レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年04月28日
- 登録日時
- 2019/05/10 18:10
- 更新日時
- 2019/06/26 11:58
- 管理番号
- 島根郷2019-04-003
- 質問
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解決
昭和10年代に島根県能義郡荒島村で「愛育村事業」というものが行われたと聞きました。その具体的な内容について知りたいです。
- 回答
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当館所蔵資料から、下記の資料を紹介し回答。
資料1:p287-291「荒島村厚生協会婦人部の活動」の項目あり。
厚生協会婦人部の会長は村長であるので、村役場の全面的支援を受けていたものとされる。『荒島村厚生協会婦人部概要書』によると、事業内容として、修養部・時局部・保育部などの中に愛育部があり、設立は昭和15年4月29日とする。愛育部は、村内に20支部をもうけ、その支部に支部長・保健委員各1名を置く。各支部には10~15戸ごとの班が置かれ、各班に班員1名が置かれた。各支部では毎月常会が行われ、また妊娠4ヵ月になれば班員に届け出、班員は本部に通告し、本部からは保健婦が毎月派遣され、要すれば嘱託医も派遣するとした。班員はそれに立ち合い、妊婦の心得などを本人家族に指導し、家族全員に「生レ出ヅル者ニ対スル合理的処置ト関心ヲ喚起…所定カードニ記ス」とある。また、健康診断や健康診断所の開設、母親人事相談などの活動を行っていたとする。
資料2:545号p24-29「町村に於ける愛育運動」のうち、p24-25に荒島村の報告あり。
班内で妊娠(5ヶ月標準)した場合は班長に届け出、班長は保健委員を通して本部に届け出る。本部では記帳の上、保健婦を派遣し毎月訪問、診察して異常があれば本部に報告し嘱託医を派遣する。分娩の際は保健婦が駆けつけるほか、保健委員・班長は分娩の家に奉仕に行き、保健婦の下働きや家事の手助けをする。出産すると保健婦は本部に届け出、本部では役場に回付し、村長が出生届を携えて出産の家に出向き、出生届を交付する。保健婦は出生後は学齢期まで乳児・幼児の健康診断を行ってカードに記入し、カードは幼稚園・小学校に回付され、生育状態の把握の資料とされた。従来の産婆料はその家からではなく本部より保健婦に助産料を支払い、出産の家からは安産祝として1~10円を本部に寄付する、とした。これは因習による取り上げ婆を廃止させ、「衛生的に本部の保健婦の手に拘らねばならぬことに限定せる関係上下層階級の受益を考慮して」いるとする。ほかには、幹部訓練、健康相談、母親人事相談を行っている、とする。(荒島村以外では、岩坂村、出東村が報告されている。)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会福祉 (369 8版)
- 参考資料
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【資料1】島根県社会福祉協議会 編 , 島根県社会福祉協議会. 島根県社会福祉史. 島根県, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001824932-00 (当館請求記号 郷貸出369.1/シ86) -
【資料2】島根縣教育會 , 島根縣教育會. 島根教育 第五百三十七号~五百五十ニ号 複写. 島根県私立教育会.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I069430618-00 (当館請求記号 C2/2364/59 貸出禁止資料)
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【資料1】島根県社会福祉協議会 編 , 島根県社会福祉協議会. 島根県社会福祉史. 島根県, 1986.
- キーワード
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- 母子保健
- 愛育
- 社会福祉
- 安来市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000255943