レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20030117
- 登録日時
- 2005/02/04 02:11
- 更新日時
- 2005/11/21 11:08
- 管理番号
- G2003F0085
- 質問
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解決
昭和20年11月23日の朝日新聞、11月25日の毎日・読売新聞に報道されている『厚生省原案』について、当時のGHQ労働課、厚生省労政局に関する資料を探しています。また、『厚生省原案』そのものの所在・原案の内容も判ればお願いします。
- 回答
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出典資料が不明であるため、『厚生省原案』=「労働組合法」についての問い合わせとして回答します。
「当時のGHQ労働課、厚生省労政局に関する資料」を網羅的に照会することはできないので、一般的な資料を以下に紹介します。
(1)『戦後労働改革』 竹前栄治 東京大学出版会 1982
(2)『GHQ労働課の人と政策』 増補改訂版 竹前栄治 エムティ出版 1991
これらの著作の参考・引用文献にはGHQ/SCAP文書だけでなく、日本側の状況に関する文献も紹介されているので参考になると思われます。特に、『戦後労働改革』2章「占領開始期の労働政策」3節「労組法の制定と憲法28条」には、「労働組合法の制定過程については、すでに多くの研究がある」として、複数の文献が注記されています。その他、比較的最近のものとして下記の論文を挙げておきます。
(3)田村譲「1945年代後半期の労働運動と旧労働組合法形成過程」
(『松山大学総合研究所所報』18〔1995〕p.1-211)
憲政資料室所蔵のGHQ/SCAP文書に関しては、同室に部局別目録(経済科学局:ESS)および資料分類別目録(分類番号740=労働問題、741=労働組合)を配備してあるので、来室の上ご利用ください。また、立命館大学の「GHQ/SCAP Database Server」のサイト(http://www.ghq.ritsumei.ac.jp/db/)から経済科学局のデータを検索することも可能です。
「労働組合法案」の原本は、国立公文書館で所蔵・公開されていることが、公文書目録検索システム(http://www2.archives.go.jp/)から確認できます。
< >内は当館請求記号
インターネットの最終アクセスは2003/01/14
〔補足〕
以下の記述は『厚生省50年史 記述編』(厚生問題研究会 1988)p.923からの引用です。
「政府は昭和二十年十月二十三日、広く各界の意見を求めて労働組合に関する法制の審議を行うため、労務法制審議会を設置し、労働組合法案の作成について諮問した。
労務法制審議会は同年十一月二十四日、政府に対し答申を行ったが、この答申に際しては、(ア)憲法中に労働の権利義務に関する規定を設けること、(イ)労働行政機構を整備拡充し、できるかぎり速やかに労働省を創設すること、(ウ)「労働争議調停法」(大一五・四・九法五七)を廃止し、労使関係の調整を目的とした法律を制定することなど七項目にわたる附帯決議がなされた。
政府は、労務法制審議会の答申に基づき「労働組合法案」を作成し、昭和二十年十二月八日、衆議院に提出した。同法案は十二月十五日に衆議院で、十二月十九日に貴族院で可決・成立し、昭和二十年十二月二十二日法律第五一号をもって公布され、昭和二十一年三月一日から施行された。」
答申の原資料は見あたりませんが、答申自体は以下の資料に収録されています。
○『労働組合法 労働関係調整法』 労働省労働法規課編 労務行政研究所 1959 p.47-55 <328.366-R645r7>
答申は労働組合法案と附帯決議で構成されています。法案の条文は新聞記事と同じですが、附帯決議は新聞記事から省かれています。同審議会の他の記録類は整理委員会のものも含めて見出せませんでした。
その他に、審議会委員長を務めた大倉公望の日記に関連の記述があります。
○『大倉公望日記 第4巻 昭和17-21年』 内政史研究会 1975(内政史研究資料 別集 2)
p.346-358中の昭和20年10月27日から11月26日の記録に関連の記述が散見されます。法案の内容には触れていませんが、審議会の委員の名前が記されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 労働経済.労働問題 (366 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 労働組合法
- 連合軍総司令部
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 大学図書館
- 登録番号
- 1000014312