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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000250683
提供館
(Library)
島根県立図書館 (2110035)管理番号
(Control number)
島根郷2019-01-003
事例作成日
(Creation date)
2019年01月23日登録日時
(Registration date)
2019年01月27日 09時46分更新日時
(Last update)
2019年09月12日 17時56分
質問
(Question)
世間で「やんちゃ殿さま」と呼ばれていた、松江藩9代藩主の松平斎貴はどのような人物であったのか。
回答
(Answer)
当館所蔵資料より、下記の資料を紹介し回答。

資料1:p531「松平斉貴(まつだいら なりたけ)」の項目あり。1815-1863。8代藩主・斉恒の長子として生まれる。幼名鶴太郎、のち直貴。8歳で家督を継ぎ、塩見小兵衛、のちに朝日丹波が後見した。父・斉恒の時代に頓挫していた「出雲版延喜式」を完成させ、ほかにも『南史』80巻、『北史』100巻の校訂などの出版事業、儒学者の登用などで藩学を盛んにした。文政から嘉永にかけて風水害と凶作が続いたが、治水事業や新田開発を行い、また窯業の奨励を行うなど産業を振興した。

資料2:p233-251「松平齊貴(なりたか)の治世」の項目あり。p236に「齊貴は殺生を好み、特に松江城下附近および簸川郡方面に多くの鷹場を設け、鷹匠・餌差等が威勢をかって専横となったので、藩内に不平の声が高まり、家老朝日氏もまた累代の権威によってとかくの評があった」とする。また天保の頃から行状が収まらず、大酒・酔狂・淫蕩が甚だしく、江戸に留まり松江に赴かず、仕置役(家老)らの諫言の効もなく、ついには当職塩見増右衛門が諌死を遂げるに至って、ようやく松江に帰国した。その後は病を養するとして江戸に戻らないなどしたため、時の近習頭三谷忠太郎等は広瀬藩家老と通じ、密かに斎貴を廃して広瀬藩主を迎え入れようと謀るも、事は露見し捕縛された。このことは表沙汰とはならなかったが、松江松平家の親類である越前福井・美作津山・肥前佐賀らの諸藩主の協議により斎貴を隠退させることとなった。齊貴は津山藩松平齊孝の子・済三郎を養子とし娘熙姫と結婚させ(10代藩主定安)、剃髪して瑶光翁と号した。齊貴の時代には、斐伊川の氾濫を防ぐための新川開削、海岸防備の唐船番、人参方の設置(朝鮮人参の栽培・専売)、窯業などの殖産振興を行った。また西洋文化・学問を積極的に輸入し、鉄砲(製造・砲術)、種痘術など西洋医学の導入するなど先進的な政策も行っている。

資料3:p184-187「やんちゃ殿さん・松平斉貴」(乾隆明)。治世については資料1・2と同じ。冒頭に、斉貴のことを「松江では『やんちゃ殿さん』という。『いささか困った殿さん』というニュアンスである」と書かれている。斉貴は8歳で家督を継ぎ、20歳前後には利発な殿様として世に知られた人物であった。しかし天保の頃から次第に暗君の様相を帯び、鷹狩りや馬鹿囃子に熱中、遊びほうけて大酒酔狂淫蕩はなはだしくなったとする(以下、資料1・2と同じ)。しかし「『やんちゃ殿さん』は根が利口な人だから、西洋の新知識の導入においては先進的で」あり、西洋の時計を360個集め、時計の間の係として小川友忠をおいて研究させたり、電信器・エレキトール・噴水器・写真機などの当時は珍しい機器を購入していた。医学では斉貴の個人的財源から側医らが多くの西洋医学書を購入したり、斉貴本人が中風を発症すると洋医に診察させていたりしている。このような「『暗君』としての評価と『先進的な蘭癖大名』の実績をどのように考えたらよいか、後世のわれわれにとって誠に困った殿さんである」と著者は評している。

資料4:p6に斉貴(齊齋)について記述あり。「其性豪放闊達、而も其思想稍々進歩的なりしを以て、夙に細事に拘泥せず、断乎として内外の国事を視、又自ら其好む所を行へるに似たり。是れ一世の耳目を聳導せる所以にして、又幕府の指斥する所となれるものの如し、(以下略)」とあり。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
個人伝記  (289 8版)
中国地方  (217 8版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】山陰中央新報社島根県歴史人物事典刊行委員会 企画・編集 , 山陰中央新報社. 島根県歴史人物事典. 山陰中央新報社, 1997.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002729339-00 , ISBN 4879030627 (当館請求記号 郷貸出281.0/サ97)
【資料2】松江市誌編さん委員会 編 , 松江市. 新修松江市誌. 松江市, 1962.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001042391-00  (当館請求記号 217.3/マ62)
【資料3】乾隆明 編著 , 乾, 隆明. 松江藩の時代 : 松江開府400年. 山陰中央新報社, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009898862-00 , ISBN 9784879031334 (当館請求記号 郷貸出217.32/イ08)
【資料4】松平直亮 著 , 松平, 直亮, 1864-1940. 松平定安公伝. 松平直亮, 1934.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000846545-00  (当館請求記号 092.8D/60※貸出禁止資料)
キーワード
(Keywords)
松江藩
松平斎貴
松江市
島根県
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000250683解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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