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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000217812
提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-17-037
事例作成日
(Creation date)
2017年4月25日登録日時
(Registration date)
2017年06月23日 12時07分更新日時
(Last update)
2017年11月28日 16時07分
質問
(Question)
松代藩の大澤晏全(おおさわ あんぜん)に茶道を教えた井上久斎(いのうえ きゅうさい)は、石州(せきしゅう)派 怡渓宗悦(いけい そうえつ)に師事したというのが通説だが、『松代町史』下巻 【N212/236/2】p.537-538 の大澤晏全の項で、井上久斎は清水道閑(しみず どうかん)に師事したという内容の記述を見た。どちらが正しいのか。
回答
(Answer)
井上久斎と清水道閑の関係については、『松代町史』下巻のp.537「盖し久齋は仙台の人淸水動閑に学び道閑は親しく石州宗閑に学んだのである」の記述のほかは当館資料では確認できなかった。

大澤晏全と井上久斎に関して、主な師弟関係の人物の生年月日を比較する。

・大澤晏全 元禄16年[1703]-寛政4年十二月十二日[1792・89歳没]
          『松代町史』下巻 p.537-538 
・井上久斎 (生没不詳)
 江戸時代前期-中期の茶人。石州流怡渓(いけい)派の祖怡渓宗悦(1644-1714)にまなんだ。
          『講談社日本人名大事典』 上田正昭ほか監修 講談社 2001 【281.03/コウ】 p.216
・清水道閑 天正7年(1579)-慶安元年(1648)六月二十一日 [69歳没]
          『角川茶道大事典』本編 p.620

井上久斎が江戸前期の生まれとあるが、詳細は不明。しかし、井上久斎が怡渓宗悦に師事したことから、宗悦より後年の生まれと思われる。たとえ、1644年の同年の生れのとしても、清水道閑の没年が1648年のため、師弟関係が成立するのは難しいと思われる。なお、大澤晏全との関係で考えると1703年生まれの晏全よりも年上と考えられる。師弟関係として15歳ほどの差があったとすると、宗悦からみて1659年以降の生まれで、晏全から見ると1688年以前の生まれと考えられる。

[補足]
『角川茶道大事典』本編p.620に、表記は違うが「しみず どうかん」の記載があった。井上久斎と師弟関係が考えられる年代ではあるが、それを裏付ける記述は当館の資料では確認できなかった。

・清水動閑(しみず どうかん) 慶長17年(1612)-元禄4年(1691)
 道門派清水家の二代。初代道閑の婿、飯田小左衛門の子。伊達忠宗の命により、初め道閑を継ぐが、のち道漢と改め、[伊達]綱村の命により動閑となる。(中略)君命により片桐関集に師事し、(後略)

・清水道竿(しみず どうかん) 寛文6年(1666)-元文2年(1737)
 道門派清水家の三代。仙台藩家中の馬場相薫の子。(中略)藩主綱村の命で松浦鎮信に師事したが、桑山可斎の勧めで更に藤林宗源の伝授を受ける。(後略)

 また、『真田家の茶の湯と能』【N069/44】p.41に、「享保九年(一七二四年)に片桐宗閑(かたぎり そうかん)の流れを汲む茶匠大澤晏全を五両二歩五人扶持で召し抱えている」という記述があったことを伝えた。

※「片桐宗閑」は片桐石州のこと。
回答プロセス
(Answering process)
1.主な人物について調べる。

 ・片桐石州(かたぎり せきしゅう)慶長10年(1605)-延宝元年(1673)十一月二十日 [70歳没] 
              『角川茶道大事典』本編 p.283-284  
 ・清水道閑 天正7年(1579)-慶安元年(1648)六月二十一日 [69歳没]
              『角川茶道大事典』本編 p.620 
 ・怡渓宗悦 正保元年(1644)-正徳4年(1714)五月ニ日 [70歳没]
              『角川茶道大事典』本編 p.72-73
 ・大澤晏全 元禄16年(1703)-寛政4年(1792)十二月十二日 [89歳没]     
              『松代町史』下巻 p.537-538
 ・真田信弘(さなだ のぶひろ)寛文10年(1670)-元文元年(1736)十二月二十七日 [67歳没] 
              『松代町史』下巻 p.527-528
 ・井上久斎 (生没不詳)
   江戸時代前期-中期の茶人。石州流怡渓いけい派の祖怡渓宗悦(1644-1714)にまなんだ。
              『講談社日本人名大事典』【281.03/コウ】p.216

                           ※各項目の[ ]内は図書館が算出した。

 依頼の井上久斎について、清水道閑との師弟関係がわかる記述は出てこない。

2. 怡渓宗悦、大澤晏全と井上久斎との師弟関係、年齢関係から清水道閑との師弟関係を考える。
 正保元年(1644)生まれの怡渓宗悦に師事したことを考えると、井上久斎は1644年よりも後の生まれと思われる。清水道閑没年の1648年までに師弟関係の接触は不可能と推測される。

3. 『角川茶道大事典』本編p.620に、表記が違う「しみず どうかん」が二人見られたので生没年と内容を見ていく。
  
[参考及び調査した資料]
・『茶道大事典』井口海仙監修 淡交社 2010 【791.03/チヤ】
・『日本大百科全書 3』 小学館 1985 【031/ニホ/3】
・『角川茶道大事典 資料・索引編』 林屋辰三郎[ほか]編 角川書店 1990【791.03/ハタ/2】
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
茶道  (791 8版)
日本  (281 8版)
博物館  (069 8版)
参考資料
(Reference materials)
大平, 喜間多, 1889-1959 , 大平喜間多 編纂. 松代町史 下巻. 臨川書店, 1986. (長野県郷土誌叢刊)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002638801-00 , ISBN 4653014884 (【N212/236/2】)
林屋 辰三郎 ほか編 , 林屋‖‖辰三郎. 角川茶道大事典 本編. 1990.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025130715-00  (【791.03/チャ】)
真田家の茶の湯と能. 松代藩文化施設管理事務所, 2003.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005567397-00  (【N069/44/】)
上田正昭 [ほか]監修 , 上田, 正昭, 1927-2016. 日本人名大辞典. 講談社, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003046602-00 , ISBN 4062108003 (【281.03/コウ】 p.216)
キーワード
(Keywords)
清水道閑
石州流
怡渓宗悦
井上久斎
大澤晏全
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000217812解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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