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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000243931
提供館
(Library)
熊本大学附属図書館 (3110045)管理番号
(Control number)
2018C002
事例作成日
(Creation date)
2018年10月15日登録日時
(Registration date)
2018年10月15日 17時17分更新日時
(Last update)
2018年10月16日 09時27分
質問
(Question)
ラムスデン現象(Ramsden Phenomenon)の由来を知りたい
回答
(Answer)
はっきりと同現象の由来を説明している資料を発見することはできませんでした。

各媒体での主な調査内容の傾向は以下のとおりでした。

①辞書事典類→「ラムスデン現象」という言葉そのものが発見できず

②図書→①に同じ

③学術論文→「ラムスデン」または「Ramsden」をキーワードにCiNii ArticlesおよびScopusを検索すると、いくつかの関連論文が表示される。それらを確認すると『ラムスデンエマルジョン=Ramsden Emulsion』というのが学術論文上での本現象の名称であることがわかる。また、同じ意味の『ピッカリングエマルジョン=Pickerinng Emulsion』という語句が確認できる。「ラムスデン」「ピッカリング」ともに、同現象の発見者名のようである。しかし、その語句の“由来”について掘り下げた記述はなく、「ラムスデン現象」がどれほど一般性を持つのかは依然として不明である。1903年にラムスデンという人物が発表した同現象についての論文は実際に発見することができた(後述)。

④一般Webサイト→「ラムスデン現象」という語句が使用されているWebサイトが多く発見できるが、やはり“由来”について確証ができるほどの記述は発見できなかった。主に酪農関係のWebサイトで多く用いられていた。また、クイズの問題として同現象が良く使用されていることもわかった。

--

以上の調査のうち、特に2点の文献についてご紹介いたします。

(1)
CiNii Articles上で、キーワード「Ramsden」で全文検索したところ、
以下の論文中に、ラムスデン現象に関する記述を発見しました。

塩およびカチオン性ポリマーを含むスメクタイト分散液の粘度変化と乳化能に関する研究 
関根 知子 粘土科学 54(1), 1-8, 2015 J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcssjnendokagaku/54/1/54_KJ00010032412/_pdf/-char/ja (最終アクセス日2018/10/15)

同論文は全文が無料で公開されております。
該当する記述の箇所は1ページ目の、右側中ほどにございます。

(2)
(1)の論文中の、2番目の引用文献である
2 )Ramsden ,W .(1904)Proc.Roy .Soc.ヱ2,156−164.
については、論文全文が無料で公開されております。

http://rspl.royalsocietypublishing.org/content/72/477-486/156.extract (最終アクセス日2018/10/15)

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CiNii Articlesの検索結果からは、他にもラムスデン現象について記述している論文が複数発見できました。その他の調査結果とあわせて、詳細な内容を回答プロセスのとおりご報告します。
回答プロセス
(Answering process)
※各種検索ツールにおける検索結果件数はすべて2018年10月5日時点のもの
※Webページへの最終アクセス日はすべて2018年10月5日時点

1)「ラムスデン現象」という単語について調べる


JapanKonwledge上で「ラムスデン」とキーワード検索すると、2件の検索結果が表示されるも関連するものはなし。


その他、本学蔵書のうち下記の参考図書で同現象について検索するも、該当項目なし。
(資料の請求記号は本学蔵書検索システムOPAC上のもの)
(*111~と始まる11桁の数字は、本学蔵書検索システムOPAC上の資料IDである)
・調理と大豆 青木宏、伊東清枝著 中央館・一般 596/A,53 11100365311
・地域食材大百科 農文協編 中央館・肥後熊本学 596/C,43/(1) 11104555697
・日本国語大辞典
・広辞苑
・日本語大事典
・カーク・オスマー化学大辞典 中央館・参考  570.3/Ki,54  11100851186
・食品産業事典
・調理科学事典
・化学辞典. 第2版 中央館・参考 430.3/Ka,16  11104102315
・化学史事典
・化学ハンドブック
・マグローヒル科学技術用語大辞典. 第3版 中央館・参考 403.3/Ma,29  11102826596
・科学用語語源辞典 : 独-日-英. 新版 中央館・参考 403.4/O,89  11101343591
・化学工学便覧. 改訂6版 中央館・参考 571.03/Ka,16  11103314246
・化学工学辞典. 改訂4版 中央館・参考 571.03/Ka,16  11110455801
・わかりやすい材料学の基礎 中央館・一般 501.4/H,76  11104347628
・複合材料工学 中央館・一般 501.4/F,74  11100353607
・新編農学大事典 中央館・大型本 610.1/Sh,69  11104103117
・薄膜作製ハンドブック 中央館・一般 431.86/H,19  11101945915
・分析化学便覧. 改訂6版 中央館・一般 433.03/B,89  11104220636
・タンパク質ハンドブック 中央館・参考, 464.2/W,36  11110183186
・Wordlist of Scientific periodicals
・Science & Technology
・Encyclopedia america
・科学技術45万語英和対訳大辞典 中央館・参考 403.3/Ka,16  11110183488
・科学技術英和大辞典 中央館・参考 403.3/Ka,16  11104444267
・Who's who in science in Europe : a biographical guide in science, technology, agriculture, and medicine. 7th ed 中央館・参考 403.5/W,69


