レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/05/15
- 登録日時
- 2015/05/31 00:30
- 更新日時
- 2015/06/17 10:09
- 管理番号
- 6000022021
- 質問
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解決
店頭で販売されている牛乳に、成分無調整と書かれたものが減っているような気がするが、なぜか。
- 回答
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店頭販売の牛乳から「成分無調整」表示のものが減っていることについて、下記の新聞記事などを紹介した。
『日経MJ』2010年1月25日掲載記事「牛乳の需要、二極化鮮明」にて、成分無調整牛乳の生産減少傾向とともに、成分調整牛乳は「割安感と消費者の健康志向から人気」と報じている。
また同紙2014年11月24日掲載の記事「牛乳類、バイヤー調査」では、仕入れ基準についての調査結果も報告されており、判断基準として得点の高かった項目は上位から、味・利益率・取引条件(仕入れ価格など)・ブランド力・リピート購入率・商品コンセプト・商品供給体制・テレビCMなどの広告宣伝・商品価値と価格のバランス・パッケージデザイン容器、とのこと。仕入れ側の見方として「無調整牛乳の安売りなどが見受けられるが、安全・安心な商品が主流」というコメントが紹介され、「栄養分・製法」が判断基準の上位10位に入らなかった旨特記されている。
(ただしこれらと「成分無調整」表示との因果関係は不明。)
あわせて平成14年(2002年)「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」の改正を受けて、種類別牛乳が「成分無調整」を指すことになったこととその後の消費者認知のひろがり。『牛乳読本』(日本放送出版協会)、『読売新聞』2001年5月31日夕刊記事「もの知り百科」や日本乳業協会のサイトでも指摘されている、生乳の成分が乳牛の品種、個体、飼料、地域、季節、泌乳期によって変動すること(加工による年間を通しての一定品質の保持)。『判例タイムズ』954号(1998年)「還元乳などを生乳に混入した加工乳を「成分無調整」「種類別牛乳」と印刷された紙パックに充填、販売した行為につき、不正競争防止法違反、食品衛生法違反の刑事責任が問われ、不正競争防止法の法人重課規定により多額の罰金刑が科された事例」解説にあるような事案。それら「成分無調整」表示に関わりそうな事柄も紹介して、乳業メーカーや業界団体の問合わせ窓口を案内した。
- 回答プロセス
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「成分無調整」表示が減っているのか事実確認のため、当館で契約する商用データベースで新聞記事の検索をした。パッケージから表記が減ったと指摘する記事は探せなかったが、消費者ニーズに応じて無調整牛乳の生産や仕入れに影響が出ている旨の記事があったので紹介した。
さらに、社会的にマイナスイメージとなる事件など、他の要因について調査し、結果を伝えた。事業者等への問合わせも勧めた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 畜産製造.畜産物 (648 9版)
- 畜産経済.行政.経営 (641 9版)
- 参考資料
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- 『牛乳読本』土屋 文安/著(日本放送出版協会) (p174)
- 『食材偽装』森田 満樹/編著(ぎょうせい)
- 『ミルクの事典』上野川 修一/編集(朝倉書店)
- キーワード
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- 成分無調整
- 牛乳
- 生乳
- 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令
- 食品表示
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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Jミルクhttp://www.j-milk.jp/tool/kiso/9fgd1p000000yqeo.html
日本乳業協会http://www.nyukyou.jp/cgi/dairy/index.cgi?rm=result_bk&bk_id=256
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000175252