レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/7/17
- 登録日時
- 2016/11/02 00:30
- 更新日時
- 2016/11/02 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-160048
- 質問
-
解決
「碑」の意味を知りたい。手元にある辞典だけでなく『字統』『字訓』『字通』『字源』等様々な辞書にはどのように書かれているのかを知りたい。
- 回答
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以下の資料に記載がありました。
資料1 白川静『字統』平凡社, 2004【821.2/04Z/R】
p.742「碑」の項
「(前略)石碑をいう。古くは宮廟の傍らに石碑を立てて、日景をはかって時を識り、また犠牲をつなぐのに用いたという。墓壙に棺を下ろすとき、石碑を立ててその上部に穿(丸い穴)をあけ、そこからつるべ式に紐で棺を下ろしたが、その碑にのち名姓をしるし、経歴や功績をしるすようになって、碑文となる。それで古い碑文には、その穿のなごりを残しているものが多い。碑銘はその伝記資料としてのみならず、歴代書法の重要な遺品とされ、碑学は帖学とともに、書法研究の重要な領域をなしている。いま西安碑林には、多くの古碑が蒐集保存されている。」
資料2 白川静『字通』平凡社, 1996【813.2/96X/R】
p.1319「碑」の項
「(前略)石碑をいう。古くは宮廟の旁らに立てて、日景をはかり、犠牲をつなぐのに用いたという。墓壙に棺を下ろすとき、石を立てて、上部に穿(まるい穴)をうがち、そこから紐で棺を下ろしたが、のちその石に故人の名姓・行実をしるして、碑碣となった。古い碑にはなお穿の形式を残している。碑文はのち伝記資料となり、その字は碑学として、帖学とならび書の重要な源流となった。(1)たていし。(2)たてぎ、棺を下ろすときのたてぎ。(3)いしぶみ、碑銘。」
資料3 簡野道明『字源』角川書店, 1979【813.2/カ4-2/R】
p.1350「碑」の項
「○たていし(豎石)古、宗廟に立てて牲を繋ぎし柱状の石。(中略)後人、其の上に功徳を記せしによりていしぶみの起原となる。○古、棺を穴に下す時、其の縄をしばりつけたる石。○いしぶみ(後略)」
資料4 尾崎雄二郎ほか 編『角川大字源』角川書店, 1992【813.2/カ10】
p.1262「碑」の項
「(1)たていし。(ア)日影によって時間を測るための石柱。(イ)宗廟に立てていけにえをつなぐ石柱。(ウ)貴人の棺を墓につり下ろす綱をつけるための木、または、石の柱。(2)いしぶみ。故人の事跡をたてて、後世に伝えるための文章を彫りつけた石。また、その文。頂の丸いものを碣というのに対し,碑は四角なもの。(後略)」
資料5 藤堂明保『漢字語源辞典』学灯社, 1979【822/ト1-2/イ】
pp.516-517「碑」の項
「<釈名,釈典芸>に「碑は被なり。もとは本葬の時,設くる所なり。鹿轤をつけ,縄をその上に被け,引いてもって棺を下すなり」とあるのが正しい。もと地中に棺をおろす時,縄をずらせてツルベ式におろした。その縄をすべらせた平らな石である。のち立てて先人の名や功を記すようになった。壁(平らなカベ)と同系のコトバ。」
資料6 国史大辞典編集委員会『国史大辞典 8』吉川弘文館, 1987【210.03/コ4/8R】
pp.312-313「石碑」の項
「金石文の一つ。地誌、偉人の事蹟顕彰、記録、縁起、文学(詩歌)を石に刻んだものを古代では主流とする。(後略)」
なお,以下の資料も調査しましたが記載はありませんでした。
資料8 白川静『字訓』平凡社, 1987【813.1/シ9/R】
資料9 白川静『字訓』平凡社, 1995【813.1/952/R】
資料10 川勝政太郎『日本石造美術辞典』東京堂出版, 1978【714/カ1-2/R】
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 碑
- 字訓
- 字通
- 字源
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000199073