このページではJavaScriptを使用しています。お客様の閲覧環境では、レファレンス協同データベースをご利用になれません。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000168937
提供館
(Library)
同志社大学 今出川図書館 (3310014)管理番号
(Control number)
2014-054
事例作成日
(Creation date)
2014/12/10登録日時
(Registration date)
2015年03月13日 11時54分更新日時
(Last update)
2015年10月30日 11時15分
質問
(Question)
画家・藤島武二の油彩「耕到天」について、『芸術のエスプリ』収録「画質の言葉」にて、
藤島は”「耕到天」とは「かつて前後日本を観たる二支那人の評言である”と著しているが、
①この”支那人”とは誰のことか。
②この言葉(漢詩?)はどういう意味なのか知りたい。
回答
(Answer)
中国(清)の政治家・李鴻章の言葉であると言い伝えられているようですが、明確な記述はありませんでした。

李鴻章の言葉であるという言い伝えを要約すると以下のような内容になります。
日清戦争後、日清講和条約の締結のために日本を訪れた李鴻章が、当時の瀬戸内海の様子を見て以下のように言った(船での移動中、という記述がいくつかあり)。
「広大な土地がないから急斜面にまで畑を作り、貼りつくようにして耕作をしなくてはならない(日本)人はなんと勤勉で貧しいことか。それにも関わらず、広大な国土をもっている強国であるわが国(清)が負けるとはなんたることだろう」
詳しくは回答プロセスをご参照ください。
回答プロセス
(Answering process)
1.漢詩を調査
国会図書館調べ方案内「漢詩の出典」を参照
・データベース「全唐詩庫」「诗词鉴赏」等を全文検索 → ヒットなし
・『大漢和辞典』『佩文韻府』 → 該当なし

2.格言やことわざを調査
名言、名句、格言等の辞典各種(日本・中国)、国語辞典各種、百科事典各種、人名事典各種、文学事典各種を調査するが、掲載なし。

3.Web調査
中国(清)の政治家・李鴻章の言葉である、という記述が多く見つかる。まれに孫文であるという説もあり。
ただし典拠のある情報はなく、信頼性には欠ける。
・安部首相の発言録( https://www.s-abe.or.jp/japan_feature )[参照2015-03-09]
最上段「美しい文化の基盤としての農林漁業」内に、「中国側、清の全権代表李鴻章が、耕して天に昇ると、こう書き残したのがこの棚田でございますが」とあり。

・山口新聞( http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/shikifu/2010/shikifu0426.html[ 参照2015-03-09])
 ”裏付ける資料はないが、清国の政治家、李鴻章の言葉らしい”とあり。

・中村英利子 つれづれエッセイ13 後に続くことば「アトラス出版」2012.12.28掲載 
http://www.shikoku.ne.jp/atlas/turezure/turezure13.html  [参照2015-03-09])
 李鴻章のほか、孫文とする説も紹介している。 

4.李鴻章であると仮定し、評伝等調査
以下の所蔵資料を調査するが、言い伝えの記述やその他の情報なし。
・梁啓超著, 張美慧訳『李鴻章 : 清末政治家悲劇の生涯』
・岡本隆司著『李鴻章 : 東アジアの近代』
・[顾廷龙, 戴逸主编]『李鴻章全集』
・新聞記事への掲載調査→各種新聞記事検索データベースで検索するが掲載なし。

5.藤島武二研究から調査
・竹中郁,酒井忠康『藤島武二』(『カンヴァス日本の名画』6)
竹中郁が「オベリスク」と題して著した文章に以下の記述あり。しかし文中または文末に、典拠等の記載はなし。
("耕到天"とは)「清国の大官が~(略)~何かの交渉の折に来た際~(略)~吐いた言葉だそうで」

6.国会図書館への参考調査依頼
以下の資料には掲載なしとの回答を得る。
・『李鴻章全集』安徽教育出版社 2008.1.
・[清] 劉體智撰 ; 劉篤齢點校『異辭録』中華書局 1988.10.
・苑书义著『李鸿章传』人民出版社 1991.
・『李鸿章全传』印刷工业出版社 2001.
・竇宗儀 編著『李鴻章年(日)譜』國家圖書館出版社 2011.8.
・广东省社会科学院近代史研究所[等]合编『孙中山全集』中华书局 1981-1986
・黄季陸, 秦孝儀増訂『國父年譜』増訂本 中國國民黨中央委員會黨史委員會 1985.
・段云章编著『孙文与日本史事编年 : 增订本』广东人民出版社 2011.8.
・中国学術雑誌全文データベース(CAJ)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
詩歌.韻文.詩文  (921)
アジア  (282)
参考資料
(Reference materials)
諸橋轍次 著 , 諸橋, 轍次, 1883-1982 , 鎌田, 正, 1911-2008 , 米山, 寅太郎, 1914-2007. 大漢和辞典 巻9 修訂第2版 鎌田正,米山寅太郎修訂. 大修館書店, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002047703-00 , ISBN 446903147X
飯塚, 浩二, 1906-1970. 飯塚浩二著作集 3 (ヨーロッパ・対・非ヨーロッパ,北緯79度). 平凡社, 1975.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001228275-00
梁啓超 著 , 張美慧 訳 , 梁, 啓超, 1873-1929 , 張, 美慧. 李鴻章 : 清末政治家悲劇の生涯. 久保書店, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001927577-00 , ISBN 4765900401
岡本隆司 著 , 岡本, 隆司, 1965-. 李鴻章 : 東アジアの近代. 岩波書店, 2011. (岩波新書 ; 新赤版1340)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023159911-00 , ISBN 9784004313403
李, 鴻章, 1823-1901. 李鴻章全集. 安徽教育出版社, 2008. (国家清史编纂委员会・文献丛刊)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-Ia1000053060-00
井上靖 [ほか]編. カンヴァス日本の名画 6. 中央公論社, 1979.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001423625-00
キーワード
(Keywords)
藤島武二
李鴻章
照会先
(Institution or person inquired for advice)
国立国会図書館
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物 言葉
質問者区分
(Category of questioner)
学生
登録番号
(Registration number)
1000168937解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
Twitter

このデータベースについて
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。詳細

活用法

刊行物・グッズ
新着データ
最近のアクセスランキング
レファ協PickUP!