レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年01月06日
- 登録日時
- 2012/12/18 14:27
- 更新日時
- 2013/04/02 15:51
- 管理番号
- 埼久-2012-135
- 質問
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解決
「鑑定書」「鑑別書」「保証書」の定義や内容について知りたい。
言葉の意味ではなく、内容がどのように定められているのか。特に宝石、書・絵画について知りたい。
- 回答
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【宝石について】
『宝石教室 鑑別・研磨からデザイン・制作まで』(ヒコ・みづの著 大阪 創元社 1977)
p59-105 「3 宝石鑑別」の項あり。p97-101「3-13 宝石鑑別書」の項に次の記述あり。「鑑別書とは、その石が何であるかを調べたものであり、鑑定書は、その石の価値を述べたものです。現在鑑別機関が発行している鑑定書はダイアモンドについてです。このダイアモンドの鑑定書は別として、今鑑別書についてふれます。今まで3章でのべてきた項目(重量、比重、屈折率、偏光など)が、ほとんどの鑑別書には書かれています。」とあり、天然オパール、サファイア、ダイアモンドの鑑別書の見本があり、それぞれの簡単な解説が述べられている。ただし、内容がどのように定められているかについては触れていない。
p186-187「4-15 ダイアモンド鑑定書」の項にダイアモンド鑑定書の見本があり、簡単な解説あり。
「鑑定士が教える宝石選びの基礎知識」(PHP研究所 2007)
「鑑別書が全ての宝石が対象になるのに比べ「鑑定書」はダイアモンド・グレーディング・ レポートともいい、ダイアモンドのみに発行されます。」
「保証書は販売店がジュエリーを販売したという証明です。ジュエリーの価値を証明するものではないため、鑑別書とは異なります。」という記述あり。【書画について】
『日本書画鑑定大事典 1』(中野雅宗編 国書刊行会 2006)
p30-59鑑定概要、狩野家の鑑定法、添状、鑑定の基準、印章のことなどについて説明されている。また鑑定書の偽造を2例あげている。
『日本絵画の見方』(榊原悟著 角川学芸出版 2004)
「落款・箱書・折紙・極書によって真偽を極めることについて」記述あり。
その他回答プロセスの情報を紹介した。
- 回答プロセス
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自館目録を〈鑑定 or 鑑別 and NDC分類7〉、〈鑑定 or 鑑別 and NDC分類45〉で検索する。
宝石について
『宝石学への招待』(崎川範行著 共立出版)
鑑定書、鑑別書についての記述はないが、鑑別と鑑定については以下のように記述されている。
p87 「6章宝石の鑑定と評価」
「鑑別と鑑定の違いについて、宝石業界では、鉱物として何であるかという判定の方に鑑別という言葉を用い、その鑑別に更に宝石としての品位と価値を加えて評価することを鑑定と呼ぶ習慣ができている。刀でいえば日本刀かサーベルかを判断するのが鑑別で、日本刀を正宗か長船か昭和新刀であるかを見分けるのが鑑定ということになる」
p89 ダイヤモンドの鑑定と評価について述べられている。
『宝石・宝飾の見方・買い方』(播磨谷信一著 東洋経済新報社 1975)
p78 「全国宝石学協会の鑑別書の内容項目は、次のようになっている。1鑑別石 形状、サイズと重量、色相と透明度、外観特徴 2鑑別方法 硬度、屈折率、偏光性、比重、多色性、蛍光性、分光特性、拡大検査、その他の検査 3鑑別結果 上記結果より○○と認める。」とあり。
『宝石商泣かせの宝石の上手な買い方』(棟朝幸夫著 池田書店 1980)
p155-156「もし保証書ならば、何が保証してあるのかをよく読むこと。普通、保証書というものは、その商品のアフターケアについて保証してあるものです。ダイアモンドの鑑定書代わりに、あるいは色石の鑑別書代わりに、不完全な一般的な保証書で代用しようとするのは、良心的宝石店ではありません。」
『宝石全書』(酒井美意子・池田裕著 主婦と生活社 1977)
p192 「保証書と鑑別書の効用について説明してください。」とあり、その回答が簡単に記述されている。
