以下の資料に、キリスト教の三元徳について記述があった。
・『岩波キリスト教辞典』大貫隆/編集 名取四郎/編集 宮本久雄/編集 百瀬文晃/編集 岩波書店 2002年
p807~809 徳
「キリスト的徳は、神の前における人間の魂と行為の善さを意味し、その中心は信仰・希望・愛とされる。→対神徳」との記述あり。
p711 対神徳
「原語は「神学的徳」(神学の扱う徳)の意味で、Iコリ13:13で「いつまでも残るもの」として挙げられる信仰・希望・愛をさして使われる。」との記述あり。
・『新カトリック大事典 3』上智学院新カトリック大事典編纂委員会/編 研究社 2002年
p1303~ とく 徳
p1305 [キリスト教の倫理思想]
「トマス・アクィナスは(略)『神学大全』第2部で人間的諸根源としての習慣・徳論を展開し、信仰・希望・愛の対神徳と…(略)」との記述あり。
p930 たいしんとく 対神徳
「[聖書]「対神徳」という語は聖書にはみあたらないが、1コリント書13:13とヘブライ書10:22–24をはじめ、信仰・希望・愛を並べて…(略)聖書には、信・望・愛についての体系的な徳論はない。」との記述あり。
・『新約聖書 共同訳・全注』共同訳聖書実行委員会/訳 講談社 1981年
p511~ コリントの信徒への手紙I
p545~愛
p546「…それで、信仰、希望、愛のこの三つは、最後まで残ります。この中で最もたいせつなのは、愛です。*3」
「*3 「信仰、希望、愛」は人間を永遠の世界に結びつけ、神との一致をもたらす。しかし、その一致が実現するとき、「信仰」と「希望」の果たす役割はなくなり、「愛」のみが永遠にとどまる。」との記述あり。
・『社会科学大事典 14』社会科学大事典編集委員会/編集 鹿島研究所出版会 1974年
p22~23 徳
「…このプラトンの4元徳を補うものとして、信、愛、望のキリスト教の3元徳が登場、それらが総合されて中世の7元徳が成立し、これが近代に及ぶ…」との記述あり。
・『岩波講座哲学 15 宗教と道徳』滝沢克己/編 小倉志祥/編 岩波書店 1968年
p158~ 「…これを歴史的に見れば、プラトンの四元徳を補うものとして、信、愛、望のキリスト教の三元徳が登場し、それが綜合されて中世の七元徳が成立し、近代に及ぶのである。…」との記述あり。
・『虹と秘蹟』塩川徹也/著 岩波書店 1993年
p218 「…信は、希望、愛と並んで対神徳の一つである。…」との記述あり。
・『倫理学の道具箱』ジュリアン・バッジーニ/著 ピーター・フォスル/著 共立出版 2012年
p103 徳とは何か?
「…アウグスティヌスやトマス・アクィナスといったキリスト教の哲学者はこれらに信仰と希望と愛(もしくは隣人愛)の徳をつけ加えている。」との記述あり。