レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年05月18日
- 登録日時
- 2017/08/07 18:13
- 更新日時
- 2017/08/16 12:55
- 管理番号
- 0000110679
- 質問
-
解決
太平洋戦争後、海軍岩国航空基地への米軍及び英連邦軍の進駐・駐留について、進駐撤退の時期、部隊名、人数、活動等を知りたい。
- 回答
-
調査対象期間を、太平洋戦争終結(昭和20年(1945年)8月)から、いわゆる旧日米安全保障条約発効による在日米軍駐留開始(昭和27年(1952年)4月)までとして回答。
各資料により記述が異なっているため、公的な資料である下記資料1を中心に、資料2~4及びインターネット資料1で大きな異動のあった記述を補記しまとめたものは以下のとおり。
昭和20年(1945年)8月
米海兵隊進駐、基地接収(時期について、資料1年表(p1071)では進駐軍が岩国に着いたのは9月5日とし、資料3・4・インターネット資料1は9月とする。部隊名について、資料4は英、豪、ニュージーランド軍とする。インターネット資料1は海兵隊第4連隊とする。)
昭和21年(1946年)2月
英連邦空軍(英空軍、豪空軍、英印部隊、ニュージーランドなどの混成部隊)及び米空軍進駐、基地主導権は英空軍
昭和23年(1948年)3月
オーストラリア空軍基地となる。(資料4、インターネット資料1)
昭和25年(1950年)9月
朝鮮戦争に伴い、国連軍(英海軍部隊、米空軍及び米海軍部隊の一部)が派遣される。(資料3では、「ニュージーランド軍にかわり米軍進駐」とする。インターネット資料1では、「6月、米空軍第3爆撃航空団(B-26)が岩国基地から北朝鮮に対する戦闘活動を開始。米海軍第6艦隊航空団の航空部隊、米海軍第77任務部隊および第95任務部隊が岩国基地から朝鮮戦争に派遣された。」とする。)
昭和27年(1952年)4月1日
英連邦豪空軍管理より米空軍の管理に移る。(資料1年表(p1078)、インターネット資料1も同様。資料4は「兵員3500人」とする。)
なお、上記以外の進駐・駐留した部隊の人数、活動等について、詳細は不明。
- 回答プロセス
-
1.岩国市史を確認
旧版『岩国市史』下(資料1)に記述あり。新版は通史の現代篇未刊行。資料編にも関係記述なし。
2.当館蔵書検索にて「岩国」「基地」等で検索
ヒットした資料にあたる。資料2-4に記述あり。なお、岩国市役所発行の『基地と岩国』(1980-)は、5から10年おきに発行されているが、基地の沿革についての記述はどれも同一で、詳細ではない。
3.山口県史等を確認
現代部分の通史は未刊行。史料篇に収録されているのは、兵士の聞き書き等のため関係する記述なし。
4.レファレンス協同データベースで、「米軍」「基地」「在日」等で検索
他自治体の事例が多くヒット。ただし、殆どがその自治体の自治体史等を典拠としている。一部に警察史、議会史を参照しているものがあったため、『山口県警察史 下』(山口県警察史編さん委員会 編、山口県警察本部、1982)と、『山口県会史 昭和16-21年』(山口県議会事務局 編、山口県議会、1971)、『山口県議会史 昭和22年―30年』(山口県議会 編、山口県議会、1978)を確認。前者には、昭和21年2月 岩国と防府の飛行場にオーストラリア航空隊が進駐、昭和23年9月に同隊引き揚げ、とあったが(p505)、防府と併せた記述となっているため採用しなかった。後者には記載なし。
米軍豊海射撃演習場について知りたい。(千葉県立中央図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000082473
終戦直後、米軍の基地や施設が栃木県内ではどこにあったのか知りたい。(栃木県立図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000099050
5.NDLサーチで「米軍」「基地」「在日」等で検索
図書、雑誌記事とも適当なものなし。
6.占領関係の資料
蔵書検索で「占領」で検索、以下を確認したが記述なし。『占領秘録 上下』(住本 利男 著、毎日新聞社、1952)、『米国の日本占領政策 上下』(五百旗頭 真 著、中央公論社、1985)、『日本占領重要文書 第2巻 政治・軍事・文化篇』([外務省 編]、日本図書センター、1989)、『GHQ日本占領史 15 警察機構と治安政策』(天川 晃 [ほか]編集委員、日本図書センター、2000.2)
なお、『日本外交文書』は未見
7.防長新聞縮刷版を確認
昭和21年2月4日付1面に「英軍部隊四万余 呉、岩国等に進駐 十日頃から上陸開始」の記事あり。
部隊については「英本国および豪州、ニュージーランド、印度の混成部隊(最高司令官J・ノースコット中将)と英太平洋艦隊の一部および英空軍の一部」とある。
→『岩国市史』を中心に他の資料の記述を補記する形で回答
- 事前調査事項
- NDC
-
- 中国地方 (217 9版)
- 国防史.事情.軍事史.事情 (392 9版)
- 海軍 (397 9版)
- 参考資料
-
-
1.岩国市史編纂委員会/編纂 , 岩国市. 岩国市史 下. 岩国市役所, 1971.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000039783-00 (p580-581) -
2.日本共産党. 総点検在日米軍基地. 日本共産党中央委員会出版局, 1991.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002124914-00 , ISBN 4530043266 (p137) -
3.岩国平和委員会 編 , 岩国平和委員会. 基地岩国. 山口県平和委員会, 1966.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I060340278-00 (p14) -
4.中国新聞『イワクニ50年』取材班 著 , 中国新聞社. 基地イワクニ : 日米安保のはざまで. 中国新聞社, 1996.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002543289-00 , ISBN 4885172357 (p235) -
インターネット資料1.米海兵隊岩国航空基地:基地の歴史
http://www.mcasiwakunijp.marines.mil/History/ (最終確認:2017年8月6日)
-
1.岩国市史編纂委員会/編纂 , 岩国市. 岩国市史 下. 岩国市役所, 1971.
- キーワード
-
- 岩国飛行場
- 岩国海軍航空隊
- 在日米軍基地
- 岩国航空基地
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000220078