レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年02月04日
- 登録日時
- 2010/01/31 10:33
- 更新日時
- 2016/02/26 19:58
- 管理番号
- 広県図20090108
- 質問
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江戸時代に大名が飼っていた鶴について,この鶴は下賜のものか,大名が自発的に飼っていたものかを知りたい。
- 回答
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参考資料(1)と(4)では,「将軍家が鶴を捕獲して朝廷に献上し,残りを大名に下賜した」との記述がある。
参考資料(2)と(3)では,大名も鶴を捕獲し,将軍家へ献上したとの記述がある。
参考資料(4)の該当の記述の出典として記載のある『江戸のバードウォッチング』は当館未所蔵だが,県内に数館所蔵館がある。
(追記:2016年2月26日)
次の情報提供があったので,追記する。
『徳川制度史料』初編の「柳営行事上」「七 献上拝領」「被下物」の項以下に、将軍御鷹の鶴や巣鷹・雁・雲雀などを拝領した御三家、大名などが記されている。
『徳川制度史料』初編(柳営行事)(小野清著,小野清,1927)は,当館に所蔵がないが,国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1453293(224-225コマ)
なお,次の資料にも「柳営行事」が収録されており,本文は書き下し文となっている。
『史料徳川幕府の制度』(小野清著,高柳金芳校注,新人物往来社,1968)
p.258-270に「柳営行事 上」の「七 献上拝領」が掲載されている。
この資料は,国立国会図書館デジタルコレクションの図書館送信参加館内公開である。(平成28年2月26日確認)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 鳥類 (488 9版)
- 参考資料
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- 1『鳥の博物誌:伝承と文化の世界に舞う』国松俊英/著 河出書房新社 2001 (p47~55 「江戸時代のツル」 p47 瑞鳥とされたツルをこれ以上ないというほど特別扱いしたのが,江戸時代の徳川家だった。(略)捕らえたツルを朝廷に献じ,また御三家や大名にも下賜した。 p50 ツルの捕獲は将軍と徳川御三家などの家門以外は厳しく禁じられていた。)
- 2『宇宙からツルを追う:ツルの渡りの衛星追跡』樋口広芳/編 読売新聞社 1994 (p38 大名もまた将軍へツルを贈ったのである)
- 3『しろうや!広島城』No.7(平成18年2月) (「城下町には鶴がいた!」 ツルを狩ることが出来るのは朝廷・将軍・大名のみで(略)諸大名から将軍家への献上品とされたのです。)
- 4『江戸動物図鑑:出会う・暮らす・愛でる』港区立港郷土資料館/編集 港区立港郷土資料館 2002 (p72 ツルは江戸時代には鷹狩の獲物であり(略)将軍家では朝廷に献上するツルを捕獲し,その残りを大名たちに分け与えていた。)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000062694