レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/07/16
- 登録日時
- 2007/12/01 02:11
- 更新日時
- 2007/12/27 15:29
- 管理番号
- 埼熊-2007-048
- 質問
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解決
江戸時代の「関八州取締役」とはどういう身分の人か。
- 回答
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『関東取締出役』(関東取締出役研究会 岩田書院)p119に、「「関八州取締役(通称八州廻り)」とは、関東取締出役のこと、身分は〈手附〉〈手代〉である。文化2年(1805)6月、4名の代官の手附・手代から2名ずつ合計8名を任命するとしたのが始まり。」とある。
『角川日本史辞典 新版』(角川書店)に〈手附〉は「江戸時代の郡代・代官の属吏。(中略)身分は幕臣であるが、職務内容は手代と同じ。」、〈手代〉は「江戸時代の地方役人。郡代・代官・奉行のもとで地方支配にあたり、身分は幕臣に準じる。」とあり。
詳細については、上記資料とあわせて以下を紹介する。
『旧事諮問録』(東京帝国大学史談会 青蛙房)p249-290「八州取締・代官手代の話」では、実際に八州取締を務めた手代に明治24年に諮問した記録で、八州取締の職務が詳細かつ具体的に書かれている。
『江戸役人役職大事典』(新人物往来社)p114-117「関東取締出」の項
『八州廻りと代官』(今川徳三著 雄山閣)p177-187「関東取締出」の項
- 回答プロセス
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『国史大辞典 3』p897「関東取締出役」の項に、〈通称、八州廻り〉江戸幕府の職名で治安維持強化を目的に創設、関東代官の手付・手代の中から選任され勘定奉行直属下に編成、その警察権を行使したと記述がある。通称、八州廻り、身分は〈手附〉〈手代〉ということになり、『国史大辞典』等の歴史辞典や『広辞苑』等の国語辞典にも説明がある。
詳細については、自館目録や江戸役職関係の資料を探索して、回答の資料を紹介する。なお著者の佐藤雅美は、「旧事諮問録」を読んで小説「八州廻り桑山十兵衛」の想を得たと文庫版解説にあり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 行政 (317 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 参考資料
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- 『旧事諮問録』(青蛙房)
- 『関東取締出役』(岩田書院)
- 『江戸役人役職大事典』(新人物往来社)
- 『八州廻りと代官』(雄山閣)
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『角川日本史辞典 新版』(角川書店)
- キーワード
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- 江戸時代-官職(行政)
- 幕藩体制
- 関東取締出役
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 原作「八州廻り桑山十兵衛」(佐藤雅美)による同タイトルのテレビ番組関連の質問。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000039887