以下の資料に関連する記述があった。
【資料1】『余暇生活論』(一番ケ瀬康子ほか著 有斐閣 1994)
p17-20「高齢時の余暇の意義」
「高齢時の余暇生活の積極的な意義は次の4点にある。第1に(中略)生きがいのある充実した生活を送ることができる。第2に(中略)心身の衰退をおくらせることにもなる。(中略)第3に、老後の孤独が解消されていく側面がみられる。そのことがいざというときに、互助活動に発展していく可能性をもっている。第4に、余暇活動は、社会参加につながっていくものである。」
【資料2】『高齢者のこころとからだ事典』(日本老年行動科学会監修 中央法規出版 2014)
p424-425「趣味 生活の活性化と自己実現」
「趣味を同じくする者が一堂に会して集団で行う場合には、友人づくりなど成員間交流の効果も期待できる。その意味で趣味は、老年期の友人関係の再構築にも重要な役割を担っている。」
「高齢者の行う趣味活動は、壮年期・中年期から老年期へとつながる人生設計や個人のもつ人生観や死生観に及ぶ意義深い生活行動といえる。」
p418-419「生涯学習 健康で充実した生活のために」
老年期における生涯学習の効果として、友人関係の再構築、生きがいの創造、健康維持が挙げられている。
p428-429「レクリエーション 自由時間を上手くに過ごすために」
高齢者のレクリエーションの意義として、楽しさ感、生きがい感が挙げられている。
【資料3】『レジャーの社会心理学』(ロジャー・C.マンネル著 世界思想社 2004)
p239-267「レジャーの心理的利得」
p265-266「加齢の活動・代替理論」
「活動・代替理論は、活動的であることが加齢にうまく順応することを助けるという、ハヴィガーストとアルブレヒトによって提唱された説である。この理論は、人は年を重ねていく上で、自己概念とウェルビーイングや生活満足度を維持するために失った役割や社会的活動を新しいものに替えることで、活動的なライフスタイルを維持していくべきであると示唆する。レジャーは、この活動的なライフスタイルの維持を可能にするという点において、非常に重要であるとみなされている。」
※この他、高齢者に限ったものではないが、「多忙維持理論」、「快-リラクゼーション-愉快理論」、「欲求-補償理論」、「個人の成長理論」、「アイデンティティ形成・確認理論」、「均衡・対処理論」など、レジャーの心理的利得に関する理論を紹介、解説している。
【資料4】『老人・障害者の心理』(藤田綾子編 ミネルヴァ書房 2005)
p98-101「老人のレクリエーションと生きがい」
「レクリエーション療法の目的は次の通りである。1.不安、葛藤、攻撃性等、不安定な情動や不適応症状の改善。2.活動性の増大。3.対人関係、社会性の向上。4.精神的安定と社会参加への意欲。」
【資料5】『シニアのレクリエーション活動 支援のヒントと実際』(余暇問題研究所著 ミネルヴァ書房 2004)
p18-31「レクリエーション活動実施の効用」
効用として「寝つきがよくなる」、「生活にメリハリがつく」、「人と交わる機会が増える」、「笑い」、「体力保持につながる」、「リハビリテーションにもなる」、「転倒防止につながる」が挙げられている。
【資料6】佐伯洋子・加藤佐千子「健康寿命の延伸にむけて2―高齢者の趣味活動と脳の老化度―」
(『大阪観光大学紀要』第11号 2001.3)p55-62
(
http://library.tourism.ac.jp/no.11SaekiYoko.pdf)
p60-「年間を通して規則的に趣味活動を実践している人を対象に脳の老化度について検討した結果、脳の老化度総得点は男女共、該当年齢が40~44歳と暦年齢と比べ20以上若かった。」
【資料7】山下一也・井山ゆり・松本亥智ほか「地域在住高齢者の趣味の有無と認知機能の関連」
(『島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要』第1巻 2007)p25-29
(
https://ushimane.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=189&item_no=1&page_id=13&block_id=21)
p27「島根県の3地域の住民検診において,趣味の有無により認知機能に有意な差がみられた。認知症予防において、趣味を持つことへの積極的な推進が重要と考えられる。」
【資料8】原田隆・加藤恵子・小田良子ほか「高齢者の生活習慣に関する調査(2)余暇活動と生きがいについて」(『名古屋文理大学紀要』第11号2011)p27-33
(
http://www.nagoya-bunri.ac.jp/information/memoir/files/2011_04.pdf)
p33「余暇活動と生きがい感において男女間で若干の違いがみられたものの、高齢者の余暇活動への参加は健康的な生活を送るうえで必要不可欠であることが示唆された。」
【資料9】竹田徳則・近藤克則・吉井清子ほか「居宅高齢者の趣味と生きがい 作業療法士による介護予防への手がかりとして」(『総合リハビリテーション』33巻5号 2005)p469-476
p475「本研究では、趣味や生きがいの「ある」高齢者は、「ない」高齢者に比べ、生活満足度や主観的健康感、主観的幸福感が有意に「高く」、うつやうつ傾向が有意に「少なく」、元気づけや気遣いしてくれる者が有意に「多く」、心理・社会的なQOLとの関連が大きかった。」
(インターネットの最終アクセス:2017年8月4日)