レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20030819
- 登録日時
- 2005/02/04 02:14
- 更新日時
- 2005/11/28 17:28
- 管理番号
- D2003F1659
- 質問
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解決
「浜辺の歌」林古渓/詞、成田為三/曲の3番の歌詞の意味・解釈を知りたい。本によって、「濡れひじし」または「濡れもせじ」、「すでに癒えて」または「すべて癒えて」と言葉が違うようです。
- 回答
-
「浜辺の歌」について、唱歌関係の当館所蔵資料を通覧したところ、下記(1)、(2)に3番の歌詞と解説がありました。
(1)によると、作詩した林古渓が自ら修正書き込みをした楽譜をもとに、3番の歌詞を「ぬれもせじ(ぬれもしないことだろう)」→「ぬれもひぢし(ぬれひたってしまった)」と解釈しています。
(2)では「ぬれひじし」「すでに癒えて」とあり、それぞれ「着物の裾を濡らしながらも」「病から開放された今」という解釈がつけられています。
(1)、(2)ともに、「浜辺の歌」の原詩はもともと第4節まであったが、「浜辺の歌」として出版された時には3節の歌になっており、しかもこの3節は出版の際に(他人によって)手が加えられたことに触れています。
(3)、(4)や「浜辺の歌音楽館」のホームページ(http://www.town.moriyoshi.akita.jp/site/music/ha4.html 最終アクセス:平成15年8月13日)を見ると、林古渓の「浜辺の歌」の詞は雑誌『音楽』に大正2年8月に寄稿したものとあります。この雑誌の当該号(資料(5))を当館で所蔵しているので、中を確認したところ、「はまべ」という題で掲載されていました。参考までに、3番の歌詞のみ転記します。
「はまべ」 林古渓
はやち たちまち なみを ふき、
赤裳の すそぞ ぬれも ひぢし。
やみし われは すでに いえて、
はまべの 真砂 まなご いまは。
(1)『日本名歌曲百選 詩の分析と解釈』 畑中良輔監修、塚田佳男選曲・構成、黒沢弘光解説 音楽之友社 1998.3
該当頁:p.52-55
(2)『日本歌曲の詩想 歌唱と指導の手引き』 長峰佐和著 森企画 1998.3
該当頁:p.124-128
(3)『日本のうた大全集 詩と解説』 長田暁二編著 自由現代社 2000.8
(4)『愛の歌・音楽のしるべ 日本の愛唱歌を読む』 藤原薫著 創教出版 1994.5
(5)『音楽』4巻8号(大正2年8月) 東京音楽学校学友会(マイクロフィッシュ)
< >内は当館請求記号
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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〔典拠〕「童謡唱歌名曲全集」第6巻 田村虎蔵/他編 名著出版
- NDC
-
- 声楽 (767 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 浜辺の歌
- 唱歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000014396