一般的にジニ係数とは不均一性を図るための指標なので、所得分布や人口分布など、あらゆるものに対して使われるが、昨今は所得分布に使われることが圧倒的に多いことから、今回のお問合せは所得分布に対するものであると解釈し、調査した。
所得に対するジニ係数は、以下の資料で調べられる。
① UNDP 「Human development report」
(ジニ係数掲載は2004年からのみ。ただし、日本語版の『人間開発報告書』では2001年以降)
② World Bank 「World development indicators」
③ 「中華民国統計年鑑」(台湾)
④ 「中国価格及城鎮居民家庭収支調査統計年鑑」(中国)
台湾は国連にも世界銀行にも加盟していないので、①と②に数値が載っていない。
①、②の数値には基準年がある。それは、人口センサスや家計調査という根拠となる調査をいつ行ったかによる。この方法だと、毎年ジニ係数を取ることはできない。
また、②は1997年からしか出版されておらず、このタイトルで出される前のタイトル2誌には、ジニ係数は載っていない。
③台湾は毎年家計調査を行っており、ジニ係数も出している。
④中国各年の家計収入データが掲載されている。(ジニ係数表記なし)
韓国、香港はそれぞれの国家統計局が出すデータには所得統計が「lower 20%」のように階層別に表記されておらず、ジニ係数の算出ができない。
当研究所の研究員に確認したところ、一般的にジニ係数といっても、出所が違うと算出方法が異なる場合もあるため、所得分配の区分けなど、同じ基準で計算されているかを確認する必要が生じる。そのため、経済学者がジニ係数を使う場合は、一次統計から自分で算出するとのこと。