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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000112812
提供館
(Library)
国立音楽大学附属図書館 (3310053)管理番号
(Control number)
国音2012-0009
事例作成日
(Creation date)
2012.10.19登録日時
(Registration date)
2012年10月20日 09時56分更新日時
(Last update)
2014年11月14日 11時21分
質問
(Question)
Schubert:Winterreise の第24曲" Der Leiermann"  (シューベルト:冬の旅 第24曲 「辻音楽師
( ハーディ・ガーディ弾き)」)の調性が、自筆譜は、h-Mollなのに原典版を含む多くの版がa-Moll
の楽譜を収載している根拠?
回答
(Answer)
根拠として、下記①シューベルト新全集(Bärenreiter)のKritischer Berichtの以下の記述を挙
げる例が多い。
又、”Franz Schubert : thematisches Verzeichnis seiner Werke in
chronologischer  Folge”(Bärenreiter, 1978)のインチピットもa-Mollを採用している点も根拠
の一つと言えなくもない。
更に、シューベルト旧全集のような微妙な例外(自筆譜をa稿とし、他をb稿として収載)を除き、
多くの版は初版譜の調性を踏襲してきたと言えなくもない。

①”Autographe Reinschrift in der Pierpont Morgan Library, New York(s.o.
 unter "Quellen", Nr. 1), Bl. 36r-37r: "12. Der Leyermann." Das Lied ist hier
 in h-moll notiert, doch findet sich rechts oben von der Hand Tobias Haslingers
 ein mit Rötel geschiriebener Hinweis für den Stecher: "in A-mol".

しかしながら、一方

②『冬の旅/梅津時比古』(東京書籍)には、自筆譜の調性を尊重する例として、2005年11月22日、
 紀尾井ホールでの白井光子(mez-sop)、ハルムート・ヘル(pf)の演奏を挙げた上で、エルマー・ブ
 ッデの研究("Schuberts Liederzyklen / Budde, Elmar "(C.H.BECK)を挙げつつ、「『辻音楽師』
 をイ短調に変更したのはハスリンガーであり、シューベルトの意思ではない。」との指摘が見られる。

◆なお、①②及び上述の状況から、以下の点までは、言えるかも知れない。
 同曲の自筆譜初稿は、h-Mollであった。初版楽譜の段階で、a-Mollに変更された。
◆作曲者の最終意図の問題については、シューベルト新全集(Bärenreiter)の校訂者Walther Dürr
 と②に挙げられたElmar Budde の見解は重要である。しかし、現段階でレファレンサーとしては、調性
やその根拠に関わる問題は、シューベルトの意思とハスリンガーとの関係を示す証拠や、典拠が確認さ
れ明示されるまでは、慎重に対応すべきと思われる。ちなみに、Elmar Budde は"Winterreise"Peters版
(Neue Ausg.)のmusikwissenschaftliche Revisionを担当しているが、この版の" Der Leiermann" の
調性は、a-Moll を採用し、脚注にIn Autograph in h-Moll notiert; Zusatz von Hand: in A-molと記している。
 一方、Bärenreiter のシューベルト新全集に基づく原典版の中には、a-Mollを本編とした場合、その脚注に
Tonart der Originalausgabe; im Auotograph in h-Moll, siehe Anhang, S.76.のように記した上で、
Anhangのh-Mollの楽譜の脚注にIn der Tonart des Autographs.のように記す例も見られる。
◆シューベルト新全集の系譜に属するBärenreiter社原典版の中には、Vorwort中に、同曲について次のよう
な指摘を 含む版がある。 " Von der Hand des Verlegers findet sich auf dem Manuskript de Hinweis:
"in- A-mol", ob die Taransposition auf Schubert oder den Verleger zurückgeht, ist nicht zu entscheiden..."
 なお、この解説の執筆者は、Walther Dürr であり、その後に Sommer 2007と執筆年が記されている。
 指摘内容、執筆者、執筆時期は大変重要で、本件を検討するに当たっての最重要情報の一つと言えよう。
又、それらの版は、第24曲の他にも自筆譜の調性の楽譜をAppendixに収載しているが、その点も目録データで
確認できる重要記載事項である。 (目録データ注記:"Appendix contains transposed songs printed in their original key")◆②の図書(『冬の旅』)の、"「冬の旅」CDの旅"にも、"Winterreise"中の数曲について、自筆譜と調性の違うもの
につ いての指摘が見られる。(p361-362)。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
声楽  (767)
参考資料
(Reference materials)
「展示資料 《ドイツ歌曲》[解説]」(当館HP 展示・イベント2011年10月3日~11月4日 声楽作品(独唱曲)と資料の探し方  PDF) http://www.lib.kunitachi.ac.jp/tenji/2011/tenji1110.pdf
"Schuberts Liederzyklen : ein musikalischer Werkführer / Elmar Budde" München : C.H. Beck, c2003
"Winterreise : op. 89 / Schubert " herausgegeben von Walther Dürr ; Urtext der Neuen Schubert-Ausgabe
Hohe Stimme Kassel ; New York : Bärenreiter, c2009
キーワード
(Keywords)
シューベルト 自筆譜
シューベルト新全集
シューベルト ベーレンライター原典版
Schubert Bärenreiter Urtext
Walther Dürr
Elmar Budde
Schubert:Winterreise(シューベルト:冬の旅)
Schubert:Der Leiermann(シューベルト:辻音楽師/ ハーディ・ガーディ弾き)
KCMLOPAC
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
作品
質問者区分
(Category of questioner)
図書館員
登録番号
(Registration number)
1000112812解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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