レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/10/09
- 登録日時
- 2007/05/25 02:10
- 更新日時
- 2007/10/02 11:17
- 管理番号
- 埼浦-2006-257
- 質問
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解決
松廻舎文庫(マツネヤブンコ)について知りたい。わかっていることは、安田善之助(安田善次郎の息子)が関わっていたこと。関東大震災で死亡したこと。古典籍を所蔵していたらしい。「世阿弥十六部集」はここにあったものがもとになっていること。
- 回答
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質問の文庫は「松廼舎文庫(マツノヤブンコ)」。情報の得られたものとして次の資料を紹介する。
①『木村仙秀集 3』「松廼舎文庫の蔵書」に蔵書についての解説もあり。
②『反町茂雄収集古書蒐品展覧会・貴重書目録集成 1』p329-380「松廼舎文庫蔵書展観目録」「刊本」「写本」ごとに分類順になっている目録の影印。書名と刊年、巻冊数がわかる。表紙に「大正8年4月」とある。
③「蔵書印の世界」電子展示会(http://www.ndl.go.jp/zoshoin/zousyo/04_yasuda.html 国立国会図書館 2006/10/15最終確認)「安田善次郎(二代目)」のページに松廼舎文庫についての解説あり。
④『古活字版之研究』 安田文庫(松廼舎文庫の後身)の蔵書が紹介されている。
- 回答プロセス
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『国史大辞典 15 索引 事項』〈マツネヤ〉で該当なし。
『日本古典文学大辞典』索引より第2巻p573「苔清水」の項に作者「神山魚貫」の号が「松廻舎」であることがわかるが、明治15年没ということなので関連性は薄いと思われる。
『大百科事典』(平凡社)『日本大百科全書』『大正ニュース事典』『昭和ニュース事典』を〈松廻舎〉〈安田善之助〉をキーワードに調査するが手がかりなし。
『個人文庫事典』(北海道、東北、関東)を調査するが、現存する文庫のみで手がかりなし。
『日本近現代史事典』『日本史大事典』にも手がかりなし。
《Google》を〈安田善之助 & 二代目〉で検索したところ、③のホームページがヒットする。
表記は「松廼舎文庫」であること。後期は「安田文庫」と称したこと、安田善之助は幼名で安田善次郎(二代目)とわかる。
③で①②⑤及び「増補 古活字版の研究」を紹介していたので、調査する。本書未所蔵なので旧版の④を調査したところ、安田文庫の蔵書が紹介されていた。
情報源の「世阿弥集」は、『日本の思想 8』であった。「風姿花伝」の解説に「松廼舎文庫」の語は見られるが、松廼舎文庫本は第6篇「花修」を欠いていたという記述にとどまる。
間に合わなかったが次の資料にも情報あり。『江戸のマスコミかわら版』p6-9「はじめに」の中で安田文庫と安田善次郎(二代目)の記述あり。
- 事前調査事項
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情報源:『日本古典文学大系』(岩波書店)の「世阿弥集」風姿花伝等の解説
- NDC
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- 専門図書館 (018 9版)
- 蔵書目録.総合目録 (029 9版)
- 参考資料
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- 『木村仙秀集 3』
- 『反町茂雄収集古書蒐品展覧会・貴重書目録集成 1』
- 『江戸のマスコミかわら版』
- キーワード
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- 松廼舎文庫(マツノヤブンコ)
- 安田 善次郎(ヤスダ ゼンジロウ)
- 安田文庫
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000035083