レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年10月10日
- 登録日時
- 2014/01/16 11:10
- 更新日時
- 2014/01/16 11:10
- 管理番号
- 9000009934
- 質問
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解決
江戸時代、甲府で活躍した辻孔夷という詩人について詳しく知りたい。
- 回答
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辻孔夷(つじ・こうい)は、18世紀半ばに甲府で活躍した文人。
本名:三枝宗十郎。
別名・号:辻子福、孔夷、奥村孔夷、三枝孔夷、白嶺山人。
甲府の三日町の富商、二文字屋(三枝氏)に生まれ、八日町の麻屋(奥村氏)の養子に入る。
五味釜川(1718-1754)の門人で、加賀美光章(1711-1782)の門下に入る。
能書家として知られ、書画や奇書を蒐集し、熱心な読書家だった。
当館所蔵のマイクロフィルムで書蹟2点を閲覧することができる。
- 回答プロセス
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1. 『山梨百科事典』(山梨日日新聞社編・発行 1989年)や人名事典類には記載なし。
2. 『甲府市史』を調査。
(1)『甲府市史』通史編第2巻 近世(甲府市市史編さん委員会編集 甲府市 1992年)』p769
・加賀美光章の門弟として辻孔夷の名前あり。
(2)『甲府市史』別編3 甲府の歴史(甲府市市史編さん委員会編集 甲府市 1993年)p259に次の記述があった。
・三日町の富裕商人
・五味釜川の塾に学んだ後、加賀美光章につく
・能書をもって世に聞こえた
3. 地名事典で三日町について調査。
『日本歴史地名大系』19山梨県の地名(平凡社 1995年)p328(三日町の項)に、三日町に住んでいた人物として、辻孔夷について次の記載があった。
・文人として著名
・三日町の富商二文字屋(三枝氏)の生まれ
・のちに八日町の麻屋(奥村氏)の養子となる
・加賀美光章に学ぶ
4. 五味釜川、加賀美光章についての資料を調査。
(1)『加賀美櫻塢より山県大弐へ』(糸賀国次郎著 成美堂書店 1936年)p122-126
・五味釜川の門下として辻子福の名で記載あり。
・別名:孔夷、奥村孔夷、三枝孔夷。
・号:白嶺山人
・甲府八日町の商人
・能書をもって世に称せられた
・家が裕福で、書画や奇書等を蒐め、孜々として読書に専念した。
(2)『加賀美桜塢を論じ山県柳荘に及ぶ』(糸賀国次郎著・発行 1935年)p2
・加賀美光章の門弟として名前あり。
5. 当時の文人たちの作品を集めた「風流人海」(『山梨県史』資料編13-[1]近世 (山梨県編集 山梨日日新聞社 2004年)p823に収録)を調査。
・号:「枝孔夷」の作品あり。住所と本名には、「甲府 三枝宗十郎」とある。
6. 当館OPACで確認。
・以前に所蔵していた古文書類の中に4点、辻孔夷の作品があった。現在は山梨県立博物館に移管。
・うち2点はマイクロフィルム化されて当館でも所蔵あり。閲覧可。
- 事前調査事項
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『山梨県史 概説編:山梨県のあゆみ』(山梨県編集 山梨日日新聞社 2008年)p237に五味釜川の門下として名前が挙げられている。
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 日本文学 (910 9版)
- 参考資料
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- 『甲府市史』別編3 甲府の歴史(甲府市市史編さん委員会編集 甲府市 1993年) (p259)
- 『甲府市史』通史編第2巻 近世(甲府市市史編さん委員会編集 甲府市 1992年)』 (p769)
- 『日本歴史地名大系』19山梨県の地名(平凡社 1995年) (p328)
- 『加賀美櫻塢より山県大弐へ』(糸賀国次郎著 成美堂書店 1936年) (p122-126)
- 『加賀美桜塢を論じ山県柳荘に及ぶ』(糸賀国次郎著・発行 1935年) (p2)
- 『山梨県史』資料編13-[1]近世 (山梨県編集 山梨日日新聞社 2004年) (p823「風流人海」)
- キーワード
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- 辻子福
- 江戸時代
- 山梨県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物-近世 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000143581