レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年08月30日
- 登録日時
- 2019/06/19 12:45
- 更新日時
- 2019/06/19 16:47
- 管理番号
- 京歴-442
- 質問
-
解決
購入した古本の中にイチョウの葉が挟まっていた。なぜか?
- 回答
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当館の前身である京都府立総合資料館が刊行した「総合資料館だより」No.167(①)のpp.2-3に「文献課の窓から 資料館で植物採集」という記事があり、本にイチョウの葉を挟む理由を説明する資料(②③等)を紹介している。
京都府立図書館の「図書館きょうと」39号(②)p.3に掲載の「コラム 府立図書館の銀杏葉マークと銀杏の木」で「一般に銀杏は「葉を本に挟むと紙魚(しみ)よけになるという」(図説花と樹の大事典)」との記述がある。
元禄8(1695)年に刊行された『本朝食鑑』(③)4巻「果部」(25丁裏から)では、「銀杏」の項で、本にイチョウの葉を挟む理由について以下のように述べている。
我が国では、昔から虫よけのためにイチョウの新しい葉を本にはさんでいるが、その理由は芸草(うんそう)に似ているためかと思われる。しかし、芸草には虫よけ効果のある匂いがあるが、イチョウの葉には匂いはないので、なぜはさむのか詳しくはわからない。
③は当館の資料・デジタル画像検索システム「京の記憶アーカイブ」で公開しており、以下より閲覧できる。
http://www.archives.kyoto.jp/websearchpe/detail/1779067/4/28
(最終確認日:2019-6-13.)
③の現代語訳は、『本朝食鑑2(東洋文庫;312)』(④)pp.79-81で見ることができる。
①②③④により、本にイチョウの葉が挟まれている理由は、イチョウの葉に虫よけの効果があると考えられていたためであるようだ。
- 回答プロセス
-
「総合資料館だより」の中に、イチョウの葉が資料に挟まっている件を取り扱った記事(①)があったことを思い出し、京の記憶アーカイブでバックナンバーを確認して提供した。
また、この記事で紹介されている資料のうち、当館で所蔵している②③④を確認した。
No.138からNo.188(最終号)までの「総合資料館だより」は、当館の資料・デジタル画像検索システム「京の記憶アーカイブ」で公開しており、No.167は以下より見ることができる。
http://wwwmanage.archives.kyoto.jp/wp-content/uploads/2018/08/dayori167.pdf
(最終確認日:2019-6-13.)
- 事前調査事項
- NDC
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- 図書.書誌学 (020)
- 参考資料
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- ① 京都府立総合資料館編.総合資料館だより No.167.京都府立総合資料館,2011. (当館請求記号:||ソウコ||K)
- ② 京都府立図書館編.図書館きょうと 39号.京都府立図書館,2002. (当館請求記号:||トシヨ||K)
- ③ 野必大著.本朝食鑑.[出版者不明],元禄8(1695). (当館請求記号:和||324||8||4)
- ④ 人見必大著,島田勇雄訳注.本朝食鑑 2(東洋文庫 312).平凡社,1979. (当館請求記号:Y||499.9||023312)
- キーワード
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- イチョウ
- 古本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000257612