レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/01/08
- 登録日時
- 2018/03/24 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:39
- 管理番号
- M18010814487725
- 質問
-
備前焼に関する「入れた水が腐りにくい」、「ビールが美味しくなる」といった伝承を科学的に説明した資料を知りたい。
- 回答
-
資料①『とことん備前』には、「『備前の水甕、水が腐らぬ』というて、備前の甕は水がもらんけど、外の空気を取りいれて呼吸しとる」、「備前の徳利は、そのネットリとした肌で酒を旨く感じさせてくれ、(中略)お燗をすると遠赤外線を放射して酒を旨くするともいわれており」、「備前の土肌とビールの気泡が絶妙なバランスでビールの表面を白い泡が包む。しかも泡が細かいので、なかなか気が抜けず」といった記述が見られる。
資料②『備前焼を科学する』には、「備前擂鉢投げても割れぬ」についての論文「科学的調査によりわかる備前焼擂鉢の流通」がある。
資料③『窯別ガイド日本のやきもの 備前』には備前徳利がお酒を美味しくする理由として、「器物の表面に細かい凹凸があり、酵母菌類が生育しやすく」といった記述もある。
資料④『備前焼』には、「備前スリバチ投げても割れぬ」の説明で「耐火度のやヽ低い土をじっくり焼きしめた備前焼は堅ろうで割れ難い」、「備前水ガメ水がくさらん」の説明には「備前焼は厚味があるので外気温の影響も少なく、中の水の温度が夏でも上がり難く水アカができないし土中に埋めるとさらに効果的、無釉のため浸透性があるのも水がくさらないことと関係があるといわれている。」、「備前徳利はお酒がうまい」の説明としては、徳利・ぐい呑み共に厚手に作られているのでお酒が冷めにくい、といった記述がある。
資料⑤『山陽新聞』(1999年6月7日)には、岡山理科大学の光藤裕之研究室が物理的な見地から備前焼について研究を続けている記事があり、備前焼とビールの美味しさの関係について説明がある。
資料⑥『備前焼をサイエンスする』には「備前焼の歴史を科学する意味 ~科学の立場から~」という論文があり、焼成温度や開気孔率、吸水率についての調査が行われているが、「「水が腐らない」「お酒が美味しくなる」などの機能性的価値の由来を科学的な手法で探索できればと願っていたが現段階では叶わなかった。」とある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 陶磁工芸 (751 9版)
- 参考資料
-
-
資料① 黒田草臣『とことん備前』 光芸出版,1996,349p.参照はp.57-91.
資料② 白石純・京黒晋太郎「科学的調査によりわかる備前焼擂鉢の流通」『備前焼を科学する』岡山 吉備人出版,2002,139p.参照はp.62-71.
資料③ 上西節雄『窯別ガイド日本のやきもの 備前』 淡交社,2002,127p.参照はp.117.
資料④ 『備前焼』備前 岡山県備前焼陶友会,2010,145p.参照はp.21-24.
資料⑤ 『山陽新聞』 1999年6月7日付朝刊,山陽新聞社,参照はp.14.
資料⑥ 高長茂幸「備前焼の歴史を科学する意味 ~科学の立場から~」『備前焼をサイエンスする』備前 備前市教育委員会生涯学習課,2017,123p.参照はp.3-10.
-
資料① 黒田草臣『とことん備前』 光芸出版,1996,349p.参照はp.57-91.
- キーワード
-
- 岡山県立図書館
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2018010814450387725
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000232998