2)誰か調べた事例はないか

レファレンス協同データベース上で「ラムスデン」とキーワード検索するも、該当なし。

※「牛乳」で検索するとレファレンス事例176件、調べ方マニュアル17件

3)そもそも「ラムスデン現象」という言葉は一般的にどれほど使用されているのか


Googleで検索すると6420件の検索結果が表示される。Wikipedeiaに本現象の項目あり。項目中の参考文献にとして以下の著者名がW. Ramsdenとある論文が紹介されている。

“ラムスデン現象”

“W. Ramsden, "Separation of Solids in the Surface-Layers of Solutions and 'Suspensions' (Observations on Surface-Membranes, Bubbles, Emulsions, and Mechanical Coagulation). -- Preliminary Account", Proceedings of the Royal Society of London, 72, 156-164. (1903 - 1904)”

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』,ページ「ラムスデン現象」中より引用, https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%87%E3%83%B3%E7%8F%BE%E8%B1%A1

当論文はWeb上で無料公開されている。
http://rspl.royalsocietypublishing.org/content/72/477-486/156.extract


一般社団法人中央酪農会議のHP中に掲載されている、児童向け学習コンテンツと思われる「ことば辞典」の中に、本現象の項目がある。

“ラムスデン現象
 牛乳を40℃以上に温めると表面に膜ができます。この現象をラムスデン現象といいます。牛乳を加熱すると、空気に触れている牛乳の表面から水分が蒸発し、表層部が部分的に濃縮されます。すると、牛乳の中に溶けているたんぱく質などの成分が凝集し、表面に膜を作ります。
このように、膜の成分はたんぱく質と脂肪、それに乳糖からなる栄養豊かなものなので牛乳と一緒に飲んでも問題はありません。

 ちなみにホットミルクをつくる時のコツは、火力です。弱火でゆっくり温めようとすると時間がかかるので、失われる水分が多くなります。また、強火にすると鍋の底に焦げ付きやすいので、強めに中火が最適といえます。 牛乳の濃度を一定に保つためには、鍋の中をかきまわす、あるいはゆする、という方法があります。これで牛乳の濃度のかたよりを防げます。”

一般社団法人中央酪農会議,「ことば辞典」中の項目『ラムスデン現象』より引用, http://www.dairy.co.jp/kidsfarm/kotoba/147Mra.
html


東京工業大学の公認サークル「東工大ScienceTechno(サイテク)」という団体のHPに、「牛乳の膜を科学する」というページがあり、そこでラムスデン現象が紹介されている。同ページの参考文献として紹介されている資料を調査しようとしたが、すべて本学に蔵書が無く内容を確認できない。

“3. 牛乳に膜ができる仕組み

牛乳を温かくすると液面に膜が張ります。これは以下のようなメカニズムによって説明できます。

1.牛乳を静かに熱すると、液面では水分の蒸発が起こる。
2.このとき液面の近くでは、熱によって変形しやすいホエイたんぱく質が変性・凝縮し始める。
3.ホエイたんぱく質が凝縮する際に、周りにある脂肪球を一緒に包み込み、膜を形成する。 なお、この膜の厚さは、牛乳を加熱する温度と時間に比例する。

この現象は発見者の名前を取って「ラムスデン現象」と呼ばれています。豆乳から湯葉が取れるのもこれと同じ原理です。”

東工大ScienceTechno(サイテク), 同団体のHP中のWebページ『牛乳の膜を科学する』より引用, https://www.t-scitech.net/history/miraikan/shokuhin/kouzou3.html


その他、以下のWebサイトに「ラムスデン現象」に関する記述が発見された。

(1)
NPO法人チーズプロフェッショナル協会,「乳皮」,
https://www.cheese-professional.com/article/column/detail.php?KIJI_ID=407

(2)
正式名称アーカイブス,「Q: 牛乳を温めたときに表面にできる膜ってなんですか?」,
http://archives.jpn.org/name/105.html

(3)
トリビアの泉で沐浴,「No.583 牛乳を温めたとき表面に膜ができることを「ラムスデン現象」という(番組評価 51/100へえ)」, https://oride.net/trivia/trivia583-589.htm

(4)
ヒールシャー – 超音波技術,「パワー超音波でラムスデン現象」,
https://www.hielscher.com/ja/pickering-emulsions-with-power-ultrasonics.htm

(5)
ニコニコ大百科,「ラムスデン現象」,
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%87%E3%83%B3%E7%8F%BE%E8%B1%A1

(6)
健康コラム,「第1796回 牛乳と豆乳」, http://kenkocolumn.blog.fc2.com/blog-entry-99.html

(7)
この青はきみの青,「牛乳の膜を予防する方法があった!ホットミルクの救世主はコレ」,
https://linear.blue/daily_life/hotmilk


(3)および(5)では発見者が“ジェームス・ラムスデン”とされているが、①で確認した論文の著者は“W. Ramsden”となっている。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
食品.料理  (596 9版)
参考図書[レファレンスブック]  (403 9版)
工業基礎学  (501 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
ラムスデン
牛乳
たんぱく質
ミルク
酪農
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
学生
登録番号
(Registration number)
1000243931解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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