レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年12月04日
- 登録日時
- 2009/12/07 13:16
- 更新日時
- 2010/01/14 11:48
- 管理番号
- R209-0024
- 質問
-
解決
「こばやし うこう」という京都の日本画の画家の経歴が知りたい。
(関連資料が見たい。)
- 回答
-
・こばやし うこう=小林 雨郊(1895-1976)
本名:小林才治(50歳頃に「彩二」と改める)
明治28(1895)年京都生まれ、京都市立絵画専門学校卒業。
家業は三文字屋善兵衛を屋号とする刺繍業である。
(現在の店名は「着物ギャラリー&アトリエ 善」
http://www.kyoto-zen.com/shop.html/[last access 2009/12/10])
大正10年に渡欧し、翌11年に帰国。
昭和51(1976)年81歳で死去。
・小林雨郊について記載されている当館所蔵資料を紹介。
- 回答プロセス
-
①OPACで検索。kw:こばやし うこう
自館所蔵→なし
NACSIS目録→なし
②Googleで検索。kw:こばやし うこう
「小林雨郊」という表記の京都出身の画家名がヒット。
利用者に確認したところ、おそらくこの人物だろう、とのこと。
③所蔵参考図書をブラウジング。
・「20世紀物故日本画家事典」
・「日本美術年鑑」
・「Graphic 日本画年鑑」
・「美術年鑑」
→小林雨郊について記載は見つからなかった。
④CiNiiで検索。kw:小林 雨郊
→1件(公開論文)ヒット
・石割透 / 京都・東京-その文化交流の側面 : 序小林雨郊と芥川龍之介
「駒沢短期大学研究紀要」28 pp.1-23 2000/03
小林雨郊の経歴や作品名について記載あるが、図・写真の掲載なし。
*pp.4
≪雨郊は文展で、第四回(一九一〇年、明治四三年)と第九回(一九一五年、大正四年)の二度、「日本画の部」で入選≫(引用)
からOPAC検索。kw:文展
→3件ヒット。
・「日展史 2:文展編2」pp.45 第4回文展「日本画の部」入選作品「僉議の庭」(雨郊作品の白黒写真)
・「日展史 4:文展編4」pp.91 第9回文展「日本画の部」入選作品「嵯峨三題」(雨郊作品の白黒写真)
・「文展の名作[1907-1918]」 →雨郊の作品は掲載されていなかった。
*pp.4
≪小林雨郊について詳しく記した文章は加藤一雄による『京都画壇周辺』がほとんど唯一のものである≫
からOPAC検索。
「京都画壇周辺 : 加藤一雄著作集」所蔵あり。
pp.270-292「中京下京」に小林雨郊について記載あり。
⑤Googleで検索。kw:石割透
→駒澤大学ホームページ内の氏の経歴紹介ページがヒット。
≪「京都・東京-その文化交流の側面 : 序小林雨郊と芥川龍之介」を改稿し、「小林雨郊とその周辺」の表題で京都新聞に連載≫
との記載から
所蔵資料「京都新聞 電子縮刷版」を確認。
・石割透 / 小林雨郊とその周辺 (連載)
「京都新聞」
(1)入洛の芥川龍之介と交流 2000/08/11 朝刊 13面
(2)恒藤、菊池、そして雨郊 2000/08/18 朝刊 13面
(3)書簡が語る芥川との関係 2000/08/25 朝刊 15面
(4)浮かんできた画家の輪郭 2000/09/01 朝刊 14面
(5)画壇への野心なきお大尽 2000/09/08 朝刊 19面
(6)書簡、絵に見る中京の凄味 2000/09/15 朝刊 16面
(7)陶芸家新井謹也との親交 2000/09/22 朝刊 19面
(8)東西の文化人の結び目に 2000/09/29 朝刊 20面
(9)美術の感想記す芥川書簡 2000/10/06 朝刊 17面
(10)原三渓の姿重ねた芥川? 2000/10/13 朝刊 15面
(11)渡欧、ルノワール宅訪問 2000/10/20 朝刊 17面
(12)西欧への夢…柏台書簡 2000/10/27 朝刊 15面
(13)渡欧の感動を生き生きと 2000/11/03 朝刊 21面
(14)東京田端の芸術家たち 2000/11/10 朝刊 19面
(15)小杉未醒「大雅堂」の発刊 2000/11/17 朝刊 19面
(16)出版協力求める小杉未醒 2000/11/24 朝刊 15面
(17)蒹葭堂への芥川のせん望 2000/12/01 朝刊 17面
(18)谷崎潤一郎らとの親交 2000/12/08 朝刊 17面
(19)参事官・芦田均からの礼状 2000/12/15 朝刊 15面
(20)落選を気遣う梅原龍三郎 2000/12/22 朝刊 13面
(21)終生の友だった小林和作 2000/12/29 朝刊 14面
(22・完)京都文化の縮図を生きて 2000/12/30 朝刊13面
→*図・写真も多数あり。
*小林雨郊の生没年、経歴の記載あり。
*≪家業は三文字屋善兵衛なる屋号の刺繍業である。≫
からGoogleで検索。kw:三文字屋善兵衛
→・「着物ギャラリー&アトリエ 善」
店舗紹介ページの年譜に≪慶応年間(1865年) 三文字屋善兵衛が、おめし屋(刺繍業)として創業≫とあり、
店名が途中で変わったことがわかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 芸術史.美術史 (702 8版)
- 逐次刊行物 (705 8版)
- 参考資料
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- 京都画壇周辺 : 加藤一雄著作集 加藤一雄著 用美社 1984 (紹介資料)
- 日展史 2:文展編2 日展史編纂委員会企画・編集 日展 1980 (紹介資料)
- 日展史 4:文展編4 日展史編纂委員会企画・編集 日展 1980 (紹介資料)
- 小林雨郊とその周辺 / 石割透 (連載) 京都新聞 2000/08-12(掲載巻号詳細は回答プロセスを参照) (紹介資料)
- 文展の名作「1907-1918」 東京国立近代美術館編集 東京国立近代美術館 1990 (記載なし)
- 20世紀物故日本画家事典 油井一人編 美術年鑑社 1998 (記載なし)
- 京都・東京-その文化交流の側面 : 序小林雨郊と芥川龍之介 / 石割透 駒沢短期大学研究紀要 28 pp.1-23 2000/03
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着物ギャラリー&アトリエ 善 http://www.kyoto-zen.com/shop.html/[last access 2009/12/10]
- 日本美術年鑑 昭和54年版~平成19年版 東京国立文化財研究所美術部編 東京国立文化財研究所 (記載なし)
- Graphic日本画年鑑 1984-'07 マリア書房 (記載なし)
- 美術年鑑 1978年版~2009年版 美術年鑑編集部編集 美術年鑑社 (記載なし)
- キーワード
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- 石割透
- 芥川龍之介
- 加藤一雄
- 小林雨郊
- 京都
- 画壇
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000060634