レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2002年7月10日
- 登録日時
- 2016/03/03 18:15
- 更新日時
- 2016/03/12 10:21
- 管理番号
- 千葉市中央067
- 質問
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解決
乾燥納豆を作りたいのですが、作り方の出ている本はありますか。
- 回答
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※塩納豆、塩辛納豆、大徳寺納豆と呼ばれる麹を使って発酵させる納豆もありますが、今回の調査では、原則糸引き納豆を干したものを探しました。
今回調べた中では、
『なっとうの絵本 つくってあそぼう2』(農山漁村文化協会/2004/P.31)
が一番わかり易かったです。
作り方としては、塩をまぶして天日にそのまま干す場合と塩と小麦粉、米粉、そば粉、きな粉などをまぶしてから天日に干す場合などが多くみられました。さらに、生干しタイプやからからタイプなど、乾燥させる度合いもいろいろあるようです。
また、名称も色々あることがわかりました。
『納豆万歳』
・干し納豆・ドライ納豆・将門の干し納豆(茨城)・香の豆(京都)・コルマメまたはコロマメ(星凍豆)
『作って食べようなっとうの本』
・信玄の干し納豆(山梨)
『納豆の快楽』
・雪割り納豆・ひき割り納豆・塩納豆・干し納豆・乾燥納豆・手握り納豆
同じ名称でも、資料によって工程内容が異なる場合もありました。
- 回答プロセス
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・「乾燥納豆」「干し納豆」「ドライ納豆」で自館業務端末で検索。→それらしき資料は見つからず。
・再度「納豆」で自館業務端末で検索。→分類5類、6類にあたりをつけて、それらしいタイトル名の資料の中身を確認。→『なっとうの絵本』『納豆万歳』などが見つかる。
・農作物の加工の619類の書架をブラウジング。
・「保存食」という新しいキーワードが見つかったので、「納豆」と掛け合わせて自館業務端末で検索。→『保存食の絵本 3』が見つかる。
・『納豆万歳』(岩手、栃木、茨城、千葉、埼玉、山梨、長野、福井、京都、熊本)『作ってたべようなっとうの本』(山梨、熊本)で、地方で「干し納豆」を作っているところがあるとあったので、地方の食品の書架(38類)をブラウジング。→『日本の食生活全集49、50』の索引で「大豆」「納豆」「干し納豆」などの項目を確認。各県の該当ページを確認。
・調査で見つかった資料の参考図書の所蔵確認。→『聞き書ふるさとの家庭料理16味噌豆腐納豆』を確認。
・全国納豆協同組合連合会のHPには見つけられなかった。(接続確認:2016/2/10)http://www.natto.or.jp/
納豆→保存食→地方食材・地方食の流れで調査しました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 農産物製造.加工 (619 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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わたなべすぎお へん , さわだとしき え , 渡辺, 杉夫, 1930- , 沢田, としき, 1959-2010. なっとうの絵本. 農山漁村文化協会, 2004. (つくってあそぼう ; 2)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007354600-00 , ISBN 454003202X (P.31 干しなっとう(冬・塩を混ぜて天日干しし、完全に乾く前に小麦粉か片栗粉ともみのりや粉山椒、乾燥青じそなどを混ぜ合わせ天日干し。十分に乾いたら小麦粉か片栗粉をもう一度まぶす)) -
小泉武夫 著 , 小泉, 武夫, 1943-. 納豆の快楽. 講談社, 2000. (The new fifties. 黄金の濡れ落葉講座)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002907420-00 , ISBN 406268344X (P.150-152 生干しタイプ 干し納豆(乾燥させた紫蘇を粉にして、かたくり粉と塩を混ぜ合わせて天日干し。もっと乾燥させる場合は焙烙で炒る)) -
永山久夫 著 , 永山, 久夫, 1934-. 納豆万歳. 一二三書房, 2004. (百彩books LiB)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007463514-00 , ISBN 4891990147 (P.194 岩手県・干し納豆(田植えの時期・塩を混ぜて片栗粉をまぶして天日干し)、P.197 栃木県・干し納豆(塩と片栗粉をまぶして干しあげる)、P.198 茨城県・将門の干し納豆(将門が携帯兵糧としたと伝えられる)、P.199 千葉県・干し納豆(他地域とほとんど同じ)、埼玉県・干し納豆(他県と大差なし)、P.200 山梨県・信玄の干し納豆(塩味をなじませてから麦こがしをまぶしカラカラに干しあげる)、P.202 長野県・干し納豆(他県の場合とほとんど同じ)、福井県・干し納豆(他県の場合と同じ)、P.203 京都府・香の豆(室町時代から作られていた一種の干し納豆。当時の資料に「納豆にくず粉をまぶしたもの」とあるそう)、P.204 熊本県・コルマメ(「星凍豆」から。寒い夜に冷気に充てて干し上げるという意味。加藤清正が考案したとの説あり)) -
鶴田静, 永山久夫 共著 , 鶴田, 静, 1942-. 作って食べようなっとうの本. 文化出版局, 1982. (Natural taste in kitchen)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001575585-00 (P.80 信玄の干し納豆(冬・塩を混ぜ2日ねかせて、そば粉などをまぶし天日干し)) -
小清水, 正美, 1949- , 岡田, 里. 保存食の絵本 3. 農山漁村文化協会, 2012. (つくってあそぼう ; 38)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023504196-00 , ISBN 9784540111341 (P.22 干し納豆(冬がお勧め・ザルの上にクッキングシートを敷いて、納豆を広げ天日干しし、ほぼ干し上がったら粒がばらばらになるよう手入れをし、完全に干し上げて出来上がり)) -
