レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20120103
- 登録日時
- 2012/02/16 02:01
- 更新日時
- 2012/02/17 09:57
- 管理番号
- B2012口頭0103
- 質問
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解決
グリセリン(化学式C3H8O3)の熱伝導率(Thermal Conductivity)を知りたい。
- 回答
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ご照会の事項について、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
日化辞Web(http://nikkajiweb.jst.go.jp/nikkaji_web/pages/top.html)で検索すると、グリセリンの慣用名として、グリセロール、Glycerolなどがあります。
グリセリンおよび上記の別名の物質の熱伝導率について記載している資料(1)-(11)、データベース(12)がありましたのでご紹介します。
(1)『化学便覧.基礎編 2』(改訂5版 丸善 2004.2 【PA2-H22】)
「表 7.65 単体液体と化合物液体の飽和蒸気圧下の熱伝導率k/mW m^-1 K^-1 の温度T依存性」(pp.II-72~II-73)では、150K、200~400K(20Kごと)、450K、500Kにおける単体、無機化合物、有機化合物の熱伝導率を表にまとめています、
グリセリンはp.II-73に、260~400K(20Kごと)、450K、500Kにおける熱伝導率の値を記載しています。
(2)『新編熱物性ハンドブック』(養賢堂 2008.3 【MC141-J4】)
「B.3 流体(標準流体)(Gases and Liquids at Standard Temperature and Pressure)」(pp.42-49)では、臨界温度、双極子モーメント、動粘性率、熱伝導率、プラントル数、体膨張率、表面張力などを表にまとめています。
グリセリンはpp.46-47に記載しており、標準状態(298K, 101kPa)における熱伝導率は287 mW/m・Kとあります。
(3)『物理データ事典』(朝倉書店 2006.7 【MC2-H14】)
p.167に、「表8.24 液体の熱伝導率」を掲載しており、グリセリンの298.15 Kにおける熱伝導率は、287 mW/m・Kとあります。
(4)『流体力学ハンドブック』(第2版 丸善 1998.5 【MC2-G9】)
「主な液体の物性値(標準大気圧下:p0=101.325 kPa)」(p.1275)では、温度、密度、定圧比熱、粘度、動粘度、熱伝導率を表にまとめています。
グリセリンの熱伝導率は、280 Kは285 mW/m・K、300 Kは288 mW/m・K、320 Kは291 mW/m・K、360 Kは296 mW/m・Kとあります。
※p0の0は下付き文字です。
(5)『実験化学ガイドブック』(丸善 1996.4 【PA2-G13】)
「表6・26 液体の熱伝導率k[10^-3 W・m^-1・K^-1](飽和蒸気圧下)」(p.712)では、200,260,300,400 Kにおける液体の熱伝導率を掲載しています。グリセリンの熱伝導率は、260 Kが283、300 Kが288、400 Kが301とあります。
(6)『物理定数表』(新版 朝倉書店 1978.8 【MC2-19】)
p.122に、気体、液体、固体の熱伝導率を表にまとめています。
C3H8O3(グリセリン)の293 Kにおける熱伝導率は、2.87 [10^-3 W/cm・deg]とあります。
(7)『常用化学便覧』(誠文堂新光社 1960 【430.36-Z92】)
p.518(266コマ)に、液体の熱伝導率を表にまとめています。
グリセリンの0,20,75℃における熱伝導率は、いずれも0.68 cal/cm・sec・degとあります。
(8)『CRC Handbook of Chemistry and Physics』(91st ed. CRC Press 【Z63-C694】)
「Thermal Conductivity of Liquids(液体の熱伝導率)」(p.6-240~6-244)では、-25~100℃(25℃ごと)における液体の熱伝導率を掲載しています。
p.6-241に「Glycerol」を記載しており、25℃は0.285W/mK、50℃は0.288W/mK、75℃は0.292W/mK、100℃は0.296W/mKとあります。
(9)『Lange's handbook of chemistry』(16th ed. McGraw-Hill 2005 【PA2-B22】)
「TABLE 2.52 Thermal Conductivity of various Substances」(pp.2.509-2.511)では、有機化合物の名称のアルファベット順に、-25~100℃(25℃ごと)における熱伝導率を掲載しています。
Glycerolはp.2.510に記載しており、25℃は2.92 mJ/cm・s・K、50℃は2.95 mJ/cm・s・K、75℃は2.97 mJ/cm・s・K、100℃は3.00 mJ/cm・s・Kとあります。
(10)『Chemical properties handbook』(Carl L. Yaws McGraw-Hill c1999 【PA2-A137】)
pp.508-525に、「Table 23-1 Thermal Conductivity of Gas - Organic Compounds」を掲載しています。
Glycerolはp.510に、563,993 Kにおける熱伝導率を記載しています。
また、熱伝導率の関数式、代入する数値、温度の適用範囲も記載しています。
(11)『International critical tables of numerical data, physics, chemistry and technology』(1st ed. Published for the National Research Council by McGraw-Hill 1926-1930 【530.83-N277i】)
v.5, pp.227-228に、「Table 10. ― Thermal Conductivity (K) of Pure and of Miscellaneous Liquids(液体の熱伝導率)」を表にまとめています。Glycerolはp.228に記載しており、20℃における熱伝導率は290とあります。
(12)理科年表プレミアム(当館契約データベース:館内限定)
「2012:物理/化学部:液体の熱伝導率」に、グリセリンの熱伝導率を記載しています。0℃では0.286 W/m・K、60℃では0.292 W/m・Kとあります。
インターネット・データベースの最終アクセス日は、2012年1月7日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 有機化学 (437)
- 参考資料
- キーワード
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- 熱伝導率
- Thermal Conductivity
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000101825