レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/11/21
- 登録日時
- 2009/04/23 02:11
- 更新日時
- 2009/04/27 14:42
- 管理番号
- 埼熊-2008-123
- 質問
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解決
「柘植」(奈良県)という地名は、ヤマクワを植えたことに由来すると聞いたが、なぜヤマクワを植えたのか。
- 回答
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「柘植」という地名の由来は、柘植の木が生えた地、崖地など諸説あり。ヤマクワの意味は「自然に生えている桑」であるようなので、ヤマクワが元から生えていた地という解釈が正しいと思われる。記述のあった資料を紹介する。
- 回答プロセス
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地名や地名語源、歴史関係の事典類を〈柘植〉〈つげ〉で検索した。
『地名語源辞典』p235〈つげ(柘植)〉に「古くは柘殖とかいてツミウエと読んだ字だが、それが柘植となりツゲとなまった。ツミとは山野に自然に生えている桑、つまりヤマグワのこと。」とあり。
『日本地名大事典 3 近畿』p277-278〈柘植〉に「『天武記』に「積殖」(ツミエ)、『和名抄』に「柘植郷」とある古い集落。柘の字は山桑の意。」とあり。
『古代地名大辞典 本編』p972〈つげのごう(柘植郷)(三重県伊賀町)〉に、「積殖とも書き、「つみえ」と訓み、平安中期から都介の表記が見られ、「つけ」と訓む。」とあり。
『古代地名語源辞典』p207〈つげ(都介、都家)〉に、「柘植の木が生えた地」という伝説があり、それをそのまま継承する説(吉田茂樹)もあるが付会であろう。ツゲは「継ぎ」と関係する語で「崖地」をいう称か。」とあり。ただし、伊賀の柘植が含まれるかは定かでない。
『国史大辞典 4』p975-976〈くわ〉に、「柘(つげ)はやまぐわともよばれ、山野に自生し、その木に山繭(ガ)が寄生し、それから糸を取った。」とあり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『地名語源辞典』(山中襄太 校倉書房 1968)
- 『日本地名大事典 3 近畿』(朝倉書店 1967)
- 『古代地名大辞典 本編』(角川文化振興財団 角川書店 1999)
- 『古代地名語源辞典』(楠原佑介 東京堂出版 1981)
- 『国史大辞典 4』(吉川弘文館 1984)
- キーワード
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- 奈良県-地名
- 柘植(ツゲ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000054130