農山漁村文化協会. 日本の食生活全集 50. 農山漁村文化協会, 1993.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002239648-00 , ISBN 4540920065 (P.151 【納豆】) -
農山漁村文化協会. 日本の食生活全集 49. 農山漁村文化協会, 1993.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002239647-00 , ISBN 4540920057 (P.351-352 大豆:納豆) -
日本の食生活全集 3. 農山漁村文化協会, 1984.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001697697-00 (岩手県 P.151干し納豆(春先・米の粉をまぶし塩味をつけて天日干し。まぶし粉は、小麦粉、かたくり粉、そば粉などもある。)) -
日本の食生活全集 8. 農山漁村文化協会, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001820487-00 , ISBN 4540850385 (茨城県 P.81干し納豆(冬・塩をまぶして天日干し)) -
日本の食生活全集 9. 農山漁村文化協会, 1988.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001936583-00 , ISBN 4540880322 (栃木県 P.49干し納豆(塩を切って天日干し・からから)、納豆大根(塩と小麦粉をまぶして塩に漬けた大根と一緒に干す・からから)、P.188干し納豆(きつめに塩をして干して生乾きになったら軽く言った小麦粉をまぶし固くなるまで干す・からから)) -
日本の食生活全集 26. 農山漁村文化協会, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001820488-00 , ISBN 4540850067 (京都府 P.170干し納豆(塩を入れ混ぜてからきな粉やそば粉をまぶして天日で干した後よく炒る)) -
日本の食生活全集 43. 農山漁村文化協会, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001871607-00 , ISBN 4540870319 (熊本県 P.164干しこる豆(塩漬けしたこる豆に重石をしてそば粉をまぶし天日干し・からから)) -
日本の食生活全集 5. 農山漁村文化協会, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001790866-00 , ISBN 4540850660 (秋田県 P.308 火棚納豆(茹でた大豆の入った納豆つとを縄で縛り締めいろりの火棚に吊り下げ、したからとろ火で熱するとよくねばりちちんだ納豆になる。5日ほどしてからからに乾燥させてもお湯に入れれば元に戻る)) -
日本の食生活全集 39. 農山漁村文化協会, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001800928-00 , ISBN 4540860259 (高知県 P.226、228-229 塩納豆(稲の取入れが終わった頃から花見の頃まで・蒸した大豆を木綿袋に入れて、熱いうちに糠に埋めて2日すると大豆が糸を引くようになっているので、塩を混ぜてなじませ米ぬかを振りかけ粒がぱらぱらになるようにし風通しの良いところで乾燥させる。食す際は鉄鍋で炒る)※糸引き納豆ではなく、大徳寺納豆とも塩辛納豆ともよばれるもの) -
農山漁村文化協会. 味噌・豆腐・納豆. 農山漁村文化協会, 2003. (ふるさとの家庭料理 : 聞き書 ; 16)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004176409-00 , ISBN 4540030825 (P.220 茨城・干し納豆(冬場・納豆をねせて塩を振り、よく乾くまで天日干し)、P.222 栃木・干し納豆(冬・塩を切って一晩寝かし、からからになるまで天日干し)納豆大根(冬・さいころ大に切った大根をしんなりする程度干し、大豆の煮汁に塩を入れたものに漬け、納豆に塩と小麦粉をまぶしつけておいた大根と一緒にからからになるまで天日干し)、P.226 高知・塩納豆(稲の取入れが終わった頃から花見の頃まで・蒸した大豆を木綿袋に入れて、熱いうちに糠に埋めて2日すると大豆が糸を引くようになっているので、塩を混ぜてなじませ米ぬかを振りかけ粒がぱらぱらになるようにし風通しの良いところで乾燥させる。食す際は鉄鍋で炒る)、P.228 熊本・干しこる豆(塩漬けした納豆にそば粉をまぶし、天日干しでからからにする)) -
材料料理大事典 [4]. 学研, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I015767463-00 , ISBN 405102279X (【肉・卵 穀物・豆 果実 種実・ナッツ】 P.259 納豆(糸引納豆(でき上がった糸引納豆に塩を振り、100日ほどねかせて糸を引かなくなってから乾燥させる)、塩辛納豆)) -
杉野, ヒロコ. 食の文化話題事典. ぎょうせい, 1993.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002288050-00 , ISBN 4324034044 (P.66-67 納豆(発酵に失敗して粘りが足りない場合は、塩・麹を混ぜて発酵させた塩辛納豆にしたり、干し納豆に加工した。))
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わたなべすぎお へん , さわだとしき え , 渡辺, 杉夫, 1930- , 沢田, としき, 1959-2010. なっとうの絵本. 農山漁村文化協会, 2004. (つくってあそぼう ; 2)
- キーワード
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- 納豆
- 大豆
- 発酵
- 農作物加工品
- 保存食
- 地方食材
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 その他
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000188814