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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000020289
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2004-015
事例作成日
(Creation date)
2004/08/12登録日時
(Registration date)
2005年02月17日 02時17分更新日時
(Last update)
2015年05月12日 11時25分
質問
(Question)
浅田次郎の「壬生義士伝 下」p137に書かれている朱熹作「偶成」の詩「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず。未だ覚めず池塘春草の夢、階前の梧葉すでに秋声。」の全文が知りたい。
回答
(Answer)
『壬生義士伝 下』に書かれている詩句が全文と思われる。
ただし出典については、朱熹「偶成」とする資料(『故事成語名言大辞典』『新編故事ことわざ辞典』『中国古典名言事典』『中国故事成語大辞典』『漢詩と吟詠』)と、朱熹ではないとする資料(『中国名言鑑賞辞典』『成語大辞苑』)があり。これらの資料を提供する。
回答プロセス
(Answering process)
『故事成語名言大辞典』『新編故事ことわざ辞典』『中国古典名言事典』『中国故事成語大辞典』『漢詩と吟詠』いずれも出典は朱熹「偶成」として『壬生義士伝 下』記載の詩句と同様の漢詩「少年易老学難成 一寸光陰不可軽 未覚池塘春草夢 階前梧葉已秋聲」のみの記載あり。
『朱子文集』には記載なし。
『中国名言鑑賞辞典』(ぎょうせい)p162には、「この詩が朱熹作の「偶成」と伝えられるが今日に伝承される朱熹の文集には収載されていない。一説には室町時代日本で作られ朱子に仮託されたものとされる。」との記述あり。
『成語大辞苑』p112、p584には、この詩の出典を『滑稽詩文』とし、解説文には「この詩は『朱子文集』には見えず、最近の研究によればわが国の室町時代末期から江戸時代初期にかけての禅林僧侶の詩文集『滑稽詩文』(『続群書類従 巻981』)の「小人に寄す」と題する詩に基づくものであることが明らかになった。」と書かれている。
以上から、朱熹(朱子)の作品からこの詩を探すのは難しいと判断し、辞典に記載の漢詩の形式が七言絶句であり、『漢詩と吟詠』にも四句から構成される中国絶句の例として記載されているため、『壬生義士伝 下』に書かれている詩句が全文であると回答する。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
人生訓.教訓  (159 9版)
中国思想.中国哲学  (122 9版)
詩歌.韻文.詩文  (921 9版)
参考資料
(Reference materials)
『故事成語名言大辞典』(鎌田正 大修館書店 1988)
『新編故事ことわざ辞典』(鈴木棠三 創拓社 1992)
『中国古典名言事典』(諸橋轍次 講談社 1984)
『中国故事成語大辞典』(和泉新 東京堂出版 1992)
『漢詩と吟詠』(上野貞紀 教育社 1988)
『中国名言鑑賞辞典』(宇野直人 ぎょうせい 1988)
『成語大辞苑 故事ことわざ名言名句』(主婦と生活社 1995)
キーワード
(Keywords)
漢詩-中国
朱熹(シュキ)-朱子-中国思想
格言
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
近畿大学中央図書館より2回に分けてコメントをいただく(2008/04/11)。以下、資料情報の本文。
ページ番号の修正あり。(2015/05/12)

下記文献に情報がありました。
『朱子絶句全譯注』 第1冊 / 宋元文學研究會編 宋元文学研究会, 汲古書院, 1991
p.6 「偶成」詩の問題
「この詩は實は彼の作ではなく、わが室町時代、禪僧の手になるものであることがほぼ立證された(1)」
「朱子の哲學―特にその學問觀の性質や、彼の他の絶句における作風、また彼の詩論などをも含めて考えてみると、この詩を朱子の作と見るのはやはり無理があるようである。」
p.22 
「注
(1) 柳瀬喜代志著「いわゆる朱子の「少年老い易く學成り難し」(「偶成」詩)考」(『文學』一九八九年二月號、岩波書店)。」
また、関連事例として下記が登録されています。
管理番号 9000003973(山梨県立図書館)
管理番号 6838(香川県立図書館)

下記の関連文献がわかりました。
朝倉和
「少年老い易く学成り難し」詩の作者は観中中諦か
国文学攷 (185),27~39,2005/3(ISSN 02873362) (広島大学国語国文学会)
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00021421  (2008/04/11確認)
花城可裕
朱熹の「偶成」詩と蔡温--『琉球詠詩』及び『伊呂波歌並詩文綴』所載の蔡温の漢詩について
南島史学 (通号 54),49~69,1999/11(ISSN 03896846) (南島史学会)
岩山泰三
「少年老い易く学成り難し…」とその作者について
月刊しにか 8(5),94~99,1997/05(ISSN 09157247) (大修館書店 〔編〕/大修館書店)
『国語教育史に学ぶ』
大平浩哉 [ほか] 著 -- 学文社, 1997.5, 178p. -- (早稲田教育叢書 ; 2)
ISBN:4762007269
柳瀬喜代志「教材・朱子の「少年老い易く学成り難し」詩の誕生」所収
柳瀬喜代志
いわゆる朱子の「少年老い易く学成り難し」(「偶成」詩)考
文学 57(2),p97~113,1989/02(ISSN 03894029) (岩波書店 〔編〕/岩波書店)
よろしくお願い申し上げます。

管理番号「9000003973」(山梨県立図書館)、「6838」(香川県立図書館)が類似の調査事例である。
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000020289解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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