レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/6/25
- 登録日時
- 2014/07/17 00:30
- 更新日時
- 2014/07/23 13:28
- 管理番号
- B140615121238
- 質問
-
解決
ドイツの化学者Noddack Walter(ノダック・ヴァルター)(1893.8.17~1960.12.7)が提唱した「元素遍在説」について記述がある資料があれば紹介してください。
- 回答
-
お問い合わせの事項について調査したところ、「元素遍在説」と同一の事項を示すとみられる、Walter Noddackによる言説について記載されている当館所蔵資料(1)が見つかりましたのでご紹介します。
なお、資料(1)によると、当該言説はW. Noddack及びI. Noddackの2人により提案されたようです。この情報に基づいて調査したところ、「元素遍在説」と同一の事項を示すとみられる言説について、I. Noddackによるものとして記載されている当館所蔵資料(2)、(3)が見つかりましたのでご紹介します。
また、「元素遍在説」と同一の事項を示すとみられる「allgegenwartskonzentration」についての記載がある当館所蔵の英語資料(4)、(5)が見つかりましたので、参考までにご紹介します。
また、「元素遍在説」について書かれたとみられる、I. Noddack自身による当館所蔵のドイツ語文献(6)が見つかりましたので、参考までにご紹介します。
(1)
タイトル:法則の辞典
責任表示:山崎昶 編著
出版者:朝倉書店
出版年月:2006.9
当館請求記号:M2-H106
pp.116-117に「元素普存律」についての記載があります。「元素遍在説」という記載はありませんが「ノダック夫妻(W. Noddack,I. Noddack(旧姓Tacke))の提案したものである.」(p.117)と記載されています。
なお、資料(1)の当該部分の内容は、朝日新聞社が運営するデータベース「kotobank」(http://kotobank.jp/)においても公開されています。本文は以下のURLから見ることができます。
http://kotobank.jp/word/元素普存律
(2)
論題:生物・岩石および金属における元素組成の規則性:元素普存説
著者:原田武夫
雑誌名:日本海水学会誌
出版者:日本海水学会
巻号・年月:38(5) 1985.1
ページ:291-299
ISSN:0369-4550
当館請求記号:Z15-47
*国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館館内限定公開資料
p.295 に「4. 元素普存説」という節があります。「元素遍在説」という記載はありませんが、「Noddackは,発光分析法を使って600種類の岩石を分析し,1936年に元素普存説 27)を提案し,定性的に岩石中にすべての元素が存在するとした.」(p.295)と記載されています。
なお、資料(2)の全文は科学技術振興機構が運営するデータベース「J-Stage」(https://www.jstage.jst.go.jp/)においても公開されています。本文は以下のURLから見ることができます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/swsj1965/38/5/38_291/_article/-char/ja/
(3)
論題:元素の組成からみた地球と生物:拡張元素普存説と全元素分析
著者:原口紘?
雑誌名:現代化学
出版者:東京化学同人
巻号・年月:352 2000.7
ページ:16-22
ISSN:0386-961X
当館請求記号:Z17-646
*国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館館内限定公開資料
p.16-18 に「1個の岩石にはすべての元素が含まれる:元素普存説」という節があります。「元素遍在説」という記載はありませんが「1936年ドイツの地球化学者 I. E. Noddackは「元素普存説」(All present theory of the elements)を提唱した(文献1).」(p.18)と記載されています。
(4)
タイトル:Biographical encyclopedia of scientists
責任表示:edited by John Daintith.
出版者:CRC Press
版表示:3rd ed.
出版年月:c2009
当館請求記号:M12-B10
pp.566の「Noddack, Walter」の項に「allgegenwartskonzentration」についての記載があります。
なお、資料(4)の当該部分の内容は、Oxford University Pressが運営するデータベース「Oxford Index」(http://oxfordindex.oup.com/)においても公開されています。本文は以下のURLから見ることができます。
http://oxfordindex.oup.com/view/10.1093/oi/authority.20110803100236385
(5)
タイトル:Dictionary of scientific biography
責任表示:Charles Coulston Gillispie, editor-in-chief
出版者:Scribner
出版年月:1970-
当館請求記号:M12-14
第10巻、pp.136の「NODDACK, WALTER」の項に「allgegenwartskonzentration ("omnipresent concentration")」についての記載があります。
(6)
論題:Uber die Allgegenwart der chemischen Elemente
著者:Ida Noddack
雑誌名:Angewandte Chemie
出版者:VCH
巻号・年月:49(47) 1936.11
ページ:835-841
ISSN:0044-8249
当館請求記号:Z53-A485
資料(2)で参考文献「27)」として、また資料(3)で「文献1」として挙げられている文献です。
[その他の調査済み資料・データベース](【 】内は当館請求記号です。)
・Ida Noddack and Walter Noddack「Die Haufigkeit der chemischen Elemente」(『Naturwissenschaften』 18(35) 1930.8 pp.757-764 【Z53-A31】)
・Ida Noddack and Walter Noddack「Herkunftsuntersuchungen」(『Angewandte Chemie』 47(37) 1934.9 pp.637-641 【Z53-A485】)
・NDL-OPAC(https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)
・Chemical Abstracts Web Edition [当館契約データベース]
・JapanKnowledge Lib [当館契約データベース]
・JDreamⅢ [当館契約データベース]
・Web of Science [当館契約データベース]
・CiNii Articles(http://ci.nii.ac.jp/)
・CiNii Books(http://ci.nii.ac.jp/books/)
・J-GLOBAL(http://jglobal.jst.go.jp/)
・J-STAGE(http://www.jstage.jst.go.jp/)
インターネット・データベースの最終アクセス日は2014年6月20日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 物理化学.理論化学 (431 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 元素遍在説
- Noddack Walter
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000156359