レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年7月29日
- 登録日時
- 2017/07/29 10:59
- 更新日時
- 2017/08/18 08:36
- 管理番号
- 県立長野-17-071
- 質問
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解決
医師一人を専門職として養成する(患者の前に立たせ、問診・検査の結果に基づき診断を下し、薬物処方や手術などの必要性を患者に説明し、患者の同意を得てこれらの侵襲行為を実施し、法律の定める診療報酬を得ることができるようになる)には、どれだけの費用が掛かるのか(医師になる本人や家族が負担する費用、税金などで負担する費用が区別できればその点も)。
- 回答
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詳細な数値を記載した資料は見つかりませんでしたが、以下を紹介いたします。
1 『読売新聞』東京本社発行朝刊 2008年10月16日22面
医療構造改革への読売新聞の提言に関する特集記事中、 「医師一人の養成に約1億円
かかると言われ」
2 『毎日新聞』東京本社発行朝刊 2015年3月31日21面
私立大学への補助金交付に関する記事中、「医師養成には学生1人当たり約4300万円
の費用がかかるとされ」
これらの記事には数値の典拠の記載はありません。
また、日本医師会のウェブサイトでは以下のような記載が見られます。
3 日医ニュース第1284号(2015年3月5日)
http://www.med.or.jp/nichinews/n270305b.html
(2017年8月11日最終アクセス)
日本医師会の横倉会長が、「国家戦略特区による医学部新設」に反対する声明を塩崎厚
労大臣に提出したという記事中、「医師一人当たりの養成費用は医学部六年間で約一億円
に達すること(日本私立医科大学協会調査)」
上記3の数値の根拠とされている日本私立医科大学協会調査は、昨年11月に最新版に更新され
ているものが同会ウェブサイトに掲載されています。
4 「医学教育経費の理解のために」
http://www.idaikyo.or.jp/zaisei/igaku28.11.pdf
(2017年8月11日最終アクセス)
私立大学に限定したものですが、学生1人当たり1年間で1846万円の医学教育経費が必要である
こと(平成27年度)の記載があります(3ページ)。
しかし、この数値の算出方法については記載がありません。
単純に6年を掛けると、1億1076万円の費用が必要ということになると思われます。
また、このページ下部に私立医学部生の学納金の6年間合計が3221.0万円、国立大学が350万円
(平成29年度)であることの記載があります。
私立大学の場合、1億1076万円から3221.0万円を引いた額が、補助金・寄付金などで補われている
と考えられますが、その内訳については見つかりませんでした。
- 回答プロセス
-
1 医療、医療教育に関する当館資料を検索し確認。
依頼内容に関する記載なし。
2 新聞記事をデータベースから検索。
上記毎日、読売新聞の記事が見つかる。
3 ウェブ上の情報源を検索。
日本医師会のウェブサイトをサイト内検索機能を使用して検索。
関連する記載が見つかる。
4 3の根拠が日本私立医科大学協会調査とされているので同協会ウェブサイトを確認。
なお、ウェブでは医師一人の養成に約1億円かかるという説の真偽に関するサイトが多く見られる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 大学.高等.専門教育.学術行政 (377)
- 医学 (490)
- 参考資料
- キーワード
-
- 医師
- 医療教育
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000219487