レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年09月07日
- 登録日時
- 2011/09/11 13:36
- 更新日時
- 2014/04/06 11:39
- 管理番号
- 茨歴閲2011025
- 質問
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解決
藤田東湖の書と立原杏所の画の偽筆家として,伊藤修著『昔話 水戸の芸苑』にとりあげられている人たちの経歴やエピソードなどがわかる文献はないか。
- 回答
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画家については,いくつか資料がみつかりました。下記参考資料をご覧ください。
なお,松平雪江については,本名の松平俊雄で『常磐公園攬勝図誌』外古文書等8点の所蔵があります。
書家については,『昔話 水戸の芸苑』以外では資料が見つかりませんでした。
- 回答プロセス
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1 関連図書を検索(茨城+画,茨城+書,各個人名等)+書架で検索(NDC:721)
○大内健二著『茨城書画鑑賞の手引き 上』・・・簡単な略歴あり
p.50 武石鴎崖(鴨厓),p.54 武石耕崖 松平雪江,p.56 梅津霞峰,p.64 大内適斎(松年)
※書家については「茨城の書蹟」略年表に1人も記載なし。
○大内龍湖著『郷土の画人略史考』(「新いばらき」連載記事)・・・簡単な略歴あり
(18)武石鴎崖(鴨厓),(19)松平雪江,(23)梅津霞峰,(26)大内適斎(松年,碑が常照寺本堂前にあり),
(32)武石耕崖
△大内地山著『常総古今の学と術と人』・・・簡単な略歴あり
p.228 武石鴎崖(「鴨厓」となっている),武石耕崖
p.344 松平雪江
◎水戸市立博物館〔編〕『明治の水戸の絵師 松平雪江展』
松平雪江についての説明及び略年譜あり。
同綴り後半部に『明治大正の水戸の絵師たち』展の説明あり。
出品作品リストに 武石鴎崖,松平雪江,梅津霞峰の作品あり。
○当館所蔵 堀江克己編『茨城人物索引』・・・簡単な略歴あり
根本東岡,平山東里,前野秋湖,武石耕崖,大内栄(松年) →参考文献:既に調査済のもののみ
武石鴎崖,松平雪江 →『茨城の古書画人名事典』(当館所蔵なし。 《県立図書館請求記号 イ720/6》),
『水戸藩先賢烈士と其墳墓』《当館請求記号 Y/245》
☓『茨城の美術史 明治・大正・昭和』 茨城県立美術館編・発行 1972 《当館請求記号 K702/1》
☓『日本書画鑑定大事典』 中野雅宗編著 国書刊行会 2006-2010 《当館請求記号 721/157》
7巻に藤田東湖あり。偽印も掲載されている。
書家について事典を調査
☓『書道全集』 平凡社 1967 《当館請求記号 728/9》
☓『大人名事典』 平凡社 1954 《当館請求記号 281.03/11》
☓『大日本人名辞書』 大日本人名辞書刊行会著 講談社 増訂11版 1937 《当館請求記号 281.03/12》
2 茨城県立図書館のOPACを検索(茨城+画,茨城+書,各個人名等)
『松平雪江展』 常陸太田市郷土資料館編・発行 1990 《県立図書館請求記号 L069.61/ヒキ-3/1990-4》
3 「大内適斎の碑が常照寺本堂前にあり」とのことから,常照寺及び常照寺の碑文について調査
☓ 『茨城の寺 2』 今瀬文也著 太平洋出版 1972
pp.124-125 「常照寺」・・・大内適斎の碑については記述なし
「墓地には画家萩谷八助徹など有名人の墓もある。」との記述あり
☓ 『水戸の漢詩文 1~5』 前川捷三編 茨城大学大学教育研究開発センター 1998-2002
《当館請求記号 K919/23》・・・常照寺の碑文なし
☓ 『碑文双書 1~4 碑文・墓碑銘集』 鈴木健夫・田代辰雄編著・発行 2008-2011 《当館請求記号 K210.02/8》
常照寺の碑文については,1巻pp.63-68に萩谷遷喬・萩谷権兵衛・岩田健文の碑文あり。
萩谷遷喬・萩谷権兵衛は画家。
4 茨城県立図書館に調査を依頼
(1)『日本書誌学大系41-5 近代蔵書印譜』(青裳堂書店、2007) 「松平雪江」の記載あり
“名俊雄、字行亮、諱信行、別号虚舟、室号三省堂。大正五年歿、年八十三。松平雪山の子。
画、文に長じ、その著『常磐公園攬勝図誌』(明治十八刊)は官版として流布した。
茨城県立歴史館や国立国会図書館などに自筆本類が伝わる。”
↓
当館所蔵資料を確認(検索語:松平俊雄)
→『常磐公園攬勝図誌』外文書類8点の所蔵あり。
(2)『大日本書画名家大鑑 伝記 下編』(荒木矩、第一書房、1980) p.1707 「松平雪江」の記載あり
“松平雪江、名は俊雄、水戸の人、書を父の雪山に学び、山水花卉をよくす、明治年間”
(3)書家については,確認できず。
- 事前調査事項
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『昔話 水戸の芸苑』 pp.161-163より
藤田東湖の偽筆家
根本東岡・・・太田東湖の称あり。晩年の筆法をよくした。明治末期
平山東里・・・筆法が弱く自体もやせて力が足りない。明治末期
前野秋湖・・・石岡東湖とも呼ばれた。晩年の東湖風
立原杏所の偽筆家
武石鴨厓・・・画が巧み。
武石耕崖・・・鴨厓の子。
松平雪江
梅津霞峰
大内松年・・・書が巧み。名を栄。本業・石州流の宗匠(PP.159-160)。
- NDC
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- 日本 (281 8版)
- 日本画 (721 8版)
- 書.書道 (728 8版)
- 参考資料
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- 『昔話 水戸の芸苑』 伊藤修著 『昔話 水戸の芸苑』刊行会 2000 《当館請求記号 K210.04/21》
- 『茨城書画鑑賞の手引き 上・下』(ふるさと文庫) 大内健二著 筑波書林 1992 《当館請求記号 K081/1/オ4-1,2》
- 『郷土の画人略史考』 大内龍湖著 《当館請求記号 K721/53》
- 『常総古今の学と術と人』 大内地山著 水戸学研究会 1976 復刻版 《当館請求記号 K280.3/17/(2)》
- 『明治の水戸の絵師 松平雪江展』 水戸市立博物館〔編〕・発行 2001 《当館請求記号 K721/153》
- キーワード
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- 藤田東湖
- 立原杏所
- 根本東岡
- 平山東里
- 前野秋湖
- 武石鴎厓(武石清,武石鴨厓)
- 武石耕崖(武石胤昌)
- 松平雪江(松平俊雄)
- 梅津霞峰
- 大内松年(大内栄,大内適斎)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000090953