レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年7月5日
- 登録日時
- 2017/07/11 11:27
- 更新日時
- 2017/07/12 18:02
- 管理番号
- 県立長野-17-047
- 質問
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解決
真田信之の室であった清音院の菩提寺について調べている。現在、上田市にある常福寺、芳泉寺、全正庵の歴史について記載のある資料はあるか。
- 回答
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『上田市史 下巻』のp.1112-1122に芳泉寺についての記載がある。この記事には常福寺と全称庵、また、現在の芳泉寺との関係がわかる内容となっている。常福寺と関係のあるものとして、「全称庵」があった。しかし、この資料中には清音院についての記載はない。
また、常福寺、芳泉寺について記載のある資料中には、清音院の墓所、菩提寺についての記載は確認できなかった。なお、「全正庵」という名称では該当する寺院は不明。おそらく「全正庵」は「全称庵」のことと思われる。
なお、『新編信濃史料叢書 第15巻』p.114に所収されている「信綱寺殿御事蹟稿」で、「高野山蓮華定院過去帳」からの引用として、
清音院殿徳誉円寿大姉
奉為真田伊豆守殿御簾中
元和五年九月廿五日御逝去
取次
日置五右衛門
桑那少兵衛
が、あった。しかし、他の資料中に清音院の菩提寺が高野山蓮華定院という記述は見当たらない。
- 回答プロセス
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1 上田市にある寺院ということから、『上田・小県文化大事典』黒板周平ほか監修 信濃路出版 1986【N221/109】で調べると、常福寺と芳泉寺について記述があり両寺の概略がわかる。芳泉寺は真田信之の正室である大蓮院(小松姫)の墓があることがわかる。しかし、清音院についての記載ない。
2 『探訪・信州の古寺 2』宮林昭彦ほか執筆 郷土出版社 1996【N180/72/2】には、芳泉寺の概略、大蓮院(小松姫)の墓についての記述,千石氏と墓の写真についての記載はあるが、清音院についての記載はない。
3 郷土の寺院の棚では全正庵についての記載は確認できなかった。市町村史を調べていく。
4 『長野県町村誌 東信篇 復刻版』長野県編 名著出版 1973 【N290/33a/2】にも、芳泉寺と常福寺の記載はあったが、清音院についての記載は確認できない。
5 『上田市史 下巻』p.1112-1122に芳泉寺について書かれており、常福寺と全称庵、また、現在の芳泉寺との関係がわかる内容となっている。
6 真田信之に関する資料中に清音院についての記述を探す。『真田信之』 黒田基樹 KADOKAWA 2016【N289/サナダ】p.21-24に清音院についての記述があり、『新編信濃史料叢書 第15巻』p.114に所収されている「信綱寺殿御事蹟稿」で、「高野山蓮華定院過去帳」からの引用として、清音院が元和5年9月25日に逝去したことをあげている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 8版)
- 系譜.家史.皇室 (288 8版)
- 中部地方 (215 8版)
- 参考資料
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上田市 , 上田市 編. 上田市史 下. 信濃毎日新聞社, 1974.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002597293-00 (【N221/26/2】p.1112-1122) -
長野県 , 長野県 編. 長野県町村誌 第2巻. 名著出版, 1973.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002588444-00 (【N290/33a/2】 p.1704, p.1949) -
信濃史料刊行会. 新編信濃史料叢書 第15巻 (真田家御事蹟稿). 信濃史料刊行会, 1977.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002648839-00 (【N208/43/15】p.114)
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上田市 , 上田市 編. 上田市史 下. 信濃毎日新聞社, 1974.
- キーワード
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- 常福寺(上田市)
- 芳泉寺(上田市)
- 全称庵(上田市)
- 清音院
- 真田信之
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000218584