レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年04月18日
- 登録日時
- 2012/04/18 12:33
- 更新日時
- 2012/05/15 13:37
- 管理番号
- 千葉市中央034
- 質問
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解決
歌川国芳(うたがわくによし)の描いた疱瘡絵(ほうそうえ)がみたい。
- 回答
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疱瘡絵とは、疱瘡(天然痘)除けのまじないとして書かれた絵のことをいう。疱瘡に対する呪色の赤(朱)の濃淡で彩られ、呪いの和歌や狂歌が添えられることもある。鍾馗(しょうき)、達磨、みみずく、張り子の犬、でんでん太鼓、風車、源為朝、金太郎、桃太郎などが画材としてよく用いられた。
歌川国芳の疱瘡絵について、次の資料に掲載されているのを確認した。
・『疱瘡神 江戸時代の病をめぐる民間信仰の研究』(ローテルムンド/著 岩波書店 1995)
①「為朝と疱瘡神」(口絵9・カラー) ②「獅子舞」(口絵10・カラー) ③「鍾馗大臣」(口絵11・カラー)
・『浮世絵のなかの江戸玩具』(藤岡摩里子/著 社会評論社 2008)
④「みみずく・うさぎ・豆太鼓」(口絵1・カラー/p.145 図1・白黒)
⑤「鎮西八郎為朝・疱瘡神」(口絵2・カラー/p.146-147 図2・白黒)・・・①と同じ
⑥「だるま・みみずく」(口絵3・カラー/p.148-149 図3・白黒)
⑦「金太郎」(口絵4・カラー/p.150 図4・白黒)
⑧「みみずく他」(口絵5・カラー/p.151 図5・白黒)
- 回答プロセス
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①「疱瘡絵」とはなにか、事典を用いて確認する。
・『浮世絵大事典』(東京堂出版) p.444-445
・『浮世絵事典 下巻 定本 はさ-わ 第3版』(画文堂) p.221-222
②『日本美術作品レファレンス事典 絵画篇 浮世絵』(日外アソシエーツ)をみる。巻末の作者別索引で「国芳[歌川]」の項(p.872-874)をみていくが、タイトルに「疱瘡」というキーワードを含むものはなく、どれが疱瘡絵なのか分からない。
③国芳の作品集を確認する。自館opacで「歌川国芳」をキーワードに検索し、ヒットした資料の中身を順次確認していったが、疱瘡絵が収録されていない。また、書架をブラウジングし、美術全集などをみるも、やはり疱瘡絵が見つからない。(確認した資料は[備考]欄に記載)
④キーワードを「疱瘡」に変えて自館opacを検索する。そのなかに『疱瘡神 江戸時代の病いをめぐる民間信仰の研究』(岩波書店)があり、その口絵に国芳の疱瘡絵が3点掲載されていた。
⑤リサーチ・ナビを確認。「歌川国芳」、「疱瘡」、「浮世絵」の3つをキーワードにし、組み合わせて検索をおこなうも、該当する資料(事例)がない。
⑥webcat-plusを確認。キーワード「浮世絵 疱瘡」で検索したところ、『浮世絵のなかの江戸玩具』(社会評論社)がヒット。千葉市図書館所蔵資料であったので内容を確認したところ、国芳の疱瘡絵が掲載されていた(口絵1~5、および巻末の図1~5)。
- 事前調査事項
- NDC
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- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 『疱瘡神 江戸時代の病いをめぐる民間信仰の研究』H・O・ローテルムンド/著 岩波書店 1995.3 (口絵)
- 『浮世絵のなかの江戸玩具 消えたみみずく、だるまが笑う』 藤岡 摩里子/著 社会評論社 2008.2 (口絵1~5/p.145-151の図)
- 『浮世絵大事典』国際浮世絵学会/編 東京堂出版2008.6 (「疱瘡絵」 p.444-445)
- 『浮世絵事典 下巻 定本 はさ-わ 第3版』吉田 暎二/著 画文堂 1994 (「疱瘡絵」 p.221-222)
- 『日本美術作品レファレンス事典 絵画篇 浮世絵』日外アソシエーツ 1993.4 (「国芳」 p.872-874)
- キーワード
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- 歌川国芳
- 浮世絵
- 疱瘡絵
- 疱瘡
- 天然痘
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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次の作品集も確認したが、疱瘡絵は収録されていない。
・『歌川国芳 新潮日本美術文庫 22』(新潮社 1998)
・『幕末の修羅絵師国芳 とんぼの本』(新潮社 1995)
・『もっと知りたい歌川国芳 生涯と作品』(東京美術 2008)
・『浮世絵名作選集 8 国芳』(山田書院 1971)
・『浮世絵大系 10 国貞 国芳 英泉』(集英社 1975)
・『浮世絵を読む 6 国芳』(朝日新聞社 1997)
・『名品揃物浮世絵 7 国芳・英泉』(ぎょうせい 1991)
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000104898