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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000048401
提供館
(Library)
国立国会図書館(National Diet Library) (1110001)管理番号
(Control number)
B2008M0102-3
事例作成日
(Creation date)
登録日時
(Registration date)
2008年10月25日 02時11分更新日時
(Last update)
2008年10月25日 10時11分
質問
(Question)
船の大小、喫水の深さによる揺れのちがいがわかる資料を探しています。
回答
(Answer)
下記文献に記載されているように、船体の動揺には船体の規模や喫水の深さ以外にも様々な要因がありますが、船体と喫水に関しては、一般的に船体が大きいほど、あるいは喫水が深いほど、船体の動揺は小さくなるようです。詳細は以下をご覧ください。

1.当館東京本館科学技術・経済情報室に開架されている資料のうち、お尋ねの内容に関連する記述のある資料をご紹介いたします。
※ご紹介にあたり、まず、いくつかの用語についての解説を引用しておきます。

(1)『和英・英和船舶用語辞典』(東京商船大学船舶用語辞典編集委員会編 成山堂書店 2001 【NC2-G21】
・喫水:船の長さの中央において、基線から満載喫水線までの垂直距離を満載喫水または型喫水または単に喫水と呼ぶ。また、ある状態で浮かぶときキール下面から水線面までの垂直距離をその状態の喫水といい、船首喫水、船尾喫水、船体中央部喫水と通称する。(p.178)
・メタセンタ:船をその直立状態から小角度傾けるときは、新しい浮心を通る浮力の作用線と、直立時の浮心を通る鉛直線との交点はほぼ一定点となる。この点をメタセンタといい、縦メタセンタ及び横メタセンタとがある。(p.226)
・耐航性:船が航海に従事する上の船体構造積荷、属具、機具、要具及び乗員が安全且つ適当であって航海を果し得る能力を有することを耐航性があるという。(p.369)

(2)『船型百科 : 各種船舶の機能と概要. 上巻』(月岡角治著 成山堂書店 1994 【NC51-E48】)
 p.133の囲み記事「船酔と動揺」に以下の記述があります。
「航走中の船は必ずと言ってよいほど、横揺れ(ローリング)、縦揺れ(ピッチング)を伴って乗組員の生理現象に影響を及ぼしている。その程度は船の大きさおよび波の大きさにより変化がある。その本質は船体の重心位置(G)とメタセンター(M)間との距離の大きさによる。GMを大きくすると横ゆれの周期が短くなり、GMを小さくすると逆に周期が大きくなる。~」

(3)『航海便覧』(航海便覧編集委員会編 海文堂出版 1991 【NC2-E14】)
 「9. 造船」で、船舶の構造に関する用語解説のほか、船舶の動揺などに関する数式などを掲載しています。「9.3 復原性と動揺」(p.421-)に、静水中の船舶の安定なつりあいの条件として、横メタセンタ(M;直立でつり合い状態にある船を排水量一定のままごくわずか横方向に傾けたときの浮力の作用線と、もとの浮力の作用線との交点)が重心(G)より上にあることを挙げています。続けて、浮力の作用点は船の水線以下の体積の幾何学的中心に位置すること、横メタセンタの位置は水線下の船の形や喫水によって変化すること、軽荷状態の重心の高さは船体の構造様式、機関の配置、上部構造物などによって異なることなどを記述しています。

(4)『造船設計便覧』(関西造船協会編 海文堂出版 1983 【NC2-98】)
 「第3編 基本計画」に、「4 復原性」と「7 耐航性」の項目があります。
 「4 復原性」では、「4.4 旅客フェリーの復原性基準」として、IMCO(Inter-governmental Maritime Consultative Organization;政府間海事協議機関)勧告が掲載されています。「7 対航性」では、船体が安全に運行する性能「耐航性」について、船形等その他条件による数式が掲載されています。

2.NDL-OPAC( http://opac.ndl.go.jp/index.html )を
 分類:/NC51(運輸工学―船舶)
 刊行年:1990~
などで検索した結果のうち、船体の揺れと船体構造について、お尋ねの内容に関する記述があった資料をいくつかご紹介いたします。

(5)『図解雑学船のしくみ』(池田良穂著 ナツメ社 2006 【NC51-H47】)
 「第5章 波の中での船の運動」(p.112-166)には、6つの船体運動(船首揺れ、上下揺れ、前後揺れ、横揺れ、左右揺れ、縦揺れ)があること、そのうち上下揺れの固有周期の数式は以下のようになっており、
 上下揺れの固有周期=2×pi×(船の質量/上下揺れの復原力係数[=復原力をその時の変位で割ったもの])^(1/2)
※piは円周率を、(・・・)^(1/2)は・・・の平方根を意味します。
 この式からは上下揺れの固有周期は船が重いほど長くなり、復原力が大きいほど短くなることが分かります。(p.120に記載されています。)
 また、停泊中より運行中に横揺れが軽減されるのは横揺れ減衰力(いくつかの成分があるが主に前進速度によって船体の左右方向に水平に働く揚力によるもの)の増加によるものであり、この横揺れ減衰力の揚力成分は、喫水が深い船のほうが大きいとの記述がありました。(p.154)
 なお、第5章では、ビルジキールやフィンスタビライザーなどの動揺軽減装置についての記述もあります。

(6)『新しい船の科学 : コンピューター帆船から宙に浮く船まで』(池田良穂著 講談社 1994 【NC51-E51】)
 前述『図解雑学船のしくみ』と同じ著者によるもので、「第6章 船を揺らす力―船体運」(p.138-166)に、同様の内容が記述されています。

(7)『船のはなし』(滝沢宗人著 技報堂出版 1991 【NC51-E20】)
 「9 船の乗心地」の項(p.55-64)には、復原性について解説されており、メタセンター(M)が船体の重心(G)の上方にありGMの距離が大きいほど復原力が大きくなること、そのためには重心位置を低く保つことが重要であること、ただし復原力が大きければ船体が傾いたときに元へ戻ろうとする力が大きくなるため早い周期で揺れ動くこととなり、乗心地は良くないことなどが述べられています。
 また、「24 揺れない船」の項(p.172-177)には、次の記述がありました。
 「小さい船は大きい船より揺れやすいことはご存知でしょう。海の波は大きいうねりと大小さまざまな波の組み合されたものですから、小さい船だと一つひとつの小さな波にも揺れることになります。~」
 「24 揺れない船」には、アンチローリングタンクやフィンスタビライザーなどの動揺軽減装置についての記述もあります。

(8)『船と海のQ&A』(上野喜一郎著 成山堂書店 1992 【NC51-E30】)
 「3 浮いて物を積む仕組・・・・・・船体」(p.48-82)の「(7)船体の理論 (ウ)船体の揺れ」には、「船体の横揺れが激しい船とは、どんな船か。」との問いに、以下の記述で回答しています。
 「船体の横揺れは復原性と関係がある。重心の低い船(重心とメタセンタとの距離が大きい)ほど復原する力が大きくて安全であるが、横揺れの周期が短く、横揺れが激しい。重心の高い船では横揺れは緩やかである。」

 当館で契約している抄録・索引データベースJDreamIIを「客船」、「喫水」、「動揺」、「耐航性」などで検索しましたが、抄録から判断する限りにおいては、お尋ねの内容に対する回答となるような文献は見当たりませんでした。
 インターネットの最終アクセス日は2008年2月1日です。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
海洋工学.船舶工学  (550 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
運輸工学
船舶
航行
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
NDL副出:557
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
公共図書館
登録番号
(Registration number)
1000048401解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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