レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/04/04
- 登録日時
- 2007/12/01 02:11
- 更新日時
- 2007/12/27 16:58
- 管理番号
- 埼熊-2007-052
- 質問
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解決
静岡県熱海市の伊豆山神社の歴代別当名及び僧坊の数について知りたい。
- 回答
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一覧できる資料はなく、関連記述のある資料を紹介する。
①『日本歴史地名大系 22 静岡県の地名』(平凡社)
「密厳院跡」の項 伊豆山神社の別当寺で、鎌倉時代からの別当職の変遷あり。南北朝以降室町幕府の将軍より補任の醍醐寺側と鎌倉公方より補任の鶴岡八幡宮側が併設して相論が繰り返される。1469年の別当職以降は不明。1590年伊豆山権現と共に消亡。
「般若院」の項 密厳院消亡後家康が高野山より快運を招き、伊豆山別当職に補任し、般若院の称号を与え復興。その後は高野山系の僧が別当職を受け継ぐ。近世の伊豆山は48谷供僧12坊と修験7坊などあり。
②『群書類従 第2輯(神祇部)』(群書類従完成会)「走湯山縁起」の項 安和3年に三間四面檜皮葦僧坊を一字造立。権現の系図あり。
③『大日本史料 第6編之4』(東京大学史料編纂所)p325に尊氏、山城醍醐報恩院降舜をして、伊豆走湯山密厳院別当職を管せしむ。
④『和漢三才図会 10』(東洋文庫)(平凡社)「伊豆権現」の項に[別当]般若院の記述あり。
⑤『神道大系 神社編21』(神道大系編纂会)「伊豆山略縁起」の項 別当般若院・・・社僧十二坊。其後別当大僧正弘賢、・・・ほか数人の別当名あり。
- 回答プロセス
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『広辞苑』で〈別当〉〈僧坊〉などの語義を確認。
神社関係名鑑や県別(地名)事典で〈伊豆(大)権現〉〈走湯(社)〉等の別名を確認。
《東京大学史料編纂所DB》(http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/ships)で検索。別当の記述のあった『大日本史料』を確認。〈密厳院〉をキーワードとして資料確認する。
《NDL-OPAC》を〈伊豆山神社〉で検索し「週刊神社紀行 44」(県内公共図)を取寄せて確認したが該当せず。
成田山仏教図書館を照会。
(ア)直接般若院へ資料の確認をする旨教示をいただく。(イ)『仏教学関係雑誌論文分類目録』(龍谷大学仏教学研究室 仏教学関係雑誌論文分類目録編集委員会)から、関連論文を紹介いただく。(ウ)『神道大系 神社編21』(神道大系編纂会)の読み下しの教示をいただく。
その他調査済み資料
『国史大辞典 1』「伊豆山神社」の項に説明があるが、該当記述なし。
『静岡県史 通史編2(中世)』巻末索引に<伊豆山神社><伊豆山権現>あるが、該当記述なし。
『静岡大百科事典』(静岡新聞社)「伊豆山神社」の項に説明あり。
『全国神社名鑑 上』(全国神社名鑑刊行会史学センター)
『日本社寺大観 神社編』(名著刊行会) 「伊豆山神社」の項に比較的詳しい説明あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175 9版)
- 中部地方 (215 9版)
- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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- 『日本歴史地名大系 22 静岡県の地名』(平凡社)
- 『群書類従 第2輯(神祇部)』(群書類従完成会)
- 『大日本史料 第6編之4』(東京大学史料編纂所)
- 『和漢三才図会 10』(東洋文庫)(平凡社)
- 『神道大系 神社編21』(神道大系編纂会)
- キーワード
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- 神社
- 神仏混淆
- 伊豆大権現
- 走湯社
- 密厳院
- 般若院
- 別当
- 熱海市-静岡県-歴史
- 照会先
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- 成田山仏教図書館(〒286-0024 千葉県成田市田町312 電 話0476-22-0407)
- 寄与者
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- 成田山仏教図書館
- 備考
- 成田山仏教図書館から『神道大系 神社編21』(神道大系編纂会)の「伊豆大権現御由緒書 別当般若院御由緒書」の中に文政五年までの般若院の別当名があることを教示いただく。中興別当快運、二世實翁、三世?、四世快周、五世盛算、六世空算、七世英澄、八世?九世開明、十世佑(有)明である。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000039891