①を確認したところ、p130 ~134に食虫植物は約480種あり61目にわたり散在しているとある。具体的には、カタバミ目1科1属1種(カタバミ目フクロユキノシタ科のフクロユキノシタ)、ナデシコ目4科6属280種(うち3種 ナデシコ目ウツボカズラ科のウツボカズラ属の一種、ナデシコ目モウセンゴケ科のイシモチソウ、ハエトリグサ は写真あり)、ツツジ目2科4属16種(うち1種 ツツジ目サラセニア科ランチユウソウ属の一種、は写真あり)、シソ目3科5属180種(うち2種 シソ目タヌキモ科のタヌキモ、シソ目タヌキモ科ムシトリスミレ属の園芸品種 は写真あり)で、にナデシコ目の食中性について解説があるがイネ目について具体例はない。
同書p94~95にAPG分類体系によるイネ目は、ガマ科、パイナップル科、ホシクサ科、イグサ科、カヤツリグサ科、トウツルモドキ科、イネ科などを含むとある。
当館所蔵の食虫植物の図書を確認したが、イネ目とその科からの調査は困難である。そこで、インターネットで「イネ目」「食虫植物」を検索すると、②筑波大学生物学類のサイトに、食虫植物についての記載があり、イネ目 ホシクサ科の属・種 Paepalanthus bromelioides 1種、イネ目 パイナップル科の属・種 Brocchinia hectioides B. reducta 2種、 Catopsis berteroniana 1種 があることが掲載されている。(検索日2018.10.16)
これを参考に、再度当館資料を確認し、下記資料を紹介した。
③『世界の食虫植物』のIndex to Scientific Names で、Paepalanthus bromelioides
(植物名索引でパエパランツス・プロメリオイデス)、Brocchinia hectioides(ブロッキニア・へクチオイデス)、B. reducta(レズクタ)、Catopsis berteroniana (カトプシス・ベルテロニアナ)のそれぞれ学名から検索。パエパラエンツス属は「ホシクサ科の1属で南米に多種が広く分布する。1種のみが原始的な食虫植物として知られる。(以下省略)」、ブロッキニア属は「パイナップル科の1種で、ギアナ高地に自生する2種が原始的な食虫植物として知られる。(以下省略)」、カトプシス属は「パイナップル科の1属で、1種のみが原始的な食虫植物として知られる。(以下省略)」とあり、すべて複数のカラー写真つきで紹介されている。
④『食虫植物の世界』には、p10に著者の私的見解として食虫植物の分類12科20属が掲載されているが、これにはホシクサ科とパイナップル科は含まれていない。巻末の学名索引でPaepalanthus bromelioides (和名索引でパエパランツス・プルメリオイデス)、Brocchinia reducta (ブロッキニア・レヅクタ)、Catopsis berteroniana (カトプシス・ベロテロニアナ)を確認できた。ブロッキニア属 ヘクチオイデスは文章中での確認のみ。レズクタは写真がある。他は同属の写真まで。属ごとに育て方も記載されている。ちなみに本書ではブロメリア科にブロッキニア属とカトプシス属、エリオカウラ科にパエパランツス属が分類されている。
⑤『食虫植物育て方ノート』は、ブロッキニア・レズクタとカトプシス・ベルテロニアナの花や葉、つぼみの写真と育て方が記載されている。