レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/06/12
- 登録日時
- 2019/03/21 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:39
- 管理番号
- M18110918590543
- 質問
-
大黒様を描いた紙幣の図案、発行年代、額面の種類について知りたい。
- 回答
-
・『日本近代紙幣総覧』(資料①)には、米俵に乗った大黒天と3匹のねずみを描いた「日本銀行兌換銀券」(1円、5円、10円、100円)の図版が掲載されている。その紙幣上に「明治十七年五月廿六日太政官布告第拾八號兌換銀行券條例ヲ遵奉シテ發行スルモノ也」とあり、巻末の「日本近代紙幣一覧表」から各紙幣の通用期間と寸法も確認できる。
・「兌換銀行券條例」(資料②)第2条によれば、「兌換銀行券ノ種類ハ壹圓五圓拾圓貳拾圓五拾圓百圓貳百圓ノ七種トス」とある。
・『紙幣肖像の近現代史』(資料③)には、「日本銀行の創設と兌換銀券『大黒札』の製造」の経緯が解説されている。大黒天像の採用理由については、「経緯はあまり定かではないが、一般的には『国立銀行紙幣・新券』の裏面に恵比寿像が描かれたため、これに続いて『兌換銀券』に七福神の中で財神として定着してきた大黒天を採用したものとされている」として、「印刷局のお雇外国人彫刻者キヨッソーネによってデザインされ、凹版彫刻されたものである」ことがわかる。また、本書によると「明治18年5月に10円券、同年9月に1円と100円券、翌19年1月に5円券が発行された」として、実際に発行された券種が1円、5円、10円、100円の4種で、大黒札は欠陥が見つかったため、明治21年には製造中止となり、5年間の短い製造期間だったことが紹介されている。
④『日本紙幣肖像の凹版彫刻者たち』(資料④)にも、「大黒札」の日本銀行兌換銀券の図版が掲載されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 貨幣.通貨 (337 9版)
- 参考資料
-
-
①ボナンザ編集部『日本近代紙幣総覧』 ボナンザ,1984,215p. 参照はp.34-38.
②「官報」第270号 明治17年5月26日 参照はp.1-2.
③植村峻『紙幣肖像の近現代史』 吉川弘文館,2015,280p. 参照はp.98-106.
④植村峻『日本紙幣肖像の凹版彫刻者たち』 印刷朝陽会,2010,102p. 参照はp.25-26.
-
①ボナンザ編集部『日本近代紙幣総覧』 ボナンザ,1984,215p. 参照はp.34-38.
- キーワード
-
- 紙幣
- 日本銀行券
- 大黒天
- 七福神
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2018110918541690543
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000253400