レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/04/11
- 登録日時
- 2016/11/25 00:30
- 更新日時
- 2016/12/27 14:06
- 管理番号
- 所沢新所-2016-008
- 質問
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解決
俳句で見た「三衣(さんえ)」という言葉の意味が分かる資料はあるか。
- 回答
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「三衣」という言葉の意味は、下記の資料に記載があります。
〇『世界大百科事典』 平凡社 2007年
〇『国史大辞典』5 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1985年
〇『岩波仏教辞典』 中村元/編集 岩波書店 2002年
〇『仏教四文字熟語辞典』上 須藤隆仙/著 新人物往来社 1998年
〇『袈裟のはなし』 久馬慧忠/著 法蔵館 2000年
〇『日本人の「仏教のしきたり」ものしり辞典』 ひろさちや/著 大和出版 2000年
- 回答プロセス
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1、所蔵資料の内容確認
①『世界大百科事典』『国史大辞典』を確認。
〇『世界大百科事典』 平凡社 2007年
p.421「さんえいっぱつ(三衣一鉢)」の項目に「仏教の出家修行者すなわち比丘(びく)が所有を許された三種類の衣と鉢のこと。(中略)三衣とは、一番下に身に着けるアンタルバーサ、その上に着るウッタラーサンガ、そして時にさらにその上に着るサンガーティのことで、これらはいずれも形や大きさ、色、縫製法、着用法などが定められていた。三衣を総称して、袈裟ともいうが、これはその色にちなんだ名称である。(後略)」と記載あり。
〇『国史大辞典』 5 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1985年
p.88「袈裟」の項目に「(前略)三衣を(一)安陀会(あんだえ)・(二)鬱多羅僧(うったらそう)・(三)僧伽梨(そうぎゃり)の三種とし、それぞれ区別して、(一)は内衣・下衣・道行衣・作務衣ともよばれて仕事着、(二)は上衣・入衆衣・院中衣・覆左肩衣ともよばれて日常着、(三)は大衣・重覆衣・説法衣・入王宮衣・高勝衣・九品衣などとよばれて晴着とされた。地質の布を裁断せずに、周囲に縁(へり)をめぐらしこう紐(こうちゅう)という懸け紐をつけたのを縵衣(まんえ)というが、普通に三衣は割裁衣(かっせつえ)とよんで裁断した布をはぎ合わせ、葉(よう)とよぶ重ね合わせの条列をそろえて仕立てるのを例とし、その縦の条数から安陀衣は五条衣、鬱多羅僧は七条衣、僧伽梨は、下品を九条衣・十一条衣・十三条衣、中品を十五条衣・十七条衣・十九条衣、上品を二十一条衣・二十三条衣・二十五条衣としている。(後略)」と記載あり。
②上記により、仏教に関する言葉と判明したので、関連資料を確認。
〇『岩波仏教辞典』 中村元/編集 岩波書店 2002年
p.396-397「三衣(さんね)」の項目に「<さんえ>とも読む。出家の比丘が個人所有を許されていた3種の衣。1)僧伽梨(そうぎやり)は説法・托鉢・村落に赴く際に着用したことから、説法衣・乞食衣(こつじきえ)・入聚落衣(にゅうじゅらくえ)とも呼ばれる。2)鬱多羅僧(うったらそう)は上着。3)安陀衣(あんだえ)は、最も下に着ける下着を指した。(後略)」と記載あり。
〇『仏教四文字熟語辞典』上 須藤隆仙/著 新人物往来社 1998年
p.145「三衣一鉢(さんえいっぱち)」の項目に「三衣(サンネとも)は、九条・七条・五条の袈裟、鉢は修行僧の食器(応量器)をいい、僧の持ち物中、最も重要なもの。インドの出家修行僧には、これだけが持つことを許された。(後略)」と記載あり。
〇『袈裟のはなし』 久馬慧忠/著 法蔵館 2000年
p.32に「三衣(さんね) 五条衣・七条衣・大衣の三種類の袈裟」と記載あり。
〇『日本人の「仏教のしきたり」ものしり辞典』 ひろさちや/著 大和出版 2000年
p.188~189「袈裟」の項目に、「(前略)三衣とは、大衣(たいえ 二十五条袈裟または九条袈裟)、上衣(七条袈裟)、中衣(五条袈裟)をさす。横に組まれた布の条数が多いほどフォーマルなものとされた。(後略)」 と記載あり。
2、確認をしたが記載のなかった資料は以下の通り。
×『仏教語入門』 橋本芳契/著 法蔵館 1983年
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180 9版)
- 寺院.僧職 (185 9版)
- 仏会 (186 9版)
- 参考資料
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- 世界大百科事典 11 平凡社 2007.9 031
- 国史大辞典 5 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1985.2 210.033 4-642-00505-6
- 仏教四文字熟語辞典 上 須藤隆仙/著 新人物往来社 1998.2 180.33 4-404-02571-8
- 岩波仏教辞典 中村元/編集 岩波書店 2002.10 180.33 4-00-080205-4
- 袈裟のはなし 久馬慧忠/著 法蔵館 2000.11 185.7 4-8318-6410-2
- 日本人の「仏教のしきたり」ものしり辞典 ひろさちや/著 大和出版 2000.12 186 4-8047-5572-1
- キーワード
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- 三衣
- 袈裟
- 仏教
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000200362