レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年10月02日
- 登録日時
- 2015/12/17 11:08
- 更新日時
- 2017/08/04 13:57
- 管理番号
- 相大-H27-046
- 質問
-
解決
「十王経」が読みたい。特に考察ではなく経そのものを希望する。
- 回答
-
国立国会図書館デジタル化資料の中から下記を提供した。
『佛説地蔵菩薩發心因縁十王經 1巻』
『民間信仰の話』
- 回答プロセス
-
1 十王経について知るため、事典類を確認する。
『総合佛教大辞典 上あ~し』 総合佛教大辞典編集委員会/編 法蔵館 1987 【s06761084 R180.3】
p620「十王経(じゅうおうきょう)」の項目あり。
『日本大百科全書 11 して~しょうし』 小学館 1989 【s06461131 R031】
p441「十王」の項目あり。
『フリー百科事典ウィキペディア』に「十王」のページあり。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E7%8E%8B(2016.1.29最終確認)
以上より、中国民間信仰と仏教信仰が混合して成立した偽経で諸本あり。詳しい言い方は、中国で流布した「仏説閻羅王授記四衆逆修生七往生浄土経」である。日本の平安末期に浸透し、日本では「仏説地蔵菩薩発心因縁十王経」が作られた。日本で単に十王経とはこの経を指すということがわかる。
2 自館OPACで、“十王経”“十王”“ジュウオウキョウ”“ジュウオウギョウ”で検索、ヒットせず。
3 神奈川県立図書館OPACで“十王経”で検索、考察であるが関係のある資料2冊あり。
自館OPACで検索しなおすと、所蔵あり。
『道教の経典を読む』 増尾伸一郎/編 丸山宏/編 大修館書店 2001 【s20188405 166.3】
p201-212「十王経」の項目があり、十王経の内容についての記載あり。
『死後の裁きがあなたを待っている』 西村登美子/著 現代書林 1991 【s09763558 147】
十王経に触れているが、ご希望内容とは違うようである。
4 上記『フリー百科事典ウィキペディア』の「十王」の記述内に、「~『往生要集』に、その詳細が記されている。」とあるため、内容を確認する。
『往生要集』 中村元/著 岩波書店 1996 【s13556840 Y188】
十王経自体の記載なし。
5 国立国会図書館サーチで“十王経”で検索、デジタルコレクションが27件ヒットする。
デジタルコレクションの中で“十王経”で検索、検索一覧の中から下記を見ていただく。
『佛説地蔵菩薩發心因縁十王經 1巻』 (唐) 釋藏川/撰[他] [江戸前期] 書誌ID 000009088468
経自体の記載あり。
『民間信仰の話』 広瀬南雄/述 長崎法剣/編 法蔵館 1926 書誌ID 000000540943
第五節「「十王經」とはどんな経典か」、第六節「「十王經」の出来た時代」の項目あり。
考察であるが、参考になるということで希望された。
6 国立国会図書館OPACでヒットした資料の情報を確認する。
『大日本続蔵経:靖国紀念』 前田慧雲/編 蔵経書院 明治38-大正1 書誌ID 000000462580
マイクロフィッシュ資料に、中国で流布した「仏説預修十王生七経」が収録されている。
7 神奈川県立図書館OPACで“大日本続蔵経”を検索、県立図書館に禁帯出で所蔵あり。
『新纂大日本続蔵経 第89巻』 国書刊行会 1989
『新纂大日本続蔵経 第90巻』 国書刊行会 1989
8 レファレンス協同データベースで“十王経”で検索、類似事例あり。https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000035163(2016.1.29最終確認)
中国の十王経については資料の情報のみで良いということで、5~7をお伝えした。
注:【 】は自館の資料コードと請求番号
- 事前調査事項
-
仏教関係の本で、「十王経」についての記載があったため読みたい。
- NDC
-
- 仏教 (180 9版)
- 経典 (183 9版)
- 参考資料
-
- 『佛説地蔵菩薩發心因縁十王經 1巻』(唐) 釋藏川/撰[他] [江戸前期] 国立国会図書館デジタル化資料
- 『民間信仰の話』 広瀬南雄/述 長崎法剣/編 法蔵館 1926
- キーワード
-
- 十王経
- 十王
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000185859