レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/3/5
- 登録日時
- 2015/12/02 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:37
- 管理番号
- M15032011277174
- 質問
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「眼横鼻直」という言葉について知りたい。誰の言葉でどのような意味か。また、出典となる文献も見たい。
- 回答
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「眼横鼻直」について、『例文仏教語大辞典』には「一切の事象は、眼が横に、鼻がまっすぐであるように、そのままが同一の真実(真如)を表している、ということ。」と説明されている。また、『大法輪 第79巻第6号』には、「眼横鼻直」について、「道元禅師が中国で修行し、師の如浄禅師の仏法を会得して返ってきた時の心境を示した言葉である」「どのような仏法を体得して帰ってきたかと言えば「眼横鼻直」すなわち〝眼は横に並び、鼻は縦についている〟というような当たり前のことであり、仏法の〝さとり〟とは特別な神秘体験をすることではなく、当たり前のことを当たり前に肯うことであることを示している。」と説明されている。出典については、『例文仏教語大辞典』に、「『永平広録』(一、一)」(冒頭部分)とある。しかし、当館所蔵の『永平広録』(『道元禅師全集 第十巻』)の冒頭には記述は見られなかった。『道元禅師全集 第十巻』(『永平広録』1の48の注釈)によると「眼横鼻直」が冒頭に記されているのは「卍本」および、『略録』(『永平元禅師語録』)であって、門本においては、48の上堂語にあたる、とあり複数の形態の『永平広録』が存在する。(※しかし、48の原文に「眼横鼻直」はなく、要旨、補注に説明があるのみ)『道元「永平広録・上堂」選』には、現存する永平広録は二系統あり、『祖山本』『卍山本』が今日知られているとして、『祖山本』『卍山本』両方の巻頭の文(上堂語)を紹介しており、冒頭に「眼横鼻直」が記されている。原文・書き下し文・現代語訳・解説あり。また、『道元禅師語録』(収録の『永平元禅師語録』)、『道元禅師全集 第五巻』(収録の『永平元禅師語録』)でも「眼横鼻直」が本文中に見られる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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石田瑞麿『例文仏教語大辞典』 小学館,1997,1147p. 参照はp.147-148.
『大法輪 第79巻第6号』 大法輪閣,2012,244p. 参照はp.74.
道元『道元禅師全集 : 原文対照現代語訳』 春秋社,1999,317p. 参照はp.234.
道元『道元「永平広録・上堂」選』 講談社,2005,289p. 参照はp.20-31.道元『道元禅師語録』 岩波書店,1940,234p. 参照はp.50-51.
道元『道元禅師全集 第5巻』 春秋社,1989,309p. 参照はp.57.
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石田瑞麿『例文仏教語大辞典』 小学館,1997,1147p. 参照はp.147-148.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2015032011271477174
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000184870