レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年11月09日
- 登録日時
- 2011/01/12 15:16
- 更新日時
- 2011/01/13 09:22
- 管理番号
- 9000006916
- 質問
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解決
京都の二条城・黒の間にある「桜下雉子図(おうかきじず)」のカラー図版があるか。作者は、狩野探幽か狩野尚信だと思う。
- 回答
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二条城二の丸御殿黒書院二の間(下段の間)にある「桜下雉子図」は狩野探幽の弟・尚信(なおのぶ 1607-1650)の作とされている。所蔵資料では全面のカラー図版は見あたらなかったが、『日本美術全集』第18巻 近世武将の美術(学研 1979年)などに、襖4面のうちの左側2面のカラー図版と、全面の白黒図版がある。
- 回答プロセス
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1.インターネットの検索エンジンで「桜下雉子図 二条城」を検索すると、京都市右京区にある半導体メーカー・ローム株式会社のwebサイトの「ローム彩時記:CLOSE UP二条城」(http://www.rohm.co.jp/rohm-saijiki/nijoujou/4_coseup/closeup_01.html ※2010.11.09確認)がヒット。二の丸御殿は国宝に指定され、黒書院二の間の「桜下雉子図」についても記述があり、カラー写真が掲載されている。
2.美術全集の図版索引を調査するが、次のものには当該の掲載はなかった。
・『日本美術作品レファレンス事典』絵画篇 近世以前(日外アソシエーツ編集・発行 1998年)
・『日本美術作品レファレンス事典』第2期絵画篇 近世以前・浮世絵・近現代(日外アソシエーツ編集・発行 2006年)
・『美術作品レファレンス事典』国宝・重文篇1 絵画・工芸・陶芸・書跡(日外アソシエーツ編集・発行 2009年)
3.国宝関係の資料にあたると、次のものに掲載があった。
・『国宝・重要文化財大全』第2巻 絵画(文化庁監修 毎日新聞社 1999年)p286に、全面の白黒図版の掲載がある。
・『国宝と歴史の旅』第9巻 客殿と障壁画(朝日新聞社 2000年)p12に、襖4面のうちの左側2面の小さいカラー写真「垣に桜」がある。狩野尚信の作と解説。
・『朝日百科日本の国宝』第7巻 近畿(朝日新聞社 1999年)p47に、襖4面のうちの左側2面のカラー写真「桜図」がある。
※次のものには掲載がなかった
・『国宝・重要文化財大全』第1巻 絵画(毎日新聞社 1997年)
4.二条城の関係図書にあたると、次のものに掲載があった。
・『日本美術全集』第18巻 近世武将の美術(学研 1979年)のカラー図版32に、襖4面のうちの左側2面がある。p160-161には白黒の全面の写真がある。
※次のものには掲載がなかった
・『名宝日本の美術』第「15巻 姫路城と二条城(小学館 1981年)
・『NHK国宝への旅』第16巻 「京都」二条城ほか(NHK取材班著 日本放送出版協会 1989年)
5.狩野派の関係図書を見るが、次のものには掲載がなかった。
・『狩野派研究資料目録:「狩野派の三百年」展図録別冊』(東京都江戸東京博物館編集・発行 1999年)
・『狩野派:四〇〇年の栄華』(栃木県立博物館編集・発行 2009年)
・『狩野派障屛画の研究:和様化をめぐって』(武田恒夫著 吉川弘文館 2002年)
・『もっと知りたい狩野派:探幽と江戸狩野派(アート・ビギナーズ・コレクション)』(安村敏信著 東京美術 2006年)
・「別冊太陽」日本のこころ131 狩野派決定版(平凡社 2004年)
6.障壁画、障屏画の関係図書を見るが、次のものには掲載がなかった。
・『原色日本の美術』第13巻 障屛画(小学館 1978年)
・『京都の江戸時代障壁画』(京都府文化財保護基金 1978年)
・『京都の障壁画』(京都市観光課編・発行 1941年)
・『京都発見』第5巻 法然と障壁画(梅原猛著 新潮社 2003年)
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 『日本美術全集』第18巻 近世武将の美術(学研 1979年) (図版32,p160-161)
- 『朝日百科日本の国宝』第7巻 近畿(朝日新聞社 1999年) (p47)
- 『国宝と歴史の旅』第9巻 客殿と障壁画(朝日新聞社 2000年) (p12)
- 『国宝・重要文化財大全』第2巻 絵画(文化庁監修 毎日新聞社 1999年) (p286)
- キーワード
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- 桜下雉子図
- 二条城
- 黒書院
- 狩野尚信
- 狩野派
- 障屏画
- 花鳥画
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 彫刻・絵画・版画
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000076408