レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年07月21日
- 登録日時
- 2010/07/21 16:14
- 更新日時
- 2010/08/11 15:45
- 管理番号
- 福井県図-20100721
- 質問
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解決
日本画専門雑誌「塔影」、「国画」の著作権者を探しています。(「塔影」→「国画」と雑誌名が変わりました)
この雑誌を刊行していた塔影社は昭和18年10月で、戦時下の統合整備により終刊を出し、以後は日本美術出版株式会社として再スタートをきりました。日本美術出版株式会社は昭和23年社名を株式会社美術出版社に改め現在に至るので、美術出版社に問い合わせたところ、塔影社は昭和18年で終わり、確かに会社は統合したが、著作権までは引き継いでいないという回答でした。
この雑誌の発行人は斎田元次郎といいます。彼の息子なり、存命の関係者がいればその方に著作権の許諾を求めたく思っております。塔影社は当時、東京都麹町区ニ番町十一番地に会社を置き、発行人の斎田元次郎は東京都麹町区二番町十一番地ノ一となっています。配給元は一応、日本出版配給株式会社です。斎田元次郎は昭和26年12月15日に渋谷区の仮寓先で死んだとあります。彼は戦後「純美」という雑誌を主宰したようなので、その雑誌社が今に引き継がれていれば、その会社に連絡をしたいのですが、あいにく「純美」という雑誌自体がよく分かりません。
- 回答
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当館所蔵『著作権台帳』第26版をみましたが、斎田元次郎 という名前を発見することはできませんでした。なお、著作権者をお探しとのことでしたが、
・塔影・国画は、昭和18年10月を最後に終刊している→発行後50年以上経過。
・斎田元次郎氏は、昭和26年12月に死去→死後50年以上経過。
という情報から、「塔影」「国画」の著作権は、発行者「塔影社」あるいは、「斎田元次郎氏」が所有しているのであれば、すでに著作権の保護期間を過ぎていると判断されます。
著作権が「塔影社」に帰属していない場合には、個々の記事の著作者に著作権があるので注意が必要です。
- 回答プロセス
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1.著作権台帳 第26版で「斎田元次郎」を探す→目次からは発見できず。
2.昭和18年を最後に終刊しているということは、すでに著作権が切れているのではないかと考え、NDL-OPACで書誌情報を確認する。
・「塔影」塔影社→9巻1号~17巻7号(昭8.1~16.7)所蔵、発行状態不明
→webcatplusで大学図書館の所蔵を検索→17巻7号(16.7)を所蔵している館はあるが、それ以降の号を所蔵している館はない
・「国画」塔影社→1巻1号(昭和16年9月~3巻11号(昭和18年11月)以後廃刊
以上のことから、「塔影」「国画」は、著作物発行後50年以上経過と判断。
3.PORTAで斎田元次郎を検索→ヒットせず。
4.Yahoo!Japanで検索→独立行政法人東京文化財研究所のサイト内、物故記事 http://www.tobunken.go.jp/japanese/bukko/index.html に情報あり。斎田元次郎:昭和26年12月15日没 http://www.tobunken.go.jp/japanese/bukko/1951.html
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (051 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 塔影
- 国画
- 塔影社
- 斎田元次郎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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著作権関連事例
最終的に、雑誌に掲載されている記事の転載許可が取りたいとのことだったので、該当記事の著作者を当たるほうが良いと判断。記事の著作者の著作権継承者が『著作権台帳』により判明したため、その情報を提供し、調査を終了しました。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000069294