レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20050602
- 登録日時
- 2005/12/01 02:11
- 更新日時
- 2005/12/01 18:49
- 管理番号
- C2005M0520-5
- 質問
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解決
日本国内と満州国内における労働者の賃金を比較をしたい。
- 回答
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(【 】内は当館請求記号)
『旧満州経済統計資料:『偽満時期東北経済統計』1931~1945年』(東北財経委員会調査統計処編 柏書房 1991【DT331-E3】)を確認しましたところ、32ページに「東北境内的中日工人工資比較」として東北(満州)内における日本労働者と中国人労働者の賃金の比較表が掲載されていました。
対象年は1940年で、煤気、金属、機械、化学、窯業、製材、紡織、食品、印刷装訂、雑工業の10業種別およびそれらの総平均が掲載されています。日給、月給の記載が無いのですが、単位は圓となっており、数値から考えると日給と思われます。
一方、日本国内の賃金ですが、同じ1940年の資料を探したところ、『賃金長期系列50年:日本の賃金50年の歩み』(久米益雄編 産業労働出版協会 1988 【EL19-E41】)の636ページに「工場労働者の1日平均賃金(大正12年~昭和21年)」というに項目があり、昭和15年(1940年)の工場労働者の賃金が掲載されていました。窯業・土石加工業、金属工業、機械器具製造業、造船業・運搬用具製造業、化学工業、紡織工業、紙工業・印刷業、皮革・骨・羽毛品類製造業、木材草蔓類に関する製造業、飲食料品製造業、被服・身装品製造業、精巧工業、土木建築に関する業、瓦斯・電気水道業、その他の工業の15業種別および合計(15業種の総平均とほぼ同額)が掲載されています。
いずれも単位は円です。
なお、「東北境内的中日工人工資比較」についてですが、「東北」の意味は『日本大百科全書』(小学館 1994 【UR1-G71】)によると、「中国北東部の地区名。遼寧、吉林、黒竜江の三省からなる。
(中略)清王朝を建てた満州族の故地であるため、満州(マンチュリア)と称したこともある。」とのことで、満州と同義のようです。
また、『50音引き中国語辞典』(講談社 2000 【KK12-G42】)によると、「工人」は中国語で「労働者」、工資は中国語で「賃金」を意味するようです。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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現代史資料33 満鉄3』(伊藤武雄 みすず書房 1967)
→p595~ 労働者の待遇調査の中に賃金などはあり。
- NDC
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- 労働経済.労働問題 (366 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 企業
- 社会保障
- 満洲
- 国策会社
- 共済組合
- 組織
- 健康保険
- 日本
- 雇用
- 賃金水準
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000025138