レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/08/29
- 登録日時
- 2018/01/28 00:30
- 更新日時
- 2018/01/30 17:08
- 管理番号
- 所沢所分-2017-010
- 質問
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解決
『料理物語』1664年版に出てくる「すさい」「に色」がどんな料理なのか知りたい。
- 回答
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以下の資料に記述があります。
〇『日本国語大辞典』第11巻 日本大辞典刊行会/編 小学館 1976年
〇『図説江戸料理事典』松下幸子/著 柏書房 2009年
〇『料理物語』 平野雅章/訳 教育社 1988年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
△『料理物語・考』 江原恵/著 三一書房 1991年
p164~215に付録として『料理物語』(続群書類従・飲食部所収)の収録あり。
p171 「すさい」は『料理物語』第ニ磯草之部に「ほんだわら に物。 なます。 にあへ。 すさい。」と記述されている。
p197 「に色」は『料理物語』第十二煮物之部に「に色の仕様は だしたまりすをくはへ。何もよし。」と記述あり。
p137 「すさい(酢菜)」とあり。
〇『日本国語大辞典』第11巻 日本大辞典刊行会/編 小学館 1976年
p401「すさい【酢菜】」の項に「酢にひたした野菜。酢であえた蔬菜。※日葡辞書「Susai(スサイ)<訳>一般に大根と酢とで作るサラダ」と記述あり。
〇『図説江戸料理事典』松下幸子/著 柏書房 2009年
p208「すさい【酢菜】」の項に「料理書に酢菜の定義は見当たらないが、『日葡辞書』(一六〇三)には「大根と酢で作ったサラダ」とある。また『和漢精進新料理抄』(一六九七)の和料理に汁部、酢菜部、あえ物部などがあって(中略)植物性材料の酢漬に近い酢の物と考えられる。酢菜は古くからあり、室町初期といわれる『庭訓往来』には「茄子の酢菜」がある。」と記述あり。
p144「にいろ【煮色】」の項に「野菜類をだしと溜(たま)りに酢を加えた煮汁で煮たもののようであるが明確でない。『利休百会記』の天正十九年(一五九一)正月十三日の献立に「くしあわびにいろ」があるというから、古くは根菜類に限らなかったらしい。」と記述あり。
△『茶道古典全集 第6巻』千宗室/編纂代表 淡交社 1977年
p405~473『利休百會記』 p453 本文「にいろ くしああび かきノ汁「脚注」注②にいろ 未詳。ニ色か。」と記述あり。
△『新日本古典文学大系 52』佐竹昭広/[ほか]編集委員 岩波書店 1996年
p3~109『庭訓往来』 p94 本文に「茄子(なすび)、酢菜(すさい)」、脚注に「八 易林本に「酢菜 スサイ」。日葡補遺によると大根を酢であえたサラダ。」と記述あり。
2.埼玉県立図書館所蔵資料内容確認
〇『料理物語』 平野雅章/訳 教育社 1988年
p44 「2酢菜 西洋にはザウェルクラフト(キャベツの酢漬け)があるが、中国では昔から野菜原料のすしがあった。ここの酢菜は酢に浸した野菜、酢で和えた野菜のこと。『日葡辞書』に、「一般に大根と酢とで作るサラダ」とある。」と記述あり。
p149 「煮色の仕様 だし溜りに酢を加えれば何にでもよい。 1煮色 どんなものか不明」と記述あり。
3.記載のなかった資料
×『江戸流行料理通 上』栗山善四郎/原著 教育社 1989年
×『江戸流行料理通 下』栗山善四郎/原著 教育社 1989年
×『江戸の料理と食生活』原田信男/編 小学館 2004年
×『日本国語大辞典 第15巻』日本大辞典刊行会/編 小学館 1976年
×『江戸料理百選』福田浩/著 2001年社 1983年
×『再現江戸時代料理』松下幸子/編集 小学館 1993年
×『たべもの語源辞典』 清水桂一/編 東京堂出版 1980年
×『日本風俗史事典』 日本風俗史学会/編集 弘文堂 1994年
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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- 日本国語大辞典 第11巻 日本大辞典刊行会/編 小学館 1976 813.1 4-09-522011-2
- 図説江戸料理事典 松下幸子/著 柏書房 2009.9 383.81 978-4-7601-3662-9
- 料理物語 平野雅章/訳 教育社 1988.5 596.21 4-315-50682-6
- キーワード
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- 料理
- 歴史
- 文化
- 江戸
- 日本料理
- に色
- すさい
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000229261