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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000216514
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2017-011
事例作成日
(Creation date)
2016年06月21日登録日時
(Registration date)
2017年05月24日 16時04分更新日時
(Last update)
2017年07月28日 11時47分
質問
(Question)
『熊谷市指定文化財「根岸家長屋門」保存修理工事報告書』(熊谷市教育委員会 2012)の口絵写真にある額の文字「澤沛民蘇」の意味を知りたい。
回答
(Answer)
「蘇民」「沛澤」「澤霈」という熟語の意味については、日本国語大辞典、大漢和辞典、漢語大詞典に記載があったが、「澤沛民蘇」の意味を記述した資料は確認できなかった。
また、「蘇民沛澤」が『杜谷集: 幷附錄. 1-5』(高應陟著)所収の七言の句に使われていることが分かったが、注釈等意味の分かる記述はなかった。
回答プロセス
(Answering process)
1 質問者の事前調査資料を確認する。
『熊谷市指定文化財「根岸家長屋門」保存修理工事報告書』(熊谷市教育委員会 2012)
 p26「この部位に掛かる澤沛民蘇(たくはいみんそ)と記される扁額も後補であるが、根岸武香が貴族議員であった明治30年に広島県呉市の海軍基地を訪れ際、海軍からの払い下げを受け、その翌年に長屋門に掲げたとされる。」

2 漢和辞典・国語辞典を確認する。
『日本国語大辞典 第8巻』(小学館 2001)
 p494「蘇民」「蘇民将来(そみんしょうらい)の略。」、「蘇民将来」「一「備後風土記」に見える説話の主人公の名。ニ 疫病除けのための護符。」とあり。
『大漢和辞典 第6巻』(諸橋轍次著 大修館書店 1968)
 p1002-1036「沛」「一 さは。イ 大きいさは。 ロ 水の出る処 二 さかん。おほい。」、「沛澤」「一 草木の生ずる所と水のある所。草木茂って禽獣の棲み隠れる所。」とあり。
 p837-844「民」「一 たみ。 イ ひと。もろもろ。」とあり。
『大漢和辞典 第7巻』(諸橋轍次著 大修館書店 1968)
 p292-296 「澤」「一 さは。イ 水と草の交錯する処。」、「澤民」「一 民に徳澤を蒙らせる。」とあり。
『大漢和辞典 第9巻』(諸橋轍次著 大修館書店 1968)
 p1011-1021「蘇」「一 しそ。 ニ よみがへる。 三 いこふ。」、「蘇民」「明、泰州の人。」とあり。

3 漢文資料を調査する。
『字源』(簡野道明著 角川書店 1991)
 p373 「園囿」の項、例文に「沛澤」あり。
 p1058「沛澤 ハイタク」「さは、草の水に生ずる処。」上記の一節あり。
『宇野精一著作集 第3巻 孟子』(宇野精一著 明治書院 1988)
 p225 園囿の漢文あり。
 p226「沛澤 はいたく」「沛」は草木の生ずる所。「澤」は水の集まる所。
『漢語大詞典 6』(汉语大词典编辑委員会编纂 上海辞书出版社 1990)
 p167「澤霈」の項に「恩恵普施。(後略)」とあり。
『字通』(平凡社 1996)
p1262 「沛」の項に「また〔管子、揆度〕に「沛澤」の語があり、大沢の意」とあり。
『全訳漢辞海』(三省堂 2000)
p798 「沛」の項に「【沛沢(澤)】ハイタク 沼や沢の湿地帯(後略)」とあり。

4 インターネット情報を確認する。
《文泉閣》( http://nmh.gsnu.ac.kr  慶尚大学校図書館)
「杜谷先生文集巻之二」の「贈天将四首 戊戌」80面に「蘇民沛澤」の文言あり 。

5 国立国会図書館への照会を行う。
 国立国会図書館からの回答により、国立国会図書館所蔵の「杜谷先生文集」(洪宇定著 景仁文化社 1996)には「蘇民沛澤」の文言なし。「贈天将四首 戊戌」を収録している『杜谷集』の著者は高應陟であり、国立国会図書館所蔵の『杜谷先生文集』は、号が同じ別人の洪宇定によってかかれたものである。
 韓国の国立中央図書館が公開しているデジタルデータの資料『杜谷集』(高應陟著)に「蘇民沛澤」の文言あり。
「杜谷集: 幷附錄. 1-5/ 高應陟著」vol.2, 81-82コマ
http://www.nl.go.kr/nl/search/bookdetail/online.jsp?contents_id=CNTS-00047970771  韓国国立中央図書館)
 該当部分を一句七言で区切ると、6句目に「蘇民沛澤」が見える。
 「痛哭夷兵風捲沙 胸邦慚負小中華 靑丘喜見唐儀燁 赤地歡聞漢語譁 滅賊皇恩天罔極 蘇民沛澤海無涯 今名豈止燕然刻 太史應書帝日嘉」
 韓国国立中央図書館に「杜谷集」(高應陟著)を国訳(現代朝鮮語訳)した資料の所蔵あり。書誌事項は以下のとおり。
 漢字標題:(國譯) 杜谷集
 標題:(국역) 두곡집 ((国訳)杜谷集)
 責任表示:著者 高應陟; 譯者 權世昌
 出版事項:[발행지불명]: 濟州高氏安東監務公派宗門會, 2007

ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2017年5月24日。
事前調査事項
(Preliminary research)
『熊谷市指定文化財「根岸家長屋門」保存修理工事報告書』(熊谷市教育委員会 2012)
NDC
語源.意味  (822 9版)
貴重書.郷土資料.その他特別コレクション  (090 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
澤沛民蘇
蘇民沛澤
照会先
(Institution or person inquired for advice)
国立国会図書館
埼玉県立文書館
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000216514解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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