レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/11/10
- 登録日時
- 2017/01/08 00:30
- 更新日時
- 2017/01/08 00:30
- 管理番号
- 6001020141
- 質問
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解決
GPS(位置情報)捜査で任意処分か強制処分かが争われた事件で、よく取り上げられる最近の判例を知りたい。また、当該事件の裁判に関連した判例評釈も知りたい。
- 回答
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●GPS捜査に関する判例
データベース『D1-Law』と『Westlaw Japan』で調査した結果、『D1-Law』では4件、『Westlaw Japan』では6件ありました。
そのうち、判決後法律雑誌などでもよく取り上げられ、また、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の社会面・政治面などで話題となった2件の対照的な判決を紹介します。
これは、大阪府警が窃盗事件の被疑者の行動を確認するために裁判所の令状なしでGPSの端末を車両に取り付ける捜査法により得られた証拠の、証拠能力が争われた事案です。
同じ大阪地裁で審理され、次のように決定がわかれました。
1)平成27年1月27日決定大阪地裁第9刑事部(平(わ)124号ほか窃盗、建造物侵入被告事件)本件条件下のGPS捜査は適法な任意捜査であり、違法性はなく、証拠として採用。
2)同年6月5日大阪地裁第7刑事部決定(平(わ)5962号ほか窃盗、建造物侵入、傷害被告事件)GPS捜査は令状なしの違法な強制捜査であり、証拠請求を却下。
1)、2)では、関連評釈として、『新判例解説Watch』18号、『刑事法ジャーナル』47号、『時の法令』1973号、『法学教室』426号の別冊付録『判例セレクト2015Ⅱ』、『専修ロージャーナル』11号(機関リポジトリ※とリンクしており、全文が閲覧できます)などが紹介されています。頁の表示もあります。
※山本和昭「<判例研究>GPSを使用した証拠収集の適法性をめぐる二つの決定」『専修ロージャーナル』11号(専修大学学術機関リポジトリ)(2016/11/10現在)
http://ir.acc.senshu-u.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=9482&item_no=1&page_id=13&block_id=52
この論文のp.49-72「<判例研究>GPSを使用した証拠収集の適法性をめぐる二つの決定」では、1)と2)が詳しく説明されており、アメリカやドイツ、フランスにおけるGPS捜査の法整備にいたる経緯についても書かれています。
論者は、2)の決定に賛同し、論拠を示しながら詳しく述べています。
[作成年月日:2016年11月10日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 司法.訴訟手続法 (327 8版)
- 参考資料
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- 新・判例解説Watch vol.18(2016年4月) 新・判例解説編集委員会‖編 日本評論社 2016.4
- 刑事法ジャーナル イウス出版 成文堂 47(2016)
- 時の法令 法令普及会 朝陽会 NO.1973 (平成27年3/15)
- 法学教室[雑誌] 有斐閣 No.426 (2016-03) 別冊付録:判例セレクト 2015<2>(49p)
- http://ir.acc.senshu-u.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=9482&item_no=1&page_id=13&block_id=52 (山本和昭「<判例研究>GPSを使用した証拠収集の適法性をめぐる二つの決定」(専修大学学術機関リポジトリ))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 法律
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000205982