レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年02月12日
- 登録日時
- 2010/03/04 14:27
- 更新日時
- 2015/03/29 17:53
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-1166
- 質問
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解決
明治時代に岐阜市にあった出版社・成美堂について知りたい。いつごろまで岐阜に存在し、どうなったのか。どんな本を出版していたのか。
- 回答
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成美堂は、笠松町出身で米穀商だった三浦源助(1832~1912)が、明治初年の県参事(後の県知事)・小崎利準の薦めで開業したもの。「成美堂」の屋号も小崎利準の命名による。主として教科書を扱っており、『輿地誌略』(1870年刊)『数学三千題』(1887年刊)『草木図説』(1907年刊)などの出版物があった。『数学三千題』出版の頃は全国に販路を持ち「使役する職工百人余」と隆盛を極めたとされている。
店舗の所在は、開業当初は岐阜市米屋町にあったが、明治24年(1891)の濃尾震災で焼失した後は同市多賀町に移っている。
現在、岐阜市坂井町にある教科書販売会社「岐阜県教販」は成美堂の後身にあたり、近年まで三浦源助の子孫が社長を務めていた。「成美堂」の名前がいつまで冠せられていたのかは資料をみつけられなかったが、昭和10年(1935)刊の『岐阜商工名鑑』には成美堂の名前がある。戦後になってからは、昭和26年(1951)版の『岐阜市商工名鑑』に、「三浦しょう」を代表者とする「有限会社岐阜県教科書用図書特約供給所」の名が記載されている。
また現在、英語教科書の出版社として東京に成美堂があるが、これは河出書房の二代目社長・河出孝雄の希望により社名を継いだもの。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 出版 (023 9版)
- 参考資料
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- 村瀬円良「郷土出版の主脈-明治から終戦までの素描-」(『郷土研究岐阜』11号(1976))
- 高橋健「岐阜県内外の出版事情試論-近世・近代を中心とした概略-」(『郷土研究岐阜』81-82号(1999))
- 『岐阜商工名鑑』(岐阜商工会議所,1935 郷土書庫:670.35/ギ/10)
- 『岐阜市商工名鑑』(岐阜市役所,1951 郷土書庫:670.35/ギ/26)
- 中日新聞1988年2月19日岐阜地域面(p.16)「百年百人 岐阜市制百年に寄せて 23 三浦源助」
- 中日新聞1988年7月12日岐阜地域面(p.16)「東京の書店成美堂の佐野義光さん社名のルーツ求め来岐」
- キーワード
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- 出版-歴史-日本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000064357