レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2001/02/28
- 登録日時
- 2005/12/13 02:10
- 更新日時
- 2023/04/30 17:04
- 管理番号
- 新県図-00012
- 質問
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解決
北日本、東日本、西日本、南日本という表現がありますが、それぞれに属する都府県はどこで、最初に決めたのは誰なのでしょうか。
- 回答
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東日本、西日本は属する都府県をある程度特定できるのですが、北日本、南日本は一般名詞的に使われている場合が多いようです。都府県が特定されている場合でも、時代、対象となる分野(文化、自然、地質、気象、言語…)、使用者などによって異なった特定のしかたになっており、さらに中央日本、東北日本、西南日本という表現が使われることもあります。誰が最初に決めたかについても判然とはいたしません。
以下に当館所蔵の地名・地理学事典等での定義と、参考となりそうな関連資料をご紹介いたしますので、直接資料をご覧になるか、複写サ-ビスでご利用ください。
1.地名・地理学事典等での定義
(1)『日本地名大百科』(小学館 1996 当館請求記号:R291-N71)
p893「西日本 日本の西部。東日本に対する呼称。両者の境界はかならずしも明確ではないが、通常は近畿、中国、四国、九州の4つの地方を西日本とよび、関東以東を東日本とよぶ場合が多い。(この場合は中部地方はどちらにも含まれない。)西南日本と呼ばれることもある。地体構造の上では、フォッサ・マグナより西側をさす。方言・衣食住の習慣その他の文化面では、富山県、岐阜県、静岡県以西が西日本とされる。→東日本」
p959「東日本(省略)」
(2)『日本地図地名事典』(三省堂 1991 R291-Sa66)
p930「西日本 日本西半分の称。…1 近畿・中国・四国・九州の総称。近畿地方を中央日本に含める場合は、中国・四国・九州の総称。2 地体構造・地質・地形上からはフォッサマグナ以西の地。本州西南弧に一致し、西南日本と同じ。3 各種文化面からは、富山・岐阜・愛知3県以西の地。方言学上の西部方言の地、親不知~浜名湖以西をさす。東日本に対する。」
p1008「東日本(省略)」
(3)『コンサイス日本地名事典』(三省堂 1998 R291-Sa66)
p385「北日本 東北・北海道の総称。東北日本・東日本の一部。地体構造・地質・地形上ではしばしば東北日本・東日本と同義。狭義には北海道をさす。北国は北陸と同義で、北日本と部分的に重なる。」
p908「西日本(省略 (2)と同一)」
p993「東日本(省略 (2)と同一)」
p1145「南日本(省略)」
(4)『地理学辞典』(日本地誌研究所編 二宮書店 1973 R450-C47)
p154~155「北日本 北日本は元来東北日本もしくは東日本の一部を意味するが、地体構造や地質・地形のうえでは東北日本・東日本と同義に使うことがある。日本列島は関東地方で方向を変えて南北方向となるので、この部分を北日本と北日本と表現するが、その範囲は北海道東北地方で、関東地方は通常含まれない。また、しばしば北陸地方を中心とする日本海側、裏日本の北部を北日本と呼ぶことがあるが、これは、中世以降北陸を北国(ほっこく)とも称したことからくる関連性もあろう。これに対する南日本という呼称は特にないが、南九州を中心とする、九州から南西諸島一体を漠然と南日本ということがある。日本海側を意味する北日本も、九州以南の南北方向の部分、すなわち琉球弧を意味する南日本も、地域名としてはあまり使われず、企業名や観光面で使われる傾向が強い。また、北日本は時には北海道とほぼ同義に使われることもある。→東北日本」
p383~384「西南日本(省略)」
p491「中央日本(省略)」
p546~547「東北日本(省略)」
p582「西日本 日本を大きく2分するとき、東日本に対する日本の西半分の称。その境界線は一定したものではなく、観点により違う。…およそ富山・岐阜・愛知県以西を西日本と考えることも多い。…」
p620「東日本(省略)」
(5)『広辞苑 第5版』(新村出編 岩波書店 1988 R813-Sh62)
p1476「西南日本(省略)」
p1893「東北日本(省略)」
p2027「西日本 日本の西半分。広くは中部地方を含めそれそれ以西。通常は近畿以西。狭くは中国・四国・九州三地方の総称。」
p2223「東日本(省略)」
(6)『日本の海岸・島 東日本編』(中山正民ほか編 そしえて 1983 書庫291-C49-1)
p9「日本が、大きく東北日本と西南日本に分かれることは、古くから地学上の知識としていいふるされた事であるが、最近では地理学・歴史学・民俗学などの分野からもいろいろ対比が行われ、それぞれが異なる文化圏であることがわかってきた。…」
2.関連資料
(1)『東日本と西日本』(大野晋ほか著 日本エディタ-スク-ル 1981 書庫210-H55)
言語、考古、民俗、建築、文学など各分野の専門家による論集。参考文献を豊富に紹介。
(2)『日本の地域と生活文化』(別枝篤彦著 帝国書院 291-B39)
「日本の地域区分の歴史」で地域区分の変遷を歴史的に論述。
(3)『世界地理 16 日本1』(渡辺光編 朝倉書店 1973 書庫290.8-Se22-16)
地域区分の変遷と主に地学的な視点からの区分を述べる。図が豊富。
(4)『日本地誌 第1巻 日本総論』(日本地誌研究所 二宮書店 1980 291-N77-1)
主に地学的な見地からの区分を示す。
(5)『日本地理新大系 第1巻 自然』(渡辺光編 河出書房 1953 書庫291-N77-1)
「日本の自然地域区分」で自然地域と文化地域を比較。
(6)『日本地理新大系 第5巻 地誌』(渡辺光編 河出書房 1953 書庫291-N77-5)
「領域の推移と地域区分の変遷」で時代順に論述。
(7)『日本文化の風土』(安田喜憲著 朝倉書店 1992 291-Y62)
「地域区分の限界」で地理学における地域区分の限界性を述べる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 地理.地誌.紀行 (290 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 北日本・東日本の表現
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 簡易な事実調査
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000025713