絵画について
『絵画の見方・選び方』(長谷川千恵子著 PHP研究所 1992)
p60-61 信頼できる証明書 絵に付いている登録証書の図あり。
『絵画の見方買い方』(瀬木慎一著 新潮社 1987)
p153-154 鑑定の実際 鑑定がおこなわれた物品には、鑑定書もしくはなんらかの認証の記録が添付されるが、形式は自由であり、その権威を認めるか否かは、商行為をおこなう者の態度いかんによる。
刀剣について
『真贋・考』(松浦潤著 双葉社 1998)
p198-206 刀剣の鑑定書、本阿弥家が発行した折紙の写真あり。その他調査済み資料
『真偽評価書画鑑定指針 復刻』(第一書房 1983)
『古美術鑑定評価便覧』(金園社 1979)
『真贋ものがたり』(岩波書店 1996)
『古書画の鑑定と観賞』(金園社 1970)
『絵画・骨董の売り方買い方』(南雲堂 1984)
『ダイアモンドハンドブック その評価と鑑定法』(全国宝石学協会 1977)
『インクルージョンによる宝石の鑑別』(全国宝石学協会 1983)
『絵画鑑識事典』(美術出版社 1988)
『書画鑑定のてびき』(二玄社 1985)
『宝石・宝飾の売り方』(播磨谷信一著 東洋経済新報社 1974)
『新しい宝石 宝飾美と鑑賞』(金園社 1969)
『宝石に強くなる本』 (フレデリック・H.プー著 原田馨訳 講談社 1981)インターネット情報の調査
《Googlebooks》を〈鑑定書〉で検索する。『日本絵画の見方』(回答資料)
「鑑定士が教える宝石選びの基礎知識」(PHP研究所 2007)未所蔵 県内17館所蔵(回答資料)
《BOOKPULS》を〈鑑定書〉〈鑑別書〉で検索する。
「ダイヤモンドのグレード鑑別書」(H・チュランダー 日本宝石学協会 1966)県内未所蔵。国会・都立・京都府立所蔵。《MAGAZINE PLUS》を〈鑑定書〉〈鑑別書〉で検索する。
雑誌記事
(1)「とことん追跡隊が行く 宝石の鑑別書と保証書、どう違う?」(『たしかな目 258』 p49-51 国民生活センタ- 2008)
(2)「業界震撼 宝石にも「表示疑惑」被害総額数十億円!?」(『サンデー毎日 81(16) 通号4499』 毎日新聞社 2002.4.14)
(3)「確認しておきたい作家シールや鑑定書の有無(特集・日本絵画の資産価値(物故洋画編)」(『月刊美術 27(3)通号306』 p63-64 サン・アート 2001.3)
「(前略)またなにを置いてもそろえておきたいのが鑑定書など真贋を確認できるもの。数百万レベルになればかならず画家の「共シール」の有無、鑑定書の有無、その作品の掲載された画集の有無などが出品オークション側から聞かれる。それの有る無しはマーケットにのせる上でまず初めのハードルとなる。この確認は手持ち美術品を資産として保持するための最低限やっておきたいことだ。」その他インターネット情報
《Google》を〈鑑定書 & 鑑別書 & 保証書〉で検索する。
宝石店等のウェブサイトに次の記載あり。
鑑別書は全ての宝石が対象、宝石の種類、真偽が分析表示される。宝石の身分証明書。
鑑定書はダイヤモンドのみが対象、品質を4Cの基準で分析表示される。宝石の成績証明書。
保証書は各宝石店が商品に対して発行するもの。記載される内容は各宝石店によって異なりアフターケアや修理の際に必要。
- 事前調査事項
- NDC
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- 宝石.牙角.皮革工芸 (755 9版)
- 絵画 (720 9版)
- 鉱物学 (459 9版)
- 参考資料
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- 『宝石教室 鑑別・研磨からデザイン・制作まで』(ヒコ・みづの著 創元社 1977)
- 「鑑定士が教える宝石選びの基礎知識」(PHP研究所 2007)
- 『日本絵画の見方』(榊原悟著 角川学芸出版 2004)
- 『日本書画鑑定大事典 1』(中野雅宗編 国書刊行会 2006)
- キーワード
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- 書-鑑定
- 絵画-鑑定
- 宝石
- ダイヤモンド
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000115944