レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年06月18日
- 登録日時
- 2019/08/10 16:58
- 更新日時
- 2019/08/10 17:51
- 管理番号
- 相橋-R1-018
- 質問
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解決
源頼家の娘の「竹御所」という人物について、『尊卑分脈』と『群書類従』の記述が見たい。
- 回答
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資料②⑤⑥⑦を閲覧後、⑤の該当箇所を複写された。
また、⑥の中巻と⑦を貸出した。
- 回答プロセス
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「竹御所」という人物について調べる。
①『国史大辞典 第9巻 たか-て』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1996 【R210.03】
p136に「竹御所」の項があり、記述は次の通りとなっている。
一二〇三 - 三四 鎌倉時代中期の女性。建仁三年(一二〇三)生まれる。鎌倉幕府二代将軍源頼家の女。母は木曾義仲の女という。源氏正統断絶後、寛喜二年(一二三〇)二十八歳のとき四代将軍藤原頼経の御台所となる(時に頼経は十三歳)。四年後の文暦元年(一二三四)七月二十七日、鎌倉北条時房邸で、出産(死後)ののち死没。三十二歳。貞永元年(一二三二)末には父将軍追善のため大慈寺内に御願堂建立の上棟を行なっている。『尊卑分脈』は「竹御方」と記す。参考文献『大日本史料』五ノ九、文暦元年七月二十七日条 (飯田悠紀子)
『尊卑分脈』を調べる。
②『國史大系 第60巻上 新訂増補新装版 尊卑分脉 第3篇』 黒板勝美/編 吉川弘文館 2001 【自館請求記号:R210.0】
p297に「頼家」の子として「女子 竹御方」の記載がある。
『群書類従』を調べる。
まず、『群書類従』のどのあたりに載っているかを調べる。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2019// 最終確認)キーワード“群書類従 鎌倉時代”で検索した結果、次のPDF資料が見つかった。
③[PDF]鎌倉年代記(https://www.klnet.pref.kanagawa.jp/digital_archives/rekishibunken55/pdf/002kamakuranendaiki.pdf 最終確認 2019/06/18)
「神奈川県立の図書館」サイト内で公開されている資料である。
(神奈川県立の図書館>かながわデジタルアーカイブ>神奈川県立図書館コンテンツ>『かながわの歴史文献55』>「1.史書 #2 鎌倉年代記」
解題で「寿永2年(1183)から正慶元年(1332)までの、鎌倉幕府に関する記事を中心に記した武家年表。別名『北条九代記』とも称されるが、近世に浅井了意(あさい・りょうい)が著した仮名草子『北条九代記』とは別書である。」とある。
また、成立経緯で「本書は、従来『北条九代記』の名で上下2巻本として『続群書類従』『改訂史籍集覧』に収められ、一般に知られていた。・・・」とある。
『群書類従』に掲載されている『北条九代記』を調べる
④『群書類従 正続 分類総目録 文献年表』 塙保己一/編 続群書類従完成会 1977 【自館請求記号:R081】
「群書類從正續書名總目録のp130に「北條九代記・・・雑・・・續八五五(巻)・・・二九上(輯)」と記載があり、次の資料⑥に載っていることが分かった。
⑤『続群書類従 29上』 塙保己一/編 続群書類従完成会 1981 【自館請求記号:R081】
資料①を参考に調べた結果、p410に「竹御所」が文暦元年七月二十七日に逝去された時の記述がある。
市内OPACでキーワード“北条九代記”で検索した結果、次の資料が見つかった。
⑥『北条九代記 上・中・下』 増淵勝一/訳 教育社 1986 【相模原市立図書館請求記号:210.4】
凡例に「本書の底本は延宝三年(一六七五)の刊本を用いた。」とあり、江戸時代に書かれたものの訳本であった。
中巻のp137、p156-158に「竹御所」の記述がある。
その他、参考までに『群書類聚』以外で「竹御所」について載っている資料を調べる。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2019/06/18 最終確認)でキーワード“九条頼経 竹の御所”で検索した結果、次のページがヒットした。
【夫婦の日本史】渡部裕明 第71回 - 産経ニュース(https://www.sankei.com/life/news/140820/lif1408200016-n1.html 2019/06/18 最終確認)
このページで、次の2点の資料が紹介されている。
⑦『平家後抄 下』 角田文衞/著 講談社 2000 【自館請求記号:210.39】
p217-226に「竹の御所」の項がある。
(以下は回答後などに調べて、提供しなかった資料)
⑧『中世の人物 京・鎌倉の時代編』 平雅行/編 清文堂出版 2014 【相模原市立相模大野図書館請求記号:210.4】
p219-232に「竹御所と石山尼-「家」をつないだ女性たち」という章がある。
『吾妻鏡』で調べる。
⑨『吾妻鏡事典』 佐藤和彦・谷口栄/編 東京堂出版 2007 【自館請求記号:R081】
p121-122の「九条頼経」の項に「竹御所」の記述がある。
p143に「竹御所」の項があり、参考文献として次の2点の資料が紹介されている。
⑩『武家の棟梁源氏はなぜ滅んだのか』 野口実/著 新人物往来社 1998 【自館請求記号:288.3】
p217の「源氏と摂家将軍関係系図」に「竹御所」の記載がある。
p218-220に「頼経と竹御所」という項がある。
p225から「在京の武士ことごとく以て馳せ下りおわんぬ<源氏の御台所>」という章があり、
p226-241に「竹御所小論-鎌倉幕府政治史上における再評価-」という項がある。
⑪『北条政子』 野村育世/著 吉川弘文館 2000 【自館請求記号:289.1ホウジ】
p131-133に「竹御所」の項がある。
⑫『全譯 吾妻鏡 別巻』 貴志正造/著 新人物往来社 1997 【自館請求記号:210.42】
人名検索のp235に「竹御所」があり、『吾妻鏡』に掲載箇所が多数あることが分かった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210)
- 参考資料
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- 『国史大辞典 第9巻 たか-て』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 2001
- 『國史大系 第60巻上 新訂増補新装版 尊卑分脉 第3篇』 黒板勝美/編 吉川弘文館 2001
- 『続群書類従 29上』 塙保己一/編 続群書類従完成会 1981
- 『北条九代記 上・中・下』 増淵勝一/訳 教育社 1986
- 『平家後抄 下』 角田文衞/著 講談社 2000
- 『中世の人物 京・鎌倉の時代編』 平雅行/編 清文堂出版 2014
- 『吾妻鏡事典』 佐藤和彦・谷口栄/編 東京堂出版 2007
- 『武家の棟梁源氏はなぜ滅んだのか』 野口実/著 新人物往来社 1998
- 『北条政子』 野村育世/著 吉川弘文館 2000
- キーワード
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- 竹御所
- 竹御方
- 北条九代記
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000260078