レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20170703
- 登録日時
- 2019/04/12 00:30
- 更新日時
- 2019/04/17 00:30
- 管理番号
- 徳郷20170701
- 質問
-
解決
『日本人とドイツ人 人間マツエと板東俘虜誌』(棟田博/著 光人社 1997.10) P-245「記録によれば ―板東町森弥八所有ノ山林約二町歩ノ松樹ヲ価格三百五十円也デ購買シ、コレヲ俘虜ノ経営事業トシテ伐採セシメ、… 」の文中、記録、記録名とそれに関連する記事を知りたい。
- 回答
-
『日本人とドイツ人 人間マツエと板東俘虜誌』p245
「記録によれば ―板東町森弥八所有ノ山林約二町歩ノ松樹ヲ価格三百五十円也デ購買シ、コレヲ俘虜ノ経営事業トシテ伐採セシメ、… 」
と似た文章が、
a.『「第九」の里ドイツ村』(林啓介/著 井上書房 1993.12)p62-65「伐採作業」のp62-63の部分にあります。
「さらに、同年六月五日の巡査報告では、
「ヒドノ山山林を伐採製薪中であったが、これを完了。更に同所において板東町森弥八所有の山林約二十歩にある松立木を
代価三百五十円で購入し、捕虜の経費事業として、本日より午前、午後の二回伐採に着手。」とある。」
「約二町歩ノ松樹ヲ」
「約二十歩にある松立木を」
の部分が違いますが、土地の所有者、購入価格などのほとんどは同じです。
『「第九」の里ドイツ村』のこの部分は「巡査報告では」となっています。
これは、p214の「主要参考資料一覧」より、
b.「雜書編冊」(寺岡健二郎氏蔵)-板東俘虜収容所警備警察官報告書―」のことと思われます。
『日本人とドイツ人 -人間マツエと坂東俘虜誌』も、文章が類似していることから、この「雜書編冊」を元にしているのではないかと思われますが、
原本は当館になく、確認することはできません。
「雜書編冊」については、
c.『鳴門市史 中巻』(鳴門市史編纂委員会/編・発行 1982.03)
に簡単な説明があります。
p746-747「面会人と警備状況」
によると、板西警察分署警備警察官出張所の「雜書編冊」(警備日誌)には、主として面会に関すること、御用商人のこと、
捕虜の外出の際のことなどが記されています。
伐採作業については、ドイツ兵が当時書いた新聞「ディ・バラッケ」にも記述があります。
こちらは、ドイツ兵からの視点で、実際の作業の様子が記されており、土地の所有者や金額などは書かれていません。
d.『ディ・バラッケ 第3巻 板東俘虜収容所新聞』(鳴門市ドイツ館史料研究会/訳 鳴門市 2005.03) T070 /ナル/1-3A
(日本語に訳したもの)
p268-270「木こり団創設1周年によせて」
活動の様子が記されています。これによると、1918年2月4日に、はじめて森へ出かけています。
e.『ディ・バラッケ 第1巻 板東俘虜収容所新聞』(鳴門市 ドイツ館史料研究所/訳 鳴門市 1998.03) T070 /ナル/1A
p307「1918年2月の収容所日誌」の4日に「伐採の開始」とのみ書かれています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 四国地方 (218 8版)
- 参考資料
-
- 日本人とドイツ人 人間マツエと板東俘虜誌 (T950ムネ4A245棟田博/著 光人社 1997.10)
- 「第九」の里ドイツ村 (T950ハヤ3A62-65林啓介/著 井上書房 1993.12)
- 鳴門市史 中巻 (T220ナル3-チュウA746-747鳴門市史編纂委員会/編 鳴門市 1982.03)
- ディ・バラッケ 第3巻 板東俘虜収容所新聞 (T70ナル1-3A268-270鳴門市ドイツ館史料研究所/訳 鳴門市 2001.03)
- ディ・バラッケ 第1巻 板東俘虜収容所新聞 (T70ナル1A307鳴門市ドイツ館史料研究所/訳 鳴門市 1998.03)
- キーワード
-
- 板東俘虜収容所
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